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認知症、「脳のごみ」除き予防 検査装置や治療薬 開発進む
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投稿者 あっしら 日時 2016 年 1 月 29 日 00:08:51: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
 


認知症、「脳のごみ」除き予防
検査装置や治療薬 開発進む

 認知症患者は現在、462万人に上る。高齢化とともに増え続け、2025年には730万人に達すると推計されている。特に根本治療がないアルツハイマー病の比率が増えており、対応が急務だ。病気の原因となるたんぱく質の「ごみ」が脳にたまり始めるのをいち早く捉え、発症予防や治療につなげようとの試みが動き出した。

 アルツハイマー病患者の脳には、2つの異常が起きている。アミロイドβというたんぱく質が沈着してできる「老人斑」と、タウというたんぱく質が絡み合った糸くずのような「神経原線維変化」だ。

 アミロイドもタウも、いわばたんぱく質のごみ。これらのごみが脳に蓄積して神経細胞を死滅させ、脳が萎縮して認知症になるのがアルツハイマー病だ。

 今のところ、脳にたんぱく質のごみが蓄積するのを抑える手段はなく、根本的な治療はできない。「いかにごみを除去するかが、現状を打破するカギになる」と放射線医学総合研究所の樋口真人チームリーダーは話す。

 アミロイドとタウのどちらがより根本的な原因かは、これまで何度か議論になってきた。近年、アミロイドが最初の引き金となるという「アミロイド仮説」が有力となり、アミロイドを標的にした治療薬の開発が進んできた。2000年以降、免疫反応を利用してアミロイドを除去するワクチンなど15種類以上の候補薬の臨床試験が世界中で実施された。

 ところが半数が開発を中止。承認に至った薬はない。ワクチンを打った人の脳を調べたところ、アミロイドは消えていたが記憶障害は改善しなかった。「タウはたまったままだった。それでタウの方が重要との見方が強まってきた」と樋口リーダーは言う。

 たんぱく質のごみは、実は認知症を発症する20年近く前からたまり始めるといわれる。同研究所の須原哲也プログラムリーダーは、「初期のがんで症状が出ないように、アルツハイマー病も最初は脳の一部にごみがたまるだけで症状は出ない。たまる領域が広がると発症する」と話す。「がんと違うのは、無症状の期間がやたらに長いこと」

 脳にたまり始めたアミロイドやタウを検出できれば、無症状のうちに治療を開始し、進行を遅らせて発症を防ぐことが可能になるかもしれない。発症してしまった人に対する治療法の開発にもつながる。

 そのための武器になると注目されているのが、がんなどの検査に使われる陽電子放射断層撮影装置(PET)だ。患者に特殊な薬剤を注射し、薬剤を取り込んだ細胞などから放出される放射線を画像化する。

 放医研は新たにタウに結合する薬剤を開発。これとアミロイドを検出する従来の薬剤を用いて、記憶障害がない正常な高齢者とアルツハイマー病患者の脳を調べた。すると意外なことに、脳の中の海馬という部位にタウがたまり始めている正常な高齢者が見つかった。アミロイドはたまっていなかった。

 海馬は記憶に深くかかわる。この人の認知機能は正常だったが、記憶を検査したところ、タウがたまっていない人に比べて劣っている傾向があった。

 まずタウが海馬にたまり、その後アミロイドが脳にたまり始めると、タウが大脳辺縁系に広がる。より高度な脳の機能をつかさどる大脳新皮質へと拡大すると、認知症になると考えられる。

 放医研はこのほど、海馬に蓄積するタウを高感度で検出できるヘルメット型のPETを試作した。横になって測定する従来のPETよりも検出器と頭の距離が近く、感度が3倍高い。あごにも検出器を置くことで、海馬の検出感度を高めた。タウがたまり始めたポイントを正確に捉える。

 将来は「海馬にタウがたまり始めたときから、発症するまでのどこかの時点で治療を始める」と須原リーダーは話す。

 タウを標的にした治療薬の開発も進んでいる。米国のベンチャー企業などがタウの蓄積を防ぐワクチンの開発を進めている。日本では国立長寿医療研究センターの高島明彦部長らが、タウが多数結合し、繊維状の神経原線維変化になるのを防ぐ物質を見つけた。治療薬になると期待され、「今後、臨床試験に移る計画」(高島部長)という。

 無症状のうちから検査し、早めの対応でタウの蓄積を抑える。この戦略で神経細胞死を防ぐことができれば、アルツハイマー病の根本治療が可能になるだろう。

(西山彰彦)

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タウたんぱく質、凝集すると神経細胞が死滅

 神経細胞の中にあるたんぱく質のひとつ。通常は骨格を作る微小管に結合しているが、リン酸が過剰にくっつくと微小管から離れ、タウたんぱく質同士で結合して細胞内にたまる。タウたんぱく質が凝集して繊維状になったものを神経原線維変化と呼ぶ。

 神経原線維変化が起きると、神経細胞は構造を保てなくなり死滅する。タウたんぱく質がたまる領域は、アルツハイマー病患者の脳が萎縮している領域とよく一致する。アミロイドβはそれほど一致しない。ただしアミロイドβは過剰にリン酸がくっついたタウたんぱく質を増やすので、治療にはその除去も必要と考えられている。


[日経新聞1月24日朝刊P.]

 

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コメント
 
1. 2016年1月31日 19:47:46 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[1184]
――エッ、電子レンジはいけないの……。

電子レンジにかけるとタンパク質の元であるアミノ酸の型式が変わってしまうのです。地球上にあるアミノ酸というのはL型。私たちの体も、肉も魚も全部L型のアミノ酸でできています。ところがそれを電子レンジにかけるとD型に変化してしまう。そうすると、私たちはいくらD型のアミノ酸を摂取しても髪の毛も皮膚も血液も作れない。酵素も遺伝子も作れないわけです。

お弁当買ってきて電子レンジでチーンすると、お弁当の中のお魚・ご飯・お肉の中のアミノ酸の一部がD型に変化してしまう。一度変化してしまうと、L型に戻せる酵素を人間は持っていない。

これは深刻な問題ですね。 若い人にアルツハイマーが増えていますが、アルツハイマーの若者の脳の血液の中に、なんかくずみたいなものがいっぱいウヨウヨしていると言うのです。ぼくはこれはD型のアミノ酸ではないかと思っているのです。 便利だからと、みんな平気で電子レンジでチンしている。

電子レンジをやめただけで病人は15%〜20%ぐらい減るのではないか。環境問題と同時に食事の環境も問題にしてほしい。「自然が一番」とかいいながら電子レンジでチンというのはどうですかね。


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