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実は「産婦人科が嫌い、行きたくない」と思っている女性は結構いらっしゃるんです
性交渉の経験がないことをバカにする医師も!? 女性が産婦人科に行きたくない理由、1つは「内診がいや」もうひとつは…
http://news.livedoor.com/article/detail/11014436/
2015年12月30日 21時45分 All About
「子宮がん検診のハードルを下げる方法」(http://allabout.co.jp/newsdig/c/70663)という記事にたくさんのコメントを頂き、ありがとうございました。
ツイッターの方でもかなりこの話題でもりあがりまして、いろんな意見を聞かせていただきました。内診が嫌という以前に、「産婦人科が嫌い、行きたくない」という人も結構いらっしゃるようです。
理由は大きく分けて2つ。1つ目は、産婦人科に行ってすごく嫌な思いをしたため、「産婦人科医なんて嫌いだ!」となってしまっているもの。
・性交渉の経験がないことをバカにされた
・とにかく早く子どもを産むように言われた
・もう子宮は要らないでしょと言われた
・子どもを産んでないと一人前じゃないかように言われた
など。暴言を吐いて患者さんを傷つける同業者がいることについては、生身の証拠も複数知っていますし、申し訳ないの一言に尽きます。生殖に関する臓器の診察に関わることと生殖に関する価値観を押し付けることを混同している人がいるのは事実です。
子宮筋腫などの病気で手術をする時に、今後子どもを産まないだろう人であっても子宮がなくなるのは嫌だという「喪失感」についても、私が医者になったころは今よりずいぶん軽視されていました。
性機能に関することは言わずもがな……。「穴があったら性行為ができるのに、女性に性機能なんてあるの?」「旦那さんのために痛くても我慢してね」と言った男性医師、強姦後診察の時に必ず被害者に「説教する」という女性医師……。
ご存知のように産婦人科医は全国的に大変不足しています。不足しているということはクオリティーがまずくても、仕事を続けられてしまうと言うことです。
しかし、一方で、医療は人と人なので相性もあります。意図しないように言葉が捉えられることもあるので、必ずしも悪意やモラルの低下ではなく、齟齬ということもあります(東京に来て間もない頃は、関西だとスムーズに行くコミュニケーションがうまくいかず、結構苦しんだ経験があります)。
いずれにしても「産婦人科医は嫌い!」と何千人もいる産婦人科医全員を否定せず、合うドクターを捜してほしいです。
2つ目は、妊婦さんのいる空間に行きたくないというもの。この意見は結構多かったです。
このようなコメントもいただきました。
・行きにくいが一番にあります
・産科と婦人科一緒だと、妊婦さんと一緒というのもちょっと嫌かも……
・皆が妊娠出来るとは限らないし、羨ましい反面自己嫌悪になりそう
妊婦=幸せの象徴、そういうものを見せられたくない、と考えられてる方も多いようです。妊娠=幸せという価値観が広まっているせいでしょう。
これはある程度医療サイドも配慮すべき点もあって、例えば不妊治療のクリニックでは子連れ禁止のところがあったり、流産や中絶の患者さんと妊婦さんを相部屋に入院させないようにしているところは結構あると思います。
ただ、これも「完全な配慮」を医療サイドに求められても難しいです。
例えば、妊娠して産婦人科に通っていたけれど、診察室で赤ちゃんの心拍が止まっていると言われたとしましょう。すると、その後から、今までいた待合室は苦痛の場所に変わってしまいます。しかし、病院側が配慮してたまたま空いている個室に案内したとしましょう。すると今度は「赤ちゃんの心拍が止まっていると宣告され、その後個室に隔離された」とネガティブに捉えることもあるでしょう。
つまり、周りの環境ではなく、苦しみの原因の根本は自分の心の中にあると。
産婦人科医の江夏亜希子先生がツイッターで、
「『妊娠できない私ってこんなにかわいそう』って悲劇のヒロインから抜け出せたのは自分のなかに『子供がいない人はかわいそう』という差別意識があることにふと気づき、愕然とした瞬間でした」
とつぶやかれていて、なるほどと思いました。
もちろん、どうしても妊婦と一緒の空間にいたくないという方は、クリニックのホームページを見るなどして、妊婦健診を行っていない施設を探していかれると良いと思います。
前述のように医療サイドも出来るだけの配慮はしますが、自分が見たくないものを視界からすべて配慮することを求められても、コストと人手の面から難しいこともあります。
全国的に産婦人科医が不足していることは確実なので、患者さんのいろんな要望に答えられない理由は10個くらい簡単に挙げられます。でも、出来ない言い訳だけでなく、その中でもできることはやっていきたいと考えている産婦人科医も多いです。
「産婦人科に行くのは嫌だ」と拒絶してしまっては、結局自分の身体に不利益は起こります。嫌な原因は何なのかを分析して、「ここなら行ってみようかな」と思う施設を見つけてみてください。
(宋美玄)
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