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流行る遺伝子検査。だが、専門家からは疑問の声も(写真と本文は関係ありません)
遺伝子検査ビジネス落とし穴 環境要因大きく科学的根拠に疑問の声
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20160123/dms1601231530002-n1.htm
2016.01.23 夕刊フジ
唾液などから体質や病気のなりやすさなどを判定する「遺伝子検査ビジネス」が拡大している。近年はIT企業を中心に参入が相次いでおり、その数は1000近くに上るとも言われる。だが、専門家が科学的根拠を疑問視するほか、消費者に誤ったメッセージが伝わるリスクも指摘されている。厚生労働省は規制の必要性などを話し合う専門家検討会を立ち上げており、今夏にも報告書を取りまとめる。
商業用の遺伝子検査は1万〜6万円ほど。多くはウェブ上から申し込み、検査キットで採取した唾液や口内粘膜を送ると解析結果が届く仕組みだ。
調べられるとされるのは、肥満や禿頭といった体質や、がんや生活習慣病など疾病の罹患(りかん)リスク。運動や音楽など隠れた才能の判定をうたうものもある。
結果をもとに、適切なダイエット法を紹介されたり、サプリメント購入を勧められたり−といったことも多いようだ。
一方、サービスをめぐっては、医学界を中心に異論が出ている。
北里大の高田史男教授(臨床遺伝医学)によると、ビジネス分野では現在、ある特定の遺伝子内の1ないし数カ所のDNA配列の個人差を調べて体質や病気発症の可能性を予測するという検査などがそのシェアを伸ばしているという。
だが、多くの体質や生活習慣病、がんなどの「多因子疾患」は、膨大な数の遺伝情報の個人差が集積して関与しているほか、その人の食生活や嗜好、仕事のストレスなど多数の環境要因も大きな影響を与えていると言われる。「100万人規模での個人遺伝情報の全解析など、まだ膨大な研究が必要な多因子疾患の予測をなぜ商品化することができるのか。消費者向けの遺伝子検査は現状として、十分な科学的根拠があるとは言い切れないものが多い」と高田氏は語る。
サービスの在り方を疑問視するのは、医師でジャーナリストの村中璃子氏だ。
「病気には遺伝的要因よりも環境要因の方がずっと大きいものがたくさんある。例えば、肺がんは、遺伝的なリスクよりも喫煙のリスクの方がはるかに高いことはいうまでもない。商業用遺伝子検査は『医療に立ち入らない』という法的配慮から、そもそも、検査対象を遺伝的要因の小さな病気に限定していることにも注意する必要がある」
企業は体質や傾向を知らせることで消費者が健康に留意するようになると強調するが、「提示結果が逆の効果を生むことも考えられる」と村中氏。「例えば、肺がんになりにくいと判定を受けたので禁煙をやめる人や、背景に別の病気があるのに太りにくいと診断された結果、治療が遅れる人、暴飲暴食で症状を悪化させる人が出てこないともかぎらない」と話す。
実際、全国の消費生活センターには「がんの早期診断で異常なしといわれたが、別の医院で肺がんと診断された」「同じ検体を2件の代理店を通じて申し込んだら異なる結果が出た」など困惑の声も寄せられている。
昨年、自民党議員有志で勉強会を立ち上げ、遺伝子検査市場の課題を提言書にまとめた衆院議員の木原誠二氏は、「マーケットが拡大する中、検査の質の担保は緊急の課題。検査施設の責任者や実施者が備えるべき要件、能力も要件を明確化すべきで、解析された情報がどう管理されているか消費者が把握できるトレーサビリティーの確保も重要だ」と話す。
遺伝子検査ビジネスは現状として、業界団体が定めた指針などを参考に行われているが、法規制はない。厚労省の専門家検討会は今後、遺伝子検査の精度確保やカウンセリング体制の整備、遺伝情報を理由にした雇用などでの差別防止などを議論する方針で、日本の方向性が注目されている。
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