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ムーアの法則が終えん? 米インテルら半導体大手に深刻な課題
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TIERNAN RAY
2015 年 5 月 12 日 07:44 JST
•50年続いたムーアの法則の終えん
50年前、シリコンバレーの新興企業の一つだったフェアチャイルド・セミコンダクターの若き技術者、ゴードン・ムーア氏は、後に「ムーアの法則」として知られる、ある見解を提唱した。半導体の基本単位であるトランジスタの微細化により、当時は想像もつかなかった家庭用コンピューターなど、驚嘆すべきことが実現可能になるとの予測を電子工学専門誌に発表したのである。
ムーア氏は、現在に至るまで数十年にわたる半導体のたゆまぬ進歩を驚くほど正確に予言した。だが、ムーアの法則は終わろうとしている。トランジスタの微細化のペースも、価格の低下ペースも、もはや以前と同じではなくなった。この影響は半導体産業にとって、特に飛躍的な技術革新の波に最もうまく乗ってきたインテル(INTC)にとって、深刻である。
ムーア氏は、シリコン基板の単位面積当たりトランジスタ数が2年ごとに約2倍に増えると予言した。トランジスタの集積度が高まるため、個々のトランジスタの価格は低下する。その後の業界の経験値では、価格は2年ごとに半分になった。
•トランジスタ当たり価格の低下が限界に
ところが、今やトランジスタが小さくなり過ぎ、微細化がこれまでのようなペースでは進まなくなった。しかも微細化は巨額の追加コストを伴うようになっている。現在の最先端のトランジスタの大きさは14nm(ナノメートル=10億分の1メートル)。微細化技術で先頭を走るインテルは、次世代の節目となる10nmサイズへの移行をどのような方法で実現するかを、今年後半に発表すると予想されている。
インテルと競合する半導体メーカーも同じ問題に取り組んでおり、それには半導体受託生産メーカーの台湾積体電路製造(TSMC、ティッカーはTSM)、サムスン電子(005930.韓国)、グローバルファウンドリーズが含まれる。これらの受託生産メーカーは、通信用半導体のブロードコム(BRCM)、ゲーム機器用半導体のエヌビディア(NVDA)、携帯電話用半導体のクアルコム(QCOM)、アップル(AAPL)など、半導体設計は行うが自社工場を持たない企業向けに半導体を生産している。
半導体市場調査会社のリンリー・グループで主任アナリストを務めるリンリー・グェンナップ氏は、「ムーアの法則のポイントは、これが経済原則であることだ。だが、経済原則としてのムーアの法則は既に終わっている」と指摘する。
インテルが半導体製造で優位を保つとすれば、今後も同社が最高の性能を持つコンピューター向け半導体を製造するメリットを享受することになり、これは同社の稼ぎ頭であるサーバー・コンピューター向け半導体の売り上げにプラスに作用するはずだ。だが、ムーアの法則に基づく経済性の飛躍がもはや持続しないのであれば、かつてない水準まで低価格化の進んだスマートフォンなどの家電製品市場でインテルは打撃を被ることになる。
グェンナップ氏は、大手半導体メーカーがサーバーとパソコン市場で制約を受けると指摘する。「5nmサイズのトランジスタに取り組めるのは大手半導体メーカーだけだが、販売価格が高くなり過ぎれば優位性は失われる」からだ。
•製品性能を決めるのは半導体だけではない
インテルにしてみれば、ムーアの法則が終わったという噂(うわさ)は誇張され過ぎだ。同社の上級フェロー、マーク・ボーア氏によると、ここ数年、ムーアの法則の実現ペースが鈍っていることは事実で、集積度が2倍になるまでの期間が「2年よりもやや長くなり」、トランジスタ当たりの価格下落率が半分ではなくなったという。一方で、14nmの製造技術によって「集積度が実際に向上し、それによりトランジスタ当たりのコストは改善する」と主張する。
競争の最終結果は全く予測できない。インテルが5nmのトランジスタにアプローチできる唯一の半導体メーカーであることが判明すれば、競争相手は壁に突き当たるだろう。だが、その相手が別のアプローチを見いだすことでインテルの優位を回避する可能性もある。
エヌビディアの最高経営責任者(CEO)、ジェンスン・ファン氏は先週のアナリスト説明会で、「ソフトウエアやシステム設計も重要な要素だ。エネルギー効率と性能を高める方法は数多くあり、半導体製造技術だけに夢中になり過ぎるつもりはない」と明言した。つまり、「問題の解決方法はたくさんある」のである。
http://www.asyura2.com/15/hasan95/msg/782.html
「ムーアの法則」はまだまだ終わらない!
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