http://www.asyura2.com/14/iryo4/msg/550.html
Tweet |
生体肝移植で4人が1カ月以内に死亡 弟子と地元から総スカンの“神の手”〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150604-00000006-sasahi-soci
週刊朝日 2015年6月12日号より抜粋
生体肝移植の世界的権威である田中紘一院長(73)が鳴り物入りで開院した高度専門医療機関、神戸国際フロンティアメディカルセンター(KIFMEC)で、移植手術を受けた患者が相次いで亡くなる問題が発覚した。その裏には医学界の魑魅魍魎(ちみもうりょう)の人間関係があった。
「僕らはみんなあの人の弟子だけれど、今僕らの腕はあの人に劣らない。あの人はもう関係ないんだ。日本の生体肝移植は、今あの人を除いて動いている。あの人がいるから日本の移植医療がだめになる」
田中院長のもとで学び、生体肝移植を多く手がけてきたある移植医は、吐き捨てるようにこう言った。
あの人とは、生体肝移植を専門とするKIFMECの田中院長のことだ。生体肝移植数国内一を誇る京都大学病院で、生体肝移植の黎明期を切り開いてきた。これまでに国内外で約2千例の生体肝移植を手がけ、他の医師は断るような条件が悪い患者にも移植手術を行う、その手術の腕は“神の手”とも称される。
ところが、昨年11月設立のKIFMECで、翌月から今年3月までに生体肝移植手術を受けた患者7人中4人が手術後1カ月以内に亡くなった。国内の生体肝移植手術1年後の生存率85%と比べて著しく低い。
肝移植の専門医からなる日本肝移植研究会は、「亡くなった4人中3人は救えた可能性がある」「詳細な検査をするべきだった」などとして、医師の確保や、設備や体制の整備など、組織の抜本的な改善や、移植の適応を評価する委員会の改善を求める報告をまとめ、4月下旬にKIFMECへ送った。研究会には、田中院長の教え子たちが集まるが、冒頭の移植医をはじめ、医師らが田中院長へ向ける眼差しは厳しい。世界的権威で多くの教え子を持つ田中院長のもとで、医師の不足が指摘されるなど“異常事態”になったのはなぜなのだろうか?
ひとつは、京大病院時代から田中氏の右腕として多くの移植手術に携わり、KIFMEC開院時から副院長を務めた女医・Y医師(38)の存在だ。
「Y医師は京大時代から田中先生に学び、国内外でともに手術を手掛けてきました。移植は手術を多く経験することで腕が磨かれる世界です。田中先生はY医師を優先して手術の担当をさせたり、Y医師を批判したほかの医師に不利な人事をしたりしたとも言われ、田中先生に不満を持っていた人は多いようです。それで田中先生のもとに医師が集まらなかったのではないでしょうか」(大学関係者)
京大病院時代に田中院長が指導に出向いていた他の大学病院でも、「Y先生という女性の医師がいつも田中先生について京都から来ていたと聞いたことがある」(別の大学関係者)。
本誌は田中院長らへ取材を申し込んだが、取材拒否との回答だった。また、Y医師は、「4月末で退職」(KIFMEC広報)している。専門の医師が不足しているという研究会の指摘に対して田中院長は「周囲の病院と連携している」と会見などで反論していたが、それでも高い壁がありそうだ。
そのわけは、今回問題となった7人の患者のうち4人がインドネシア人だったことにヒントがある。KIFMECは「国際貢献」として海外からの患者を受け入れているが、営利目的の「移植ツーリズム」につながるとして、地元医師会などから大きな反発があった。
「KIFMECが2010年に設立計画を発表したとき、移植患者向けに100床を用意するとしていました。現在国内の生体肝移植は年間約400例です。ひとつの病院で100床というのは多すぎ、海外からの患者を想定しています。そこで市の審議会で話し合い、現在の20床ということになりました」(神戸市医師会長)
この問題で見逃せないのが、KIFMECのスポンサーの存在だ。病院建設にあたり必要な費用の4割を出資した三井物産は「当初、(同社の関連の)シンガポールの生体肝移植専門クリニックからKIFMECに患者を紹介する計画はあった」(広報部)。実際は行われていないというが、営利目的でシンガポールの富豪患者を受け入れるのではないか、と懸念され、地元医師会から総スカンを食ったというのだ。
(本誌・長倉克枝、西岡千史、古田真梨子)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。