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薬を飲まずに家に余る残薬問題、5百億円規模で国の医療費圧迫 診察料アップの恐れ(Business Journal)
http://www.asyura2.com/14/iryo4/msg/701.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 11 月 10 日 23:25:45: igsppGRN/E9PQ
 

薬を飲まずに家に余る残薬問題、5百億円規模で国の医療費圧迫 診察料アップの恐れ
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151110-00010009-bjournal-soci
Business Journal 11月10日(火)22時32分配信


●医療費と残薬の問題について

 2000年頃より、残薬について個人的に課題意識を持ち続けてきた。在宅医療に携わるなかでは、関係者にその必要性を説いてきたが、昨今、残薬の重要性がより顕在化している。

 とくにここ数年、国家予算における医療費の負担が重いということで、医療費削減が叫ばれ、国の施策も進んでいる。薬剤師の分野においても、服薬指導の中に残薬管理の要件が具体的に盛り込まれている。年間500億円といわれる残薬の問題は、今後ますます強く管理を求められていくことが確実である。

 そういったなかでは、従来の薬剤師の「調剤業務だけを行っていればよい」という価値観がいずれ通用しなくなることは明白である。

 これらのことから、いよいよ個人ではなく組織としての活動を開始しなければならないと判断し、一般社団法人を設立した。この一般社団法人は、地域医療の人的ネットワークを拡大し参加者のスキルを向上することで、地域医療に貢献することを目的としている。そこで残薬に関する取り組みも継続的に行っているものである。

●残薬チェックの意義を考える

 残薬への取り組みについて意義を整理すると、複数の意義や必要性が挙げられる。

(1)治療を円滑に進めるための、適切な服用管理と指導

 家庭での服薬状況を把握し、適切な服用を指導することで治療が円滑に進む。きちんと服薬指導をすることは、薬剤師の義務である。

(2)患者と関係者のコミュニケーションをつなぐ

 医師、看護師、ヘルパーなど、必要に応じて情報共有をする。たとえば病院薬剤師であれば、患者とのコミュニケーションに30分の時間をかけ、そこで得た情報を関係者にフィードバックする。また在宅医療であれば、家庭を訪問しなければ得られない現地の情報を得ることができ、訪問をしない関係者にとって非常に貴重な情報となる。そういった情報を関係者と迅速に共有することで、たとえば医師が迅速に診療に反映することが可能となる。そういった貢献を、薬剤師ができるようになることが望ましい。

(3)医療費拡大を防ぐ

 適切な診療と服薬が行われなければ、治癒が遅れ、医療費が拡大する。その際には、国の医療費支出が増加し、同時に患者自身が支払う医療費も増加する。

 しかしながら、多くの患者に「調剤薬局で薬を貰っても、帰宅してからきちんと服薬しないため、残薬がどんどん積みあがっていく」という傾向が見られる。

 その背景はさまざまであるが、多くの患者に「薬を貰うことでお金の支払いが発生しているという認識」がまったくない、というのが実情である。治癒の遅れと服用されない薬に対するコストは、結局医療費に跳ね返っていく。医療費が増大すれば、国は引締めに動くこととなり、診療行為に対する支払要件が厳しくなることで、医療機関も患者も負担が増加することとなる。患者・医療者ともに、これらの意識・感覚を修正するための啓蒙活動が必要である。

 なお、参考に社団法人の勉強会で一般の方から発言があった旨を以下に併記する。その内容を見ると、我々薬剤師の役割を見直す必要が実感される。

【調剤薬局で受け取った薬が、自宅に残る理由について】
・薬の説明(薬剤情報)はすぐに捨ててしまい、なんの薬かわからなくなる
・症状が改善し服薬を停止したが、その後自分で服用してよいか判断できない
・OTC薬(処方箋なしでも一般購入が可能な薬)であれば説明が詳細で、かつ自分で選択して買うものなので飲みきるが、調剤薬局で受け取った薬品については症状が治まれば不要と判断する

