http://www.asyura2.com/14/iryo4/msg/653.html
Tweet |
サルコペニア治療に「男性ホルモン」補充が有効?〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150928-00000002-sasahi-hlth
週刊朝日 2015年10月2日号より抜粋
筋肉の減少を指す「サルコペニア」。筋肉が減ることで、転倒による骨折などさまざまなリスクにつながり、認知症にも関連があるといわれる。
千葉県に住む玉置一郎さん(仮名・80歳)は、軽度の認知症で抗認知症薬を使用していた。そんな2006年5月のこと。自宅で転倒し、すねの骨を骨折。車いすで生活を送ることになった。
近所のクリニックを受診すると、運動量の激減に加えて抗認知症薬の副作用による食欲減退を危惧した主治医が、従来の薬の使用を中止。その結果、食欲が戻り、認知症の症状も改善の兆しを見せ始めた。
すると玉置さんは、医師にこう相談した。
「私は男性ホルモンが低いのではないか」
あとでわかるのだが、認知症状が軽快するに従い、玉置さんは性機能の改善に期待するようになっていたのだ。調べると男性ホルモンであるテストステロン値は7.5だった。ホルモン補充療法開始の目安である8.5を下回っていたため、テストステロンエナント酸という注射薬の投与を始めたところ、半年後にはテストステロン値は14.0まで改善。男性機能も復活した。それと同時に50キロ前後だった体重は55キロまで増加し、しかも内臓脂肪の量には変化がなかったという。
クリニックで玉置さんの治療に協力していた、東京大学病院副院長で老年病科教授の秋下雅弘医師は、次のように分析する。
「内臓脂肪が増えずに体重だけが増えたということは、筋肉量が増加していることを示唆します。テストステロンの投与前後に筋肉量を測っているわけではないので断定はできないものの、転倒から骨折という経緯を見る限り、テストステロン投与開始前はサルコペニアかそれに近い状態だったことがうかがえます。本人がテストステロンを使いたいと言った目的が性欲回復だったとはいえ、結果としてそれがサルコペニアを改善する『副作用』を見せた、典型的なケースといえます」
現在、ホルモン補充療法は主に男性更年期障害などの治療として用いられる。サルコペニアへの直接的な治療としてホルモン補充療法をおこなう医療機関はないが、うつや認知症、男性更年期などを対象におこなった結果、付随効果として筋肉量が増加したというケースが報告されている。
さらに、ホルモン補充療法がサルコペニア改善に役立ったと思われる症例もある。
08年7月、神奈川県に住む井上光彦さん(仮名・61歳)は、高血圧で秋下医師が治療に協力していたクリニックに通院していた。
ただ、井上さんは高血圧以外にも、うつ症状や性欲の低下、疲れやすさなどの症状を感じており、ネットを通じて「自分は男性ホルモンが欠乏しているのではないか」と疑うようになっていた。
測ってみるとテストステロンの値は3.4だったため、テストステロンの皮下注射による補充療法を開始。半年後にはテストステロンの値が18.8まで上昇し、筋肉量も6キロ以上増えていた。
「現段階では、サルコペニアにテストステロンを補充することがどの程度有効かわかりません。ただ、男性更年期などの治療目的でテストステロンを補充したときに筋肉量が増えて、結果としてサルコペニアを改善したケースは散見されます。将来的に、ホルモン補充療法がサルコペニアの予防や治療の一つの柱になる可能性はあるでしょう」(秋下医師)
今後の研究に期待がかかる。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。