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『医療否定本の嘘 ミリオンセラー近藤本に騙されないがん治療の真実』(扶桑社)
10分のセカンドオピニオン!? 「がんと闘うな」近藤誠医師の放置療法で被害者が続出?
http://lite-ra.com/2015/07/post-1329.html
2015.07.27. リテラ
左乳房に8センチの腫瘤を自覚した50代のとある女性。医師の診断はリンパ節転移のあるステージ3A。専門家から「乳がんのステージ3Aの場合、リンパ節転移はあるが、まだ手術は可能で、積極的治療により治癒する可能性も40〜50%ある」という説明を受けるべきだった──。ところが、彼女が初診を受けたのは、ベストセラー本『患者よ、がんと闘うな』の著者・近藤誠医師。近藤医師の説明は、「がんで、余命半年から1年」「手術しても100%死ぬ」として、手術も抗がん剤も勧めず「放置療法」をとることになった。
7カ月後、がんは10センチ大に膨れ上がり、皮膚を破り出血するほどに。近藤医師の診察を受けると「血なんて出ていない」。信じてくれないので血の付いた下着を見せると、「血ではなく汁だ」と言い、痛みを訴えても鎮痛剤さえ処方してくれない。
別の病院で抗がん剤治療を受けてがんも6センチ大まで縮小し、手術も可能になったが、再度受診した近藤医師に手術を反対され、再びがんを放置することに。
「初診から3年半後、彼女は私の外来を受診されました。もはやがんは手術できる状態ではなくなっており、多発転移を起こしていました」「最終的に、彼女はお亡くなりになりました」「初診の段階では、手術ができたのですから、初診時に適切な診療を受けていたらと悔やまれます」。そう述べるのは、勝俣範之・日本医科大学武蔵小杉病院・腫瘍内科教授だ。
7月に発売された勝俣医師による『医療否定本の嘘 ミリオンセラー近藤本に騙されないがん治療の真実』(扶桑社)では、「近藤誠医師は、がん医療の問題点を浮き彫りにしたことは評価できますが、すべてを否定してしまったために、かえって患者さんを惑わせ、現場によりいっそうの混乱をもたらしたことは、大きな問題である」と近藤医師批判を展開するのだ。
近藤医師といえば、がんの放射線治療を専門とする、乳房温存療法のパイオニア。1988年に雑誌「文藝春秋」(文藝春秋)に「乳がんは切らずに治る」と題する論文を発表以来、「がんは放置せよ。抗がん剤は効かない」「手術は命を縮めるだけ」「検査も不要」と主張するとの持論を展開、マスコミの注目を集めてきた。
医療現場の慢性的な人手不足、3時間待ち3分医療の大病院、「聞きたいことが聞けるような雰囲気ではない」など医療への不信が深まるなか、医者中心のがん治療から患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)、インフォームドコンセント(充分な説明と合意)の充実が必要だという近藤医師の医療の転換を呼びかけは、多くの共感を呼び、2012年12月に初版1万部でスタートした著書『医者に殺されない47の心得』(アスコム)は100万部を超えるベストセラーになった。
近藤医師は14年3月末には慶應義塾大学医学部を定年退職し、13年に渋谷に開いた「セカンドオピニオン外来」での診察が現在の活動の中心になっている。これまでも近藤医師への批判はあったが、不要な検査や抗がん剤の利権を守るために大学病院を頂点にした医局と製薬業界が組織的に近藤バッシングを仕掛けている気配もあり、ここにきて出てきた批判は、明らかにこれまでとは質の異なるものだ。
がん治療の最前線の医師である勝俣医師は、こう批判の声をあげている。
「(近藤医師の影響で)抗がん剤を拒み、放置療法を望む方が、10人のうち2、3人位ぐらいに増えている。(略)悠長なことは言っていられなくなりました」(「週刊新潮」14年4月3日号)
「(近藤医師を信じたために)しっかりとした治療をおこなえば治っていたであろう早期がんを『放置』することによって、進行がんとなり、命を落とすという犠牲者まで出ている」(前出「医療否定本の嘘」)