 これは高齢者ではなく、20〜40代の一般の方の話である。調剤薬局で受け取った薬は、OTC薬よりも高価である場合が多いが、このように無駄な残薬となる現状があることは、薬剤師が考えるべき課題ではないだろうか。

(4)診療報酬の審査や要求を厳格化させすぎないため

 (3)で一部触れている内容であるが、医療費が増大すれば、国の対策として診療報酬の規定ならびに審査が厳格化されることとなる。これはつまり、「医療機関が現在行っている診療行為」「患者が現在受けている診療行為」の両方が、「現在の金額負担のまま継続できなくなる」ということにほかならない。

 現在、病院・診療所と調剤薬局のレセプトの突合審査が行われており、ここで病院が出した処方が適切でないと判断されれば、病院に対して当該患者への調剤費用の負担が課される。ちなみに、減額は薬の費用に限らない。内容によっては管理料や技術料も対象となる。調剤薬局は、病院の処方箋に従って処方を行うのみで病名等を把握できないということで、この減額はほとんどない。ただし、疑義照会の責任はもちろんある。

 このような背景から、最近では病院のほうから「病院に審査が入るので、できれば薬局のほうから疑義照会をかけてください」という依頼を行うことが少しずつ始まっている。以前は「医師が書いた処方だから、薬局は医師の言うとおりにしていればいい」という医師が多かったが、審査が厳格化してきたことで、病院の意識も変化してきているのである。

 いずれにせよ、審査が厳格化することは今後も止めることのできない流れである。我々医療者は、行きすぎの審査が導入されないよう、それぞれの責任を果たしながら連携を進めていくべきである。

 これらの要素を鑑みるに、残薬チェックを行うことは、我々医療者の未来にも直結する取り組みだということがわかる。

(5)残薬を明確な課題として取り組むべき

 ひとつの場面をイメージしていただきたい。ある家族がいるとする。祖母、父、母、あなたの4人家族である。祖母は体調を崩しやすく、いつも「具合が悪い」「しんどい」と言っている。毎週月曜日に病院で受診しているが、病院通いが終わる様子はない。病院では毎回一緒になり、しばしば会話をする患者もいるらしい。

 この日も病院に行き、調剤薬局で薬を貰って帰宅した。帰宅して食事をした後、「具合が悪い、しんどい」と言いながら、薬を飲んでいない。あなたが「薬を飲まないの?」と聞くと、祖母は「粒が大きくて喉に当たって痛いのよ」と言う。「でも、毎日飲まなきゃだめじゃないの?」と聞くと、「どうしてもしんどいときは我慢して飲むのよ。でも、やっぱり痛いから、どうしても辛くて我慢できない日しか飲まないの」と祖母。

 キッチン脇の棚に、いつでも飲めるようにと薬局の紙袋がまとめて置いてあるが、中身があるうちに次の受診日がきて、また薬を貰ってくるので、何枚も袋が置いてある。来週の受診日には、また袋が一枚増えるのだろう、とあなたは思う。

 残薬は、薬剤師が取り組むべき課題として、また患者の家族から見ても、「飲まないことで患者の自宅に残っているもの、明らかに存在するもの」である。そして、その服用がなされないことで、患者自身にも、周囲(たとえば家族の介護の負担)にも、医療費にも影響が出る。だからこそ薬剤師が、まず目の前で取り組むべき課題として、残薬チェックを進めている。

 実際、残薬の取り組みを進めてきたことで、直接的な結果に結びついていることが多々ある。これは「意識をもって」在宅医療の現場に臨まなければ、決して見えないものであった。

 次回は、在宅訪問を行ったことでわかったこと、および処方変更の対応などについて記していく。

文=福井繁雄/薬剤師、一般社団法人Life Happy Well代表理事

 

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コメント
 
1. 2015年11月11日 09:34:22 : cYJaGP9SCO

東大病院では残薬を買い取ってくれると聞いたことがある。

さすが東大病院だ。医療過誤もないし研修生バイト医師もいない。

さすが東大病院だ。


2. 2015年11月21日 06:44:22 : FjMqDMpQck
宴会とかで酒を飲むと薬は飲めないんだろ。
それが積もると残薬になる。

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