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1月18日に亡くなったグレン・フライさん(写真はイーグルスの公式HPより)
イーグルスのグレン・フライさんの命を奪った「関節リウマチ治療薬」による副作用の危険
http://healthpress.jp/2016/01/asyuracom-2228.html
2016.01.21 ヘルスプレス
「ホテル・カリフォルニア」をはじめとする数々の名曲で知られるアメリカのロックバンド「イーグルス」。その創立メンバーであるグレン・フライさんが、1月18日、ニューヨークで逝去した。享年67。
バンドの公式ウェブサイトによると、死因は関節リウマチ、性潰瘍性大腸炎、肺炎による合併症とのこと。数週間にわたる闘病の末、力尽きたという。
イーグルスは1971年に結成された。カントリーやハードロックを織り交ぜたサウンドと鉄壁のハーモニーにより、世界的に絶大な人気を獲得、シングルとアルバムの総売上は優に1億万枚を超えている。フライさんはギターとボーカルを担当、「テイク・イット・イージー」や「ニュー・キッドイン・タウン」などでリードボーカルをとっている。またソロシンガーや俳優としても活躍した。
バンドはライブに定評があった。1994年に再結成して以来、昨年の7月末まで毎年のようにツアーを行っており、昨年だけで38回ものライブをこなしている。その後、フライさんは闘病生活に入り、数週間前に病状が悪化、そしてついに帰らぬ人となった。
■かつては一生、痛みと付き合わなければならなかった関節リウマチ
フライさんの死因のひとつとなった、関節リウマチとはどんな病気なのだろうか?
関節リウマチは、関節が炎症を起こし、軟骨や骨が破壊されて関節の機能が損なわれ、放っておくと関節が変形する。腫れや激しい痛みを伴い、関節を動かさなくても痛みが生じるのが、他の関節の病気と異なる点だ。
手足の関節で起こりやすく、左右の関節で同時に症状が生じやすいことも特徴だ。その他にも発熱や疲れやすい、食欲がないなどの全身症状が生じ、関節の炎症が肺や血管など全身に広がることもある。
そうした症状に陥るのは、免疫の働きの異常が原因である。本来は外部の細菌やウイルスを攻撃するのが役割の免疫が、誤って自己の細胞や組織を攻撃してしまうのだ。日本では70万人以上の患者がおり、その8割は女性。発症のピークは30~50歳だ。
以前は、治療が難しい病気として知られ、一生、痛みと付き合っていく覚悟が求められた。しかし、現在では新しい薬のおかげで「寛解」状態を維持させることが可能になってきた。
■安倍首相も苦しんだ潰瘍性大腸炎、副作用をもたらした薬が何かは明かされず
フライさんが併発した潰瘍性大腸炎は、リウマチと同様、自己免疫性の疾患である。これは厚生労働省が指定する難病で、大腸の粘膜に炎症を起こし、びらんや潰瘍ができるというもの。症状には腹痛、軟血便、下痢、発熱に食欲不振などといったものがあり、患者数は約12万人である。原因は不明で、完治は不可能。症状を止めても、再燃の恐れはのちにある。
ちなみに安倍晋三首相の持病としても知られていて、彼はこの病気が原因で、2007年に一度、内閣総理大臣の職を辞している。その後、アサコールという「特効薬」のおかげで持ち直し、2012年に首相に返り咲いたのはご存知の通り。
関節リウマチにしても潰瘍性大腸炎にしても、直接の死因にはならない。では実のところフライさんの死因はなんだったのだろうか? バンドのマネージャーであるアービング・アゾフさんはフライさんの死について下記のように語っている。
「彼は15年以上、慢性関節リウマチを患っていました。膝から腕、関節という関節が傷つけられていた。潰瘍性大腸炎と肺炎はすべてその副作用でした。あまりにも早く逝ってしまった」
ただし、服用していた薬が何であったかは、弁護士の助言により明かしてはいない。
肺炎は、細菌やウイルスなどが肺胞に感染し炎症を起こすものだ。日本とアメリカ、両国でも、がん、心疾患に次ぐ主要な死因として知られている。この病気で亡くなる者は65歳以上がほとんどである。フライさんの冥福を祈りたい。
(文=編集部)
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