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デジタル化進む「むし歯」治療 CGで歯の形の設計も〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150718-00000002-sasahi-hlth
週刊朝日 2015年7月24日号より抜粋
東京都に住む主婦、斉藤宏美さん(仮名・48歳)は、歯が痛くなって昭和大学歯科病院を受診した。右上の第一小臼歯(前から4番目の歯)が進行したむし歯になっていた。歯の根の治療が終わると、クラウン(人工歯冠)を作るため補綴歯科に紹介された。
斉藤さんを診た副病院長の馬場一美(ばば・かずよし)歯科医師は、保険でできるクラウンについて説明した。
一つは、一般的な金銀パラジウム合金のクラウンだ。長い間、奥歯のクラウンに使える強度と耐久性のある材料で健康保険が適用されるのはこれだけだったので、奥歯を治すと銀歯になった。
もう一つは、歯に近い色をしたハイブリッドレジンブロックを用い、コンピューターを使って製作するCAD/CAMクラウンだ。2014年4月、これが小臼歯に限って保険診療でできるようになった。
「ハイブリッドレジンは、コンポジットレジン(CR)にフィラーという無機物の含有量を増やして工場で完全に固めることにより強度を高めたもので、歯の色に近く、クラウンが目立ちません。小臼歯は口を開ければ見えるので、ここに白い材料が使えるようになったことは福音です。斉藤さんもこれを選びました」
と馬場歯科医師は話す。
その製作に用いるのが、歯科用CAD/CAMだ。
CADは、模型をスキャンして読み取ったデータを元に、CG(コンピューターグラフィックス)で歯の形をデザインするシステム。3D画像上で、歯の傾きや上下のあごの関係などをシミュレーションしながら、理想的な歯の形を設計する。
CAMは、そのデザインどおりのものをブロックから自動的に削り出すシステムだ。ハイブリッドレジンのクラウンを一つ削り出すのにかかる時間は15分程度という。
CAD/CAMによって何が変わるのか。まずクラウン治療の流れをみよう。
クラウン治療とは、土台(コア)を作ってそこに人工物をかぶせるもので、通常、3回の受診が必要だ。
1回目は、コアを埋め込むために歯を削って形を整え、型をとるまで。型から石膏模型を作り、歯科技工士が模型上でコアを作る。
2回目は、できたコアを歯に固定し、歯とコアを削ってクラウンをかぶせられる形に整える。その後にまた型をとり、コアと同じ手順でクラウンが作られる。
3回目にクラウンをかぶせて調整し、固定する。
歯科用CAD/CAMの導入で変わったのは、技工所の仕事だ。模型上で手作りしていたコアやクラウンが、コンピューター操作でできるようになった。デザインの精度は高く、製作時間は短くなり、歯科技工士の腕に左右される領域が減った。結果、完成品の質のばらつきが少なくなり、全体として品質が向上した。
「患者さんにわかりやすい利点は白い歯にできることで、治療回数は変わりません。しかし、最近増えている金属アレルギーの心配はありませんし、工場で生産される高品質のブロックを削り出すため、クラウン自体が高精度、高品質になっています」(馬場歯科医師)
残念ながら現時点で大臼歯は自費診療になる。材料はおもにジルコニアで、1本10万〜15万円ほどかかる。ブリッジも可能で、歯が1本ない場合で20万〜45万円程度だ。
自費診療では、口の中を直接光でスキャンする光学印象採得もおこなわれている。型や模型を作らないので、エラーの生じる機会が減り、より高精度なクラウンが作れる。患者には型をとるときの苦痛がない。
「歯科医療はデジタル化が進み、精度の高い治療ができるようになっています。小臼歯のハイブリッドレジンクラウンが保険適用になったことを端緒に、ますますデジタル化が進むことは間違いありません」(同)
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