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バイオチップを使ったがん診断の技術を開発した長谷川克之さん。画像はがん患者の血液から検出されるヌクレオソーム=神戸市中央区のマイテック
“血1滴3分”でがん発見 1年後めどに実用化へ取り組み 神戸のベンチャー企業
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150714/dms1507141140004-n1.htm
2015.07.14 夕刊フジ
マイテックのがん診断の仕組み
超早期のがんをわずかな血液で3分で発見できる。こんな夢のようながん診断方法を神戸市中央区のバイオベンチャー「マイテック」と昭和大江東豊洲病院(東京都)が共同開発した。実用化するため精度の向上に取り組んでおり、同社は「1年後をめどに臨床現場で使えるようにしたい」と意欲を燃やしている。
電子顕微鏡でチップの表面を拡大した画像に、点々と浮かび上がる蛍光色の斑点。人体の免疫機構が、がん細胞を攻撃すると、血液中に流れ出るタンパク質の一種「ヌクレオソーム」だ。
チップは同社が独自開発しており、これまで農薬や大気中の有害物質の検査業務に使っていた。同社の長谷川克之さん(55)によると、容量200リットルのドラム缶5万本分の液体に、コップ1杯分混ぜた物質でも検出することができるといい、血液によるがん診断の研究を進めていた昭和大江東豊洲病院がチップの能力に着目。2012年11月から同社と共同研究を始めていた。
研究では、がん患者の血液から分離した血清にヌクレオソームが含まれていることを突き止め、がん患者と良性腫瘍の患者計20人の血清を1滴ずつチップに乗せると、がん患者の血清のみからヌクレオソームを取り出し、発光させることができたという。
現在のがん診断で使用されている「腫瘍マーカー」は、ある程度進行したがんでなければ見つけることができず、検査薬でがん細胞に目印を付ける「PET検査」も発見できる部位が限られている。
今回の研究は胃と膵臓(すいぞう)、大腸の3種のがんが対象だが、理論上はどの部位のがんにも応用が可能。診断は所要時間が約3分と短く、費用も数万円に抑えられるという。
長谷川さんは「このチップが実用化されればごく小さな腫瘍しかないがんでも診断できるため、超早期のがん治療が可能になり、抗がん剤などの治療効果の分析にも役立てられる」と自信を見せる。
共同研究を進める昭和大江東豊洲病院消化器センターの伊藤寛晃講師も「このチップは物性や原理がすべて解析できていないため、本当にがん診断に役立つかは今後多くの血液を解析して確認する必要があるが、とても興味深い技術」と期待を寄せている。
夢のようながん診断方法を開発している同社は、長谷川さんと長男の裕起さん(28)が技術開発を担当し、妻の幸子さん(50)が社長を務める家族経営の零細企業。資金は潤沢ではないが、長谷川さんは両親をがんで亡くしており、社運を賭けて共同研究への参加を決めた。裕起さんは生活のため、塾講師のアルバイトもしながら研究に没頭している。
長谷川さんは「この診断法が将来的に健康診断などに採用されれば、医療過疎地でのがん検診の普及や、早期治療による医療費の削減にも貢献できる。一人でも多くの人が笑顔になってくれるのが一番の願いです」と話している。
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