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全身がんだらけでもなぜ元気?
「全身がんだらけ」の樹木希林 それでもなぜ元気なのか
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160223-00000014-pseven-ent
週刊ポスト2016年3月4日号
女優・樹木希林(73)の口から「全身がん宣言」が飛び出したのは2013年3月のことだった。あれから3年。樹木は精力的に映画やイベントに出演を続け、「本当にがんなの?」という声さえ上がるほど。なんでそんなに元気なのだろうか?
「治療 選べる時代 人生最期をどう生きる」をテーマにした、2月9日放送のNHK『クローズアップ現代』。ゲスト出演した樹木は、キャスターの国谷裕子氏に「全身にがんが転移しているとはまったく思えないが?」と問われると、いつもの自嘲気味な微笑を浮かべながらこう答えた。
「来週にはまた治療に入るんですけれども(中略)私は本当、死ぬ死ぬ詐欺なんて笑っているんです」
それにしても何度も再発や転移を繰り返しながら、なぜピンピンしているのか。医療ジャーナリスト・田辺功氏はその秘密について、「四次元ピンポイント照射治療の効果ではないか」と語る。
四次元ピンポイント照射治療とは、がんの放射線治療法の一種だ。縦横奥行きの“立体的照射”に加え、呼吸などによる体の動きのタイムラグ、つまり“時間軸”を計算し、がん細胞を追尾しながらピンポイントで放射線を照射する。
樹木が2007年から治療を受けてきたのは、鹿児島にあるUMSオンコロジークリニックだ。
「四次元ピンポイント照射の機械は全国に数台ありますが、同クリニックでは院長の植松稔氏が開発した独自の機械を使っています。患者をベッドに固定したままベッドをスライドさせて放射線を照射するもので、呼吸などによる“ズレ”がないため、狙ったがん細胞に強力な放射線を当てられる」(田辺氏)
樹木自身も『クローズアップ現代』で、「放射線のピンポイントの治療なんで、非常にこれは楽な治療なんですね」と語っていた。
ただし、健康保険のきかない自由診療のため、「治療費は200万〜300万円ほどかかる」(田辺氏)という。都内に住む樹木の場合、これに交通費や滞在費用が加わる。
樹木は『女性セブン』2012年9月27日号でのインタビューにこう答えていた。
〈(治療は)週に何回じゃなくて毎日で……。通うことはできないから、1か月くらい滞在したんですよ〉
樹木はUMSオンコロジークリニックに定期的に検診に訪れ、再発が判明するたびに四次元ピンポイント照射治療を受けてきたという。前掲のインタビューではこうも語っていた。
〈(がんとは)つきあいたくないけど、出てくるものはしょうがないですよね。私の場合、日々の生活の仕方は、がんを受け入れているという形なんですよ〉
がんの発見が遅れて、気づいた時には手遅れになっているケースは珍しくないが、頻繁にチェックしている樹木は、「がんであるがゆえに、早く他のがんが見つかり、結果的に長生きできている」(田辺氏)わけだ。
UMSオンコロジークリニックからは「患者さんからの問い合わせ以外には応じない」とコメントは得られなかったが、クリニックのHPで植松院長は次のように書いている。
〈一つだけ確かなことがあります。それは、進行がんや転移がんを確実に治す方法などこの世にはどこにもないのに、現実には治る人と治らない人にはっきりと分かれるということです。
そして治った人、病気を克服した人は、ほぼ全員が無理ない形で医療の力を利用しながらも、最終的には自分の力で病気を克服しているということです。(中略)自分の身体の力でがん細胞と闘う免疫細胞にしっかりとスイッチが入ったということを示しています〉
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