http://www.asyura2.com/14/iryo4/msg/574.html
Tweet |
バリウム検査で妻失った男性「何をいってもあいつは戻らない」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150626-00000021-pseven-life
週刊ポスト2015年7月3日号
「早期発見、早期治療で、いまや胃がんは治る」──そんな啓蒙のもと、毎年1000万人以上が健康診断や人間ドックで「バリウム検査」を受けている。
だが、国立がん研究センターが推奨するこの検査には見逃しが多い上に、死亡事故まで起きていることをご存じだろうか。巨大な利権ビジネスとなった胃がん検診の実態を取材してきたジャーナリスト・岩澤倫彦氏が、バリウム検査に潜む問題を明らかにする。ここでは、群馬県で発生した日系ブラジル人女性の死亡事故について、その状況を解説する。
* * *
東京大学腫瘍外科・元講師で、消化器内視鏡のスペシャリストである田淵正文医師はこんな指摘をする。
「バリウムX線検査は、はっきりいって30年前の理論です。凹凸の変化が出る(*注)のは、ある程度がんが進行している状態ですから、早期がんは見つからない。それで数多くの人が命を亡くしているわけです。内視鏡で検査すれば確実に早期で発見できるのに、見殺しにしているようなものです」
【*注:粘膜内の凹凸をバリウム検査では調べるが、早期がんではこの凹凸が出ない。内視鏡で表面の色を見て発見することが最新のやり方だ】
バリウム検査そのものにも危険がある。
PMDA(厚労省所管の独立行政法人・医薬品医療機器総合機構)に報告されたバリウムの副作用のなかには、バリウムが体内で固まり、臓器に穴を開ける重大な事故(穿孔/せんこう)が多数含まれていることがわかった。
「大腸穿孔(憩室/けいしつ含)=33人」「直腸穿孔=4人」「消化管穿孔=6人」といった具合に、昨年度分の報告だけで実に50人(40代以上を対象)。
腸管が破れると命に直結する。緊急手術によって腸を一部切除したり、人工肛門が設置されたりするケースが多い。その他、6人が腸閉塞になり、80代男性1人が死亡した。
これらは氷山の一角でしかない。PMDAに報告されるのは、患者や家族が被害救済を求めていることが前提のため、制度を知らない人のケースは含まれていないからだ。
バリウムによるアナフィラキシーショック(アレルギー症状の一種)も去年だけで3人、3年前には滋賀県の胃がん検診で50代女性が死亡している。
5月には、群馬県で企業の胃がん検診中に撮影台と検診車内の壁に挟まれて50代の日系ブラジル人女性が死亡した。
この事故を受けて日本消化器がん検診学会は、次のような注意喚起を出した。
〈外国人や高齢の受診者には通訳や家族などの同伴が望ましく、近接撮影を行うことも含めて安全性への配慮が特に重要である〉
学会の注意喚起は、死亡女性のコミュニケーション能力に問題があるように匂わせているが、本当にそれが原因なのか。
女性に先立たれ、一人で暮らす夫を群馬に訪ねた。来日して20年、女性は一般の日本人と変わらない会話をしていたと説明する夫によると、女性は頭が下を向くように撮影台が傾斜した際、きつい姿勢に耐えられず滑り落ちたという。直接の原因は、本来設置されているはずの肩当て(滑り止め)が外されていたことにあると見ている。夫は、玄関先で寂しそうに語った。
「あいつは糖尿病の持病があったんですよ。何も食べないで検査しているから、低血糖になって力が入らなくなり、滑り落ちたんじゃないかと。ただ、何をいってもあいつが戻ってくるわけじゃないですから」
中高年で糖尿病を患う人は少なくない。バリウム検査で同じような事故が再び起きる可能性を考えれば、詳細な検証が必要なはずだ。しかし、事故を起こした検診団体は、自ら設置した調査委員会の報告も待たずに、業務を再開している。この件に関して、警察は業務上過失致死の容疑で捜査中だ。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。