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『医師・医学部のウラとオモテ 「悩めるドクター」が急増する理由』著者の中村正志氏
年収1500万円でも「悩ましい」医師が急増!当直拒絶し「自分探し」に迷い込む
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151201-00010007-bjournal-soci
Business Journal 12月1日(火)22時32分配信
今、医学部を志す若者が増えているという。
医学部医学科の志願者数は、2004年度の9.6万人から14年度には14.3万人に増加しており、順天堂大学の偏差値は1990年の55から68に上昇するなど、難易度も上がっている。なぜ今、医学部が人気なのだろうか?
11月に『医師・医学部のウラとオモテ 「悩めるドクター」が急増する理由』(朝日新聞出版)を上梓した医師専任キャリアコンサルタントの中村正志氏に、
・医学部人気の背景
・医師の待遇と現実
・最近の医師が抱える悩み
などについて、話を聞いた。
●ワーク・ライフ・バランスを重視する若手医師
--なぜ今、医学部ひいては医師の人気が上昇しているのでしょうか?
中村正志氏(以下、中村) 背景には、閉塞感や「何が正解なのかわからない」という時代の状況があると思います。医師は、まだまだ高給を得られる職業です。若者の安定志向の高まりが、医学部志願者の増加にもつながっていると思います。また、医師が主人公の漫画やテレビドラマも多くつくられるようになり、医師に対する憧れが高まっているという事情もあります。
--そのような理由で医師を志すことを、どうお考えですか?
中村 きっかけは、なんでもいいと思います。大事なのは、たとえ後付けであっても、医師になった理由を自分の中でつくれるかどうかでしょう。最近の大学はキャリア教育に力を入れていますが、医学部の場合は卒業後に医師になるのが前提ということもあり、キャリア教育の半分ぐらいを女性医師の支援プログラムに充てています。
その分、男性も含めた根本的かつ横断的な職業観を醸成する取り組みが不足しています。昔は医学部低学年では比較的ゆっくりすることもできましたが、今の医学部は全国の医学部生が受験する全国共用試験があり、合格しないと実習に進むことができません。部活も医学部生限定のものが多く、他学部生と触れ合う機会があまりないようです。
その結果か、年々、「医師免許を取得したが、どの診療科に進めばいいかわからない」「自分が医師に向いているという自信が持てない」といった悩みが、私のもとに多く寄せられるようになりました。思わず「この段階で、“自分探し”に迷い込んでしまっているの?」と問い返したくなるような悩みばかりです。
--若手の医師の特徴は、どのようなものでしょうか?
中村 悪い意味で、ワーク・ライフ・バランスを重視する傾向にあります。特に大学病院などに勤務する医師は、肉体的にも精神的にも大変ハードで、職場によっては食事や睡眠もろくに取れない日が続きます。少人数でなんでも担当する当直勤務は、一人前の医師になるために重要な経験ではあるのですが、若手の医師からは「当直がない転職先を紹介してほしい」という相談も少なくありません。
医学部に6年間、専門を深めるための研修にさらに5年程度かかることを考えると、女性の場合は出産や育児などのタイミングと重なることもあり、悩みは深いです。
勤務医の年収相場は1500万円
--なぜ、そういった悩める医師が増えているのでしょうか?
中村 2004年から医師臨床研修制度が導入され、医師になって最初の2年間は主要な診療科をローテーションすることになりました。それ以前は、医師免許取得後はすぐに専門の診療科に進んでいたのですが、いろいろな科を見ることで、悩みが増えたようです。
また、医学部には「医局」という独特の組織があり、ほとんどの医師が「入局」していました。医局は、大学内だけでなく一般病院の人事権まで握っていましたが、近年は入局しない医師も増えています。選択肢が増えた分、主体的に考える必要が出てきたため、我々のような第三者的視点が求められるようになりました。
--医師の給料は高いというイメージがあります。
中村 病院に勤める勤務医は年収1500万円、自分でクリニックなどを経営する開業医は同2500万円が目安といわれています。特徴的なのは、アルバイトをする医師が多いことです。時給1万円が相場とされ、1日働けば8〜10万円になります。
一方、医師の中には「この給与じゃ、割に合わない」と感じる方も多いです。大学病院は給与水準が低く、脂の乗った30代後半で年収900万円というケースもあり、民間病院への転職をお手伝いしたら1600万円に跳ね上がったことがありました。一昔前は年収3000〜4000万円という高額の求人もありましたが、現在は上限が2000〜2500万円に落ち着いています。その一方、全体的な水準は上昇しているようです。
--今回、このような本を書かれたのはなぜでしょうか?
中村 まずは医学部を目指す中高生、そしてその保護者に読んでほしいという思いからです。ミスマッチとはいいませんが、医師になってからいろいろな悩みに直面する人も多いのが現状です。事前に、「医師という職業はどのようなものか」を知っておくことで、より良い医師になれると思います。
また、医師や医学部と関係のない人にも読んでほしいと思っています。医師といえば、色眼鏡で見られることも多いですが、例えば「自分がお世話になっている先生は、こんな経験をしたり、こんな悩みを抱えているのか」と知る機会になればうれしいです。
--中村さんは、日々多くの医師と接していますが、良い医師の特徴などはあるのでしょうか?
中村 一般的にいわれることですが、電子カルテばかり見ている医師は、よくないと思います。逆に、いい意味でよく「触ってくれる」、つまり触診をしてくれる医師は、患者と向き合い、丁寧な診察をしてくれるでしょう。
また、これは個人的な感触ですが、人口に対して医師数が多い県は、ほかの医師との競争もあり、医師として洗練された方が多いような気がします。特に京都は関西気質でざっくばらんにコミュニケーションが取れる上、医師数が多いので、京都に住む方は恵まれていると思います。
構成=編集部
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