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「フィットネス・ダンス・パーティー」に参加する人たち(C)AP
NYで話題 老化遅らせる「不老薬」大規模実験は実現するか
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/171316
2015年12月10日 日刊ゲンダイ
年が明けると、アメリカでは戦後生まれのベビーブーマーがついに70代に突入、2050年までに65歳以上の人口は現在の2倍になる予測があります。そんなおり、テレビで放送されて話題になったのが「不老薬の開発ドキュメンタリー」でした。
高齢者が増えると若い世代への負担が増大、経済は減速、医療保険制度も崩壊──というネガティブな予測ばかりが世の中を賑わしていますが、「では年を取っても元気なままならどうだろう?」というのが、今回取り上げられた不老の研究者たちの持つ仮説です。
加齢に伴って起こる心臓疾患や糖尿病などの成人病、がんやアルツハイマー病などを防げれば、高齢者の毎日はずっと健康で幸せなものになる。医療費も減り、経済もより活性化する。言われてみればその通りですが、ではどうやって実現するのか?
研究者の答えは、「年齢とともに起こる老化そのものを遅らせること」。老化を止めることはできなくても、進行が遅くなりさえすれば、病気も減るという論理です。
そんなことができるのか? ドキュメンタリーに登場するアルバート・アインシュタイン医科大学の老化研究所長ニール・バルジライ博士は、「すでにその薬は存在しているかもしれない」と言います。
「メトホルミン(Metformin)」という2型糖尿病でしばしば使われる薬品で、マウスへの投与実験では老化を遅らせる効果が見られたとしています。現在、人間への効果を検証するために、1万5000人以上が参加する大規模な試験も計画されています。実施は未定ですが、ぜひ実現にこぎつけてもらいたいものです。
▽シェリーめぐみ ジャーナリスト、テレビ・ラジオディレクター。横浜育ち。早稲田大学政経学部卒業後、1991年からニューヨーク在住。
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