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ツイッターが抱える設計上の「欠陥」
ツイッターは人気のサービスによくあるジレンマに直面している。つまり、いかにして大きく忠実な既存のファンベースを遠ざけることなく、抜本的な変化を加え新たな顧客を獲得していくかという問題だ
By CHRISTOPHER MIMS
2016 年 8 月 1 日 17:03 JST
あなたがツイッターのプロだろうと完全な初心者だろうと、ツイッターを最大限に活用するには、できる限りそれを避けるのが恐らく一番だろう。スマートフォンからアプリを削除し、ウェブサイトやデスクトップのクライアントアプリには近づかず、ログアウトしておくことだ。
なぜか。その理由を理解することは、ツイッターのより大きな問題を浮き彫りにする。つまり、アカウントを持っている人や定期的に利用する人をはるかに超える範囲にツイッターのサービスが届いていることだ。ツイッターはその度合いを測定すらしている。
ツイッターのリポートによると、1カ月に1回以上ログインする月間アクティブユーザー数(MAU)は3億1300万人だが、「トータル・アドレッサブル・オーディエンス(TAA)」は8億人だ。TAAとは、ウェブページやニュース記事に埋め込まれたものなどツイッターのウェブサイトやアプリ以外でツイートを見る人たちを含めた人数だ。しかも、TAA以外にもツイッターが測定できない人たちがいる。番組内でツイートを読み上げているほぼ全てのケーブルニュース番組の視聴者などだ。
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ツイッターはその影響力の証としてTAAを盛んに宣伝している。しかし、ツイッター以外でこれだけ消費されていることは、製品設計上の巨大な欠陥と解釈することもできる。これは、ツイッターが最も貴重なコンテンツを情報裁定という形で表面化させるのが得意でないことを示しているからだ。そのため、アプリやデータ解析サービス会社からニュースメディアに至るまで、他のプレーヤーのエコシステム全体がツイッターに代わってその役割を果たすようになっている。
黒字化していないツイッターにとって、未来はそうしたオーディエンスをどれだけ多く獲得できるかにかかっているかもしれない。同社が先週発表した4-6月期のユーザー数の前年同期比伸び率がわずか1%にとどまっていることを考えれば、なおさらだ。さらに広く見れば、ツイッターの問題は、その共生相手となっているメディアと同じだ。つまり、ツイッターは人々がコンテンツを作る場所になっているが、その消費の仕方については主導権を他に譲り渡している。
そこで、自らをニュースの熱心な消費者と考えるツイッターユーザーに試してもらいたいことがある。ツイッターのクライアントアプリ「Nuzzel(ナズル)」をダウンロードし、ツイッターアプリの代わりに1週間使ってみてほしい。2年前に提供が開始されたナズルは、自分がフォローしている人たちの間で最もツイートされたリンクを表示するアプリだ。
筆者は1年前、ナズルを日々どう使用しているかについて記事を書いたが、ナズルへの依存度は増す一方だ。ナズルは、「何が起こっているか見てみよう」という最新の広告キャンペーンのキャッチフレーズにもなっているツイッターの目的を、ツイッター自身よりもうまく果たしている。
ツイッターも何も努力していないわけではない。ユーザーに表示する一部ツイートの順序を決めるアルゴリズムや「モーメント」タブなど最近さまざまな変更を加えている。これらは、10年前の立ち上げ以来ツイッターの象徴となってきた厳密に時系列表示されるツイート以外のコンテンツももっと表面化させることを目的としている。
ツイッターの初期の社員で後にツイッターの投稿アプリ「OneShot(ワンショット)」を開発したイアン・オウンビー氏も「ツイッターの現在の製品改良ペースは以前よりも大幅にスピードアップしている」と指摘している。
しかし、このような漸進的な変化では不十分だ。
ナズルの創設者でCEOのジョナサン・エイブラムズ氏は「ツイッターには人々が簡単にアクセスできない膨大な量の貴重なデータがある」とし、「ツイッターにいる科学者や図書館員1人につき恐らく10人のツイッターにいない科学者や図書館員がいる」と話す。
ツイッターを弁護するなら、同社は人気のサービスによくあるジレンマに直面している。いかにして大きく忠実な既存のファンを遠ざけることなく、抜本的な変化を加え新たな顧客を獲得していくかという問題だ。ツイッターの内情に詳しい関係者によると、現在同社で働く誰もがこの議論に熱心だという。
エイブラムズ氏は「新たに3億人の人たちが、いわゆる『コアのツイッター』を使うことがないのは誰の目にも明らかだろう」と指摘。しかし、数億人が既に「ツイッターの延長版」とも言うべきものを利用している。
恐らくツイッターのコンテンツ――つまりツイート――の作成と消費に同等に重点を置いたコア・インターフェースは、その巨大な既存および将来のオーディエンスを獲得するのに合っていないのだろう。テクノロジーとメディア双方を兼ね備えた企業の多くがこのジレンマに陥っている。米最大の掲示板サービス「レディット」から米動画共有サイト「ピンタレスト」、フェイスブック、スナップチャットに至るまで、これらサービスのコンテンツの大半はごく一部のユーザーが作成している。われわれの多くは結局、コンテンツの単なる消費者でしかない。
この方向に向けたツイッターの漸進的な変更は正しい措置に思えるが、ユーザー数の伸び悩みが示す通り、大胆さが不足している。ナズルのようなツイッター・クライアント・アプリは未来への道を指し示してはいるが、同じくらい興味深いもっと思い切った実験も行われている。例えば、コンテンツを保存して後で閲覧できるアプリとして始まった「Pocket(ポケット)」は、アプリ内にツイッターのようなコンテンツお薦め機能を組み込んでおり、これがなかなかいい。またツイッターは4-6月期、金融情報サービス会社のブルームバーグやIBM、顧客情報管理(CRM)ソフト大手セールス・フォース・ドットコムなどの企業へのデータのライセンスで6700万ドル(約68億6000万円)の収入を得ている。ツイッターは自社でもっと多くのデータ処理ができれば企業向け事業の売り上げを増やせる可能性がある。
ツイッターのジレンマは、自称テクノロジー企業であろうとメディア企業であろうと、コンテンツを創出する他のどの企業にも教訓になる。オーディエンスが自分たちのコントロールの及ばない場所でコンテンツを消費したり、他者のためにそれを処理することで価値を抽出したりしているとすれば、それが成長への道につながる可能性がある。
そのためには、ツイッターは普通の人向けのツイッターを作る方法を見つける必要がある。現在のサービスよりもはるかに利用しやすいものだ。普通の人たちがすること、つまりコンテンツの作成ではなく消費にもっと重点を置いたサービスだ。そして、われわれのようなニュース中毒者たちが愛用している現在のツイッターアプリを現状に合わせて「ツイッター・プロ」としてブランディングし直す必要がある。
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