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期待の新薬が続々と(※イメージ)
原因不明の多発性骨髄腫 「新三薬」登場で余命向上へ〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160119-00000003-sasahi-hlth
週刊朝日 2016年1月22日号より抜粋
1973年に放送された、田宮二郎主演のテレビドラマ「白い影」を覚えているだろうか。2001年には中居正広主演で放送された。田宮演じる医師・直江庸介が侵された病気こそ、多発性骨髄腫だ。
多発性骨髄腫は、白血球の仲間の形質細胞ががん化する病気だ。血液がんの中では3番目に多い。60代以上で発症することが多く、患者数は10万人に5人だが年々微増傾向にある。
骨髄には、血液を造り免疫をつかさどる機能がある。がん化した形質細胞(骨髄腫細胞)があふれる骨髄では、正常な血液が造れない。また、骨髄腫細胞が作り出す異常なたんぱく「Mタンパク」は、高カルシウム血症、腎機能障害、貧血、骨の痛みや骨粗しょう症などの症状を引き起こす。病名の頭文字をとって「CRAB(クラブ)症状」と呼ばれている。
原因は放射線の影響や殺虫剤、ダイオキシンなどの化学物質の影響が関連するとの説もあるが、明らかなことはわかっていない。
日本赤十字社医療センター血液内科部長の鈴木憲史医師はこう語る。
「高齢の患者さんは、骨折をきっかけに見つかることもあります。背中や腰の痛みに加えて腎機能の低下や貧血があると骨髄腫を疑いますが、50代以下の若い患者さんの場合には特に痛みがなく、血液検査で見つかることが多いです」
多発性骨髄腫の治療はこれまで、抗がん剤とステロイド薬を併用する「MP療法」と、造血幹細胞移植が中心だった。だが、近年は大きく変わってきた。都立駒込病院血液内科部長の大橋一輝医師は言う。
「MP療法の時代は、患者さんの余命は3年程度であり、治療は延命を目指したものでした。それが00年以降、新薬の登場によって生存率を示すデータが劇的に上昇しました」
06年に、骨髄腫細胞をピンポイントで狙いその増殖を抑える「分子標的薬」のボルテゾミブが登場。その後、かつて妊婦への薬害を起こしたサリドマイドが、多発性骨髄腫に効果があるものとして09年に再発売された。加えて、サリドマイドの進化版といえるレナリドミドが10年に発売され、この三つは「新三薬」と呼ばれた。以来、患者の余命は7〜10年と大きく延びてきている。
さらに15年には、ポマリドミド、パノビノスタットなど、それまでとは違うメカニズムでがんを抑える新薬が発売された。病気の初期の治療に使えるよう認められていたのは、「新三薬」以降はボルテゾミブだけだったが、15年末にはレナリドミドも加わった。
「レナリドミドを初期治療に使えるようになったので、今後は『VRD療法』を初期から実施できるようになります」(鈴木医師)
VRD療法とは、レナリドミドを含めた3種の薬を併用して治療するもの。米国では初期の治療に効果を上げていたが、日本では再発や治療の難しい患者にのみおこなわれていた。
「米国では最新の薬を3剤併用して集中的に治療することで、2〜3割の患者さんの完治が期待できるようになりました。日本でも今後は延命ではなく、完治が治療の目標になっていくと考えられます」(同)
16年は、ボルテゾミブの効果を強めた分子標的薬、カルフィルゾミブの発売も予定されている。さらに17年にはボルテゾミブの飲み薬版となるイキサゾミブも登場する予定だ。その後も、現在臨床試験中の新しい分子標的薬や、抗体医薬と呼ばれる薬など続々と発売されるとみられる。
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