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【図表1】がん告知後に考えるべきこと
突然のがん宣告、間違いだらけの初動対応…病院選びやお金、その後の人生を大きく左右
http://biz-journal.jp/2016/02/post_13815.html
2016.02.16 文=黒田尚子/ファイナンシャルプランナー Business Journal
1981年以来、日本人の死亡原因の第1位であるがん。国立がん研究センターによると、2015年のがんで亡くなる人は37万人に上るという。
今や国民の2人に1人ががんになるといわれているが、16年1月から全国がん登録がはじまり、さらに正確ながんの統計データが出てくると予想される。とはいえ、どこか他人事のような、ピンとこない人も多いのではないだろうか。そんなあなたが、ある日突然がんと宣告されたらどうすればよいのだろうか。
■がん告知を受けたAさんの場合
Aさん(52歳)は、会社の健康診断で前立腺がんの疑いありと言われ、紹介された大学病院で精密検査を受けたところ、前立腺がんと診断された。
主治医に検査結果を聞きに行く日は、朝から緊張して付き添ってくれた妻(49歳)とも会話が弾まない。自分の名前が呼ばれ診察室に入っていくと、主治医は検査結果を見ながら、あっさりと「前立腺がんですね」と告げる。隣で聞いている妻も、動揺している様子が伝わってきた。そんなこちらの様子を斟酌することもなく、主治医の説明はよどみなく続く。
とにかくAさんは、がんを告げられたことがショックで、医師の言葉が頭に入っていかない。「まさか自分が」という信じられない気持ちと「やっぱり」というような複雑な気持ちが交互に押し寄せてくる。さらに、これからの生活、仕事、家族のことなど、何をどうしたらいいのか、いろいろな感情や考えが頭の中を駆け巡るばかりだった。
■がん告知でパニック状態になるのは当たり前
Aさんのように初めてがんと知ったとき、多くの人は「頭の中が真っ白になった」と振り返る。事前に予想して覚悟を決めていたり知識や情報を持っていたりしても、動揺してパニック状態になるのは当たり前。逆に、辛いときや悲しいときに落ち込み感情が不安定になるのは、心身が健康な証拠だともいえる。
通常、このような不安定な状態は1〜2週間で徐々に落ち着くといわれているが、実際にはそんな時間的な余裕はない。Aさんのように、告知時点で主治医から今後の治療計画や入院等についての説明があり、これからどうしていくか決断しなければならない課題が山積みされているからだ。
■がん告知を受けた後に考えるべき3つのこと
がん告知を受けた後に考えるべきことは、(1)がんについて、(2)仕事・お金について、(3)家族・知人・友人・職場などについて、の3つに大別できる(図表1参照)。
このうち最優先すべきは(1)である。どこの病院でどのような治療を受けるかが、今後の人生を左右するといっても過言ではない。そして、自分にとって最善の治療を選択するためには、いかに有益な情報を集めるかが重要なポイントだ。
■がんは情報戦! 信頼のおけるがん情報を入手する
ただ情報といっても、いきなりインターネットに飛びつくのは要注意。手軽にさまざまな情報を収集できる反面、その内容は玉石混淆。エビデンスのある正確な情報ばかりとは限らない。
まずは、国立がん研究センターのウェブサイト「がん情報サービス」を中心に信頼性の高い情報を入手することをお勧めしたい。ここでは、全国のがん診療連携拠点病院ごとに、かなり詳細なデータが登録されており、条件を入力すれば、病院別の比較をすることもできる。
また、あまり知られていないが、自治体ごとのがん対策のチェックや療養情報冊子をダウンロードもできるので、自分が住んでいる地域以外に、勤務先に近い病院等を検討している人などは便利だ。
それから忘れてはならないのが、あなたの情報を持つキーパーソンは主治医であるということ。何か気になる情報があれば、主治医に「自分にこの治療法はどうか?」と聞いてみよう。そのためには、主治医との信頼関係を築くことも重要なポイントであると言える。
■治療法選びに「セカンドオピニオン」を活用する
出所:「セカンドオピニオンに関する意識調査」ティーペック株式会社
病院選びや治療法選びをする上で、「セカンドオピニオン」(以下、SO)も検討しておきたい。主治医の意見を聞きつつ他の医師からも意見を聞くのは患者の持つ当然の権利であり、診断が難しいがんや複数の治療法を提示された場合は、受けておくべきだろう。
健康相談・医療関連サービスのティーペックが行った「セカンドオピニオンに関する意識調査」(15年4月)によると、SOの認知度は92%と非常に高い一方(図表2参照)、病院によるSO外来を知らない人が7割近く(68.2%)もいるという。さらに、生命保険や損害保険の付帯サービスでSOが利用できることに対する認知度も約2割(19.8%)にとどまる。
自分が加入している民間保険に、SOが無料で受けられる付帯サービスがついているかどうかも確認しておこう。
■がんにかかるお金の目安は100万円
【図表3】がん治療にかかった費用:調査会社によりインターネットで一般公募した「過去3年以内にガンに罹患した方」を対象として、13年5月に実施した「ガン患者の悩みや負担に関する実態調査(アンケート調査)」のご本人133名による回答を集計したもの。
そして、治療も大事だが、先立つモノ=お金がなければ、治療の選り好みもできない。
がんにかかる治療費の目安は100万〜200万円程度といわれている(図表3参照)。がんの医療費は、どの部位のがんに罹患するか、進行度はどれくらいか、どのような治療法を受けるかによって大きく変わってくるが、とりあえずがん告知を受けたら100万円程度は、すぐに引き出せるような普通預金口座に預け替えるなどしておこう。
がん医療は、まさに日進月歩。さまざまな治療法や選択肢が登場する一方で、それにかかる費用は高額化・長期化の傾向にある。お金さえあれば、最適な治療が受けられるというものではないが、少なくとも経済的余裕が治療法の選択の幅を広げ、罹患後のQOL(生活の質)の維持や向上につながる可能性は高い。
いざというときに備えて後悔しないためには、がんなどの病気にならないような生活を心掛け、あわせてココロとお金の準備をしておかれることをお勧めしたい。
(文=黒田尚子/ファイナンシャルプランナー)
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