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「接着」よくわかってない医師も 最新むし歯治療〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150718-00000003-sasahi-hlth
週刊朝日 2015年7月24日号
むし歯治療は、なるべく健康な歯を削らずに美しく修復することを目指して進歩を続けている。治療の現在と今後の展望について、大阪大学歯学部病院口腔補綴科診療科長の矢谷博文(やたに・ひろふみ)歯科医師に聞いた。
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10年ほど前から、歯科では「ミニマルインターベンション(MI)」という考え方が広まり始めました。直訳は「最小侵襲」、できるだけ歯を削らないという意味です。歯は削れば削るほど、一度むし歯治療をした歯が再びむし歯になる二次う蝕を起こしやすくなります。そこで、歯の鎧であるエナメル質を残そうと考えるようになったのです。
それを可能にしたのが、接着技術の進歩です。現在の接着材は単に歯と材料をくっつけるのではなく、両者を一体化させます。歯と材料の境目から細菌が入りにくいので、二次う蝕のリスクが低減するのです。
また、一体化することで歯が補強されます。神経を抜いた歯は弱くなるので以前はクラウン(人工歯冠)をかぶせたのですが、接着材の補強効果で歯が割れなくなり、コンポジットレジン(CR)で修復できる範囲が大きく広がりました。金属は審美性が低く、金属アレルギーを起こすリスクも指摘されているので、材料は脱金属の方向に進んでいます。
もう一つの流れは、歯科医療のデジタル化です。14年4月に、歯科用CAD/CAMで作るハイブリッドレジンクラウンが保険でできるようになりました。対象は小臼歯だけですが、これは画期的なことです。
歯科技工士が模型上で手作りする硬質レジンクラウンは、以前から保険でできました。しかし、強度が不十分だったので、歯科医師が勧めませんでした。
CAD/CAMクラウンは工場で管理して生産されたブロックから削り出すので、品質自体がよく、しかも均質です。保険の適用を大臼歯にも広げるよう、働きかけているところです。
一つ問題があるとすれば、接着についてよく理解していない歯科医師がいることです。単に接着材を使えばいいのではなく、その前に歯とクラウンの両方に下処理が必要です。ここで手を抜くと割れたり外れたりします。
接着をよくわかっている歯科医師は、日本歯科保存学会と日本補綴歯科学会の専門医、日本接着歯学会の認定医が目安になります。リストは各学会のホームページで見られます。
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