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がん治療で不妊に でも子どもをあきらめなくていい?〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150513-00000006-sasahi-life
週刊朝日 2015年5月22日号より抜粋
医療の進歩で、がんを克服する患者は増えている。しかし卵巣や精巣は、抗がん剤や放射線治療の悪影響を受けやすく、若年患者の、子どもを授かる力(妊孕性[にんようせい])が失われることもある。妊孕性を温存するため、卵子や精子の凍結保存という治療法がある。
埼玉県在住の主婦、田中咲さん(仮名・36歳)は2012年秋に結婚した。すぐにでも妊娠を望んだが授からず、翌年2月から産婦人科クリニックに通い始めた。まもなく首のリンパ節の腫れに気づき、悪性リンパ腫の疑いがあることがわかった。
悪性リンパ腫とは、リンパ系の組織に発生するがんの一種だ。田中さんは近くの総合病院で精密検査をした結果、ホジキンリンパ腫というタイプのI期と診断された。抗がん剤と放射線治療をすれば5年生存率は9割を超える。しかし「抗がん剤の影響で卵巣機能が低下し、妊娠しにくくなる可能性がある」と医師に告げられた。
抗がん剤は体内のがん細胞を攻撃するだけでなく、正常組織にも悪影響を及ぼす。卵巣や精巣はとくに敏感で、年齢や抗がん剤の種類にもよるが、20%から100%の患者が無月経、無排卵、無精子症となる。
田中さんは「がんによる命の危機」と「一生子どもが持てないかもしれない」という二つの事実を突き付けられて混乱した。
抗がん剤治療はすぐに始めるべきだったが、子どもをあきらめることもできない。そんな田中さんに主治医は、「卵子や受精卵を凍結保存すれば、治療終了後に体外受精で赤ちゃんを授かることもできる」と話した。
「体外受精」とは、女性の卵巣から成熟した卵子を採取し(採卵)、体外で夫の精子と受精させ、受精卵を培養してから子宮内に戻す方法だ。精子が少ない場合には、卵子に精子を直接注入する「顕微授精」を選択する。体外受精や顕微授精をする場合、排卵の1〜2週間前から排卵誘発剤を使って卵巣を刺激し、成熟した卵胞を増やしてから採卵するのが一般的だ。複数とれた卵子は受精卵にして凍結保存する。
がん患者の場合もやり方は同じだ。抗がん剤の治療が始まる前に排卵誘発をして採卵し、受精卵にしてから凍結する。子宮内に戻すのはがんの治療が終わり、がん治療の担当医が「妊娠しても問題ない」と判断してからになる。未婚の女性患者の場合は卵子のみを凍結するが、受精卵を凍結するより妊娠率は下がる。
田中さんはすぐにその病院の産婦人科で卵巣刺激を始めたが、「生殖医療にも、がんの治療にも力を入れている病院で治療を受けたい」と、数日後には埼玉医科大学総合医療センターに転院した。
産婦人科の高井泰医師は、以前の病院での治療を引き継ぐ形で排卵誘発剤を投与し、約1週間後に採卵した。とれた卵子は一つだけだったが、夫の精子と受精させて凍結保存することができた。その直後、田中さんは約2週間おき、計8回の抗がん剤投与をスタートした。
「田中さんの場合、抗がん剤の治療を開始するまでに多少の猶予がありました。すぐに治療を開始しなければ命にかかわるという場合、採卵をあきらめざるを得ないこともあります」と高井医師は言う。
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