勝俣医師が問題とするのは、近藤医師が提唱する「がんもどき理論」だ。「がんもどき理論」とは、がんには転移する「がん」と転移しない「がんもどき」があるというものである。
「がんには『本物のがん』と『がんもどき』の2種類しかなく、いずれにしても治療は意味がないというものです。そして、治療をしないほうが長生きできる、そんな言葉に惑わされて、『治療を受けない』という選択をしてしまう患者さんがいます」
「がんという病気自体、怖いでしょうし、手術も抗がん剤も好んで受けたいものではありません。そんなときに、『放置が良い』と言われれば、ついついなびいてしまうのではないでしょうか」
「がんもどき理論」を主張しているのは近藤医師だけなので、「がんもどき自説」と言ったほうが適切だという勝俣医師は、「『がんもどき自説』の欠点は、『がんもどき』に相当する『放っておいても進行しないがん』を最初から見分けることはできないということです。(略)現代医学では残念ながらわからないので、一部の患者さんには過剰になってしまうかもしれませんが、早期がんと呼ばれるがんは積極的治療をするのです」と述べる。
そして、積極的治療で受けられる恩恵は、がんを治すことだけではないという。
「最近の抗がん剤の進歩で、がんとより良い共存ができるようになってきました」「もちろん抗がん剤による副作用が強く出て、効果もなく、苦しむばかりになってしまう患者さんもいます。そのような患者さんには、量を減らしたり、場合によっては早く抗がん剤をやめることも必要です」「一方的に抗がん剤を勧める、勧めないというのではなく、患者さんの希望をよく聞きながら、適切な医療を提供していくことが大切である」
このようにインフォームドコンセントを語る勝俣医師だが、そもそもこの手法は80年代に近藤医師から直接学んだのだという。
「私が研修医2年目の頃、茅ヶ崎徳洲会病院で内科研修をしていて、あるとき、ホジキンリンパ腫の患者さんの担当になりました。その当時、ホジキンリンパ腫の治療成績は、放射線治療とがん治療がちょうど同じくらいで、どちらで選ぶべきか治療方針に悩んでいました。そのとき『それぞれのメリットとデメリットをお話しして、患者さんに選んでもらうといいよ』とアドバイスをくれたのが近藤医師でした。その頃、近藤医師は慶應義塾大学の講師でしたが、週に1度、茅ヶ崎徳洲会病院に外勤で来られていたのです。まだ、インフォームドコンセントが普及していない時代に、患者さんに選んでもらうという方法があることを、私は近藤医師から学びました」
ところが、現在の近藤医師は患者の話をろくに聞かず、「放置せよ」という結論ありきのセカンドオピニオンを展開しているだけだという。勝俣医師は自身がステージ3の肺がんと診断した30代女性のケースを紹介する。
「(ステージ3の肺がんで)手術が可能であれば、術後に抗がん剤治療をしっかりおこなうことにより、約3〜4割の人は治ります」という勝俣医師の説明に対し、この女性は、近藤医師のセカンドオピニオンを求めたのだが……。
「ところがその患者さんは『あの先生の言うことは信じられない』と怒って戻ってこられました。話を聞くと、近藤医師からまず言われたのは『僕の本は読みましたか?』だったそうです。そして肺がんのステージ3と聞くやいなや、生存曲線を描き、『あなたのがんは進行がんだから治らない。だから治療をしても無駄でしょう』と。(略)『では、私はどうすればいいいのでしょうか?』『それはあなたが決めることでしょう』と一言」
セカンドオピニオンは1時間かかることもあるが、近藤医師の場合は10分で終わったという。ショックを受けたこの女性は、逆に目が覚め、標準治療を受けることになったという。
放置療法を押し付けるだけの近藤氏のセカンドオピニオン外来は3万2000円/30分だというが、もはや、信じるか信じないかという宗教レベルになっているのかもしれない。
(小石川シンイチ)
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