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手のしびれから歩行困難に? 背骨の靭帯が骨化する難病とは〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150418-00000001-sasahi-hlth
週刊朝日 2015年4月24日号より抜粋
背骨にある靱帯が骨のように硬くなり、脊髄の神経を圧迫する「後縦靱帯骨化症(こうじゅうじんたいこっかしょう)」。茨城県在住の会社経営者、岡本義朗さん(仮名・65歳)もその病気を患った一人だ。
後縦靱帯骨化症とは、背骨の椎体骨を上下につなぐ「後縦靱帯」が厚くなり、骨のように硬くなる(骨化する)病気である。骨化した後縦靱帯が脊髄を圧迫し、神経組織が障害されることで、感覚障害や運動障害などの神経症状を引き起こす。最初は手のしびれや痛みなどの症状から始まり、進行すると、手指を動かしにくい、足がしびれる、歩きにくいなどの症状が起こる。
40代ごろから発症するが、60代以降に多い。原因には、遺伝的因子や糖尿病、肥満、性ホルモンの異常など複数の要因が挙げられる。最近の研究では、特定の遺伝子が発症に関与していることもわかっている。15年1月から指定難病として医療費助成の対象となった。毎年、新規に認定される患者数は約5千人にのぼる。
骨化があってもすぐに症状が出るわけではなく、全てが進行性とは限らない。無症状の場合や、症状があっても軽く、進行性でない場合は、鎮痛剤や固定装具などによる保存療法が中心となる。
ただし、進行性の場合は、自然に回復・治癒することはない。なかには症状がないまま骨化が進み、ちょっとした転倒や交通事故などをきっかけに、急に麻痺などの重い症状が出現することもある。現在のところ、骨化を止める薬や神経の障害を改善する治療法はないため、症状により日常生活に支障を来す場合は、手術をおこなう。
手術には、背中側から神経の通る脊柱管を広げる「後方法(椎弓[ついきゅう]形成術、後方除圧固定術)」と、首の前側から骨化部位を摘出する「前方法(前方除圧固定術、骨化浮上術)」がある。手術方法は、骨化の位置、大きさや形態、患者さんの症状、年齢などにより決められるが、一般的には後方法が選択されることが多い。
筑波大学病院整形外科教授の山崎正志医師は、CT(コンピューター断層撮影)で骨化の形態を、MRI(磁気共鳴断層撮影)で脊髄への圧迫の程度などを検査し、手術法を検討。岡本さんの「仕事に早く復帰したい」という希望を考慮し、術後の負担が比較的軽い後方法での手術を決めた。
一般的な後方法(椎弓形成術)は、背中側から切開し、頸椎を縦に切って左右に広げて空間を作り、圧迫されている脊髄を後方に逃がす方法である。
「後縦靱帯骨化症の多くの患者さんに対しては、椎弓形成術での治療が可能です。ただし、骨化が大きい場合や、骨化が連続しておらず、骨と骨の間で動きがみられる場合は、椎弓形成術では圧迫が取り切れなかったり、手術後も骨化した部分が動いたりすることで脊髄への障害が続き、症状が改善されない、あるいは悪化することがあります。岡本さんも、骨化がやや大きく、動きがみられたため、骨を広げる除圧に加えて、頸椎の骨の一部を特殊な金属で固定する後方除圧固定術をおこないました」(山崎医師)
「骨を固定」と聞くと、首が動かなくなると考える人もいるようだが、「実際には日常生活に大きな不自由を感じることはほとんどありません」(同)とのこと。
岡本さんも、術後10日で抜糸をし、2週間後に退院。すぐに仕事に復帰できたという。退院後しばらくは、1カ月に一度受診し、症状の変化、傷や骨の状態などを確認し、経過が安定してからは、3カ月後、半年後と間隔をあけていく。手の動かしにくさ、歩きにくさなどの神経症状は、術後1年ほどで徐々に回復し、1年後には趣味のゴルフが再開できるまでに回復した。
後方法の場合、骨化した部分は残してあるため、経年的に骨化が大きくなり再び症状が出現することもある。そのため、1年に一度は受診し、経過を観察していくことが必要だ。
「ただ、後方法でも固定をすると、骨化の増大を抑えられる傾向があり、経過は良好なケースが多くあります」(同)
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