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初期アルツハイマー病「マウスで記憶復元に成功」[NHK]
3月17日 7時00分
初期のアルツハイマー病の状態にしたマウスの脳に光を当てて刺激することで、失われた記憶を取り戻すことに成功したと、理研ーMIT神経回路遺伝学研究センターのグループが発表しました。初期のアルツハイマー病の治療法の開発につながる可能性があるとしています。
この研究を行ったのはノーベル賞受賞者で、理研ーMIT神経回路遺伝学研究センターの利根川進センター長のグループです。
グループではまず、マウスにアルツハイマー病に関連する遺伝子を組み込み、初期のアルツハイマー病の状態にしました。
通常、マウスは箱の中に入れ、電気的な刺激を与えるとその体験を記憶し、その後は、同じ箱の中に入れるだけで身をすくめる行動をとるようになりますが、アルツハイマー病の状態にしたマウスは、1日たつとこの行動を取らなくなり、記憶を取り戻せない状態になっていました。
ところが、この病気のマウスの脳にある「記憶エングラム」と呼ばれる神経細胞の集まりを光を使って刺激すると、箱の中に入れるだけで再び身をすくめる行動を取るようになったということです。グループでは、刺激によって記憶を取り戻したとみていて、光による刺激をさらに続けると、記憶を取り戻せる期間も延びたということです。
今回の成果について利根川センター長は「初期のアルツハイマー病の患者は記憶を失っておらず、思い出せないだけかもしれない。将来、細胞から記憶を取り出す技術が開発されれば、病気の症状を軽減できる可能性がある」と話しています。
患者や家族の団体「希望の光」
認知症の患者やその家族で作る団体「認知症の人と家族の会」東京都支部の大野教子代表は、「初期のアルツハイマー病の患者とその家族は記憶障害によって、これからどうなるのだろうと不安な気持ちを抱えています。記憶が取り戻せるかもしれないという今回の研究成果は私たちにとって希望の光です。今後、少しでも早く患者の手元に治療法や薬が届くようになってほしいと期待しています」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160317/k10010446071000.html
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