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日本医師会が発行している医師資格証の見本。本人確認が簡単にできるように顔写真がついている。そのほか、名前や生年月日、「医籍登録番号」などが記載されている。大きさは運転免許証とほぼ同じだ=茨城県医師会提供
ニセ医師が2千人を診察できたワケ 評判上々、甘い確認
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150817-00000005-asahi-soci
朝日新聞デジタル 8月17日(月)6時44分配信
実在する医師になりすまして診療したとして、元タクシー運転手の男が、茨城県警に逮捕された。2年半の間ばれずに、全国で少なくとも延べ2千人超の診療を続けたという。どうして誰も気づかなかったのか。
「ばれないよう落ち着いて診療し、症状が重い人は、他の医療機関での受診を勧めた」。勤務先の医療法人から給与をだまし取ったとして医師法違反や詐欺罪で起訴された東京都品川区の大賀達夫被告(51)は県警の調べに、こう話しているという。「なりすまされた側」が1月、身に覚えのない納税書類があるのに気づいて発覚した。
捜査関係者によると、大賀被告は眼鏡やコンタクトレンズのメーカーに勤務した経験があり、2009〜11年には医師や看護師を医療機関に紹介する会社を名古屋市で経営していた。
その会社が行き詰まると、自分の会社に登録した、顔写真がついていない医師の免許証の写しを使って、福岡市内の医師紹介業者に自分を眼科医として登録。12年6月〜15年1月、茨城を含む23府県37カ所の診療所や病院で診療し、2千万円超の報酬を得たとされる。診療した患者数は、判明しているだけで5府県5カ所で延べ約2300人。今のところ健康被害などの報告はないという。
周囲の評判は、悪くなかったようだ。勤務先の眼科のスタッフによると、大賀被告は愛想がよく、子どもの患者には「大丈夫だからね」と優しく声をかけていた。無断欠勤や遅刻はせず、患者からの苦情もなかった。「一緒に仕事をしていて嫌な思いをしたことはない。医師ではないと聞いて驚いた」。ただ、出身地など個人的な話はしたことがなかったという。
大賀被告は「(顔写真がない)医師免許証の写しがあれば、大丈夫だと思った。業者とのやり取りは電話とメールだけだった」と供述しているという。このため、免許証の原本の提出が求められる正規採用の話を持ちかけられると断っていたという。
大賀被告が登録した福岡市内の医師紹介業者によると、医師免許証や履歴書などで身分は確認したが、運転免許証などで本人確認はしなかったという。派遣先の医療法人も「紹介業者が本人確認をしていると思っていた」と話す。
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