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心臓病治療のキーワード「ハイブリッド手術室」とは?〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150316-00000003-sasahi-hlth
週刊朝日 2015年3月20日号
異質のもの同士を融合させたものを「ハイブリッド」という。医療の世界でも、異なる方法を組み合わせることで、ハイブリッドな医療技術を生み出すことは珍しくないが、近年その現象が、手術室で起きている。
心臓病の治療では、動脈内の病変をカテーテルという管状の器具で処置、治療する「血管内治療」が広まっている。血管内治療をするにはX線による透視が必要なため、以前は撮影ができるカテーテル検査室などでおこなわれてきた。
血管内治療は内科医がおこなうものだが、治療中に急遽、外科医による開胸手術に移行する緊急事態になる可能性がないわけではない。そうなると、検査室では空気清浄レベルが手術室ほど高くないため、手術による感染症のリスクを避けるため、あらためて手術室に患者を移して手術を始めることになる。
こうした事態に対応し、高度な治療をより安全性の高い環境でおこなうことを目的として作られたのが「ハイブリッド手術室」だ。従来の手術室に高性能のX線透視装置を据え付けたもので、手術や血管内治療とX線撮影を同時並行でおこなうことができる。じつは以前から、移動式のX線撮影装置を手術室に持ち込むケースがないことはなかった。しかし、どうしても画像の質が低下するので、治療の精度を高めるには、据え付け型の高画質の撮影装置を求める声があったのだ。それに応える形で登場したハイブリッド手術室は、X線検査室の高画質の透視装置が、そのまま手術室に移設されたものと考えていい。
この手術室の特徴は、X線透視装置が据え付けられただけではない。患者が寝る台も検査台ではなく、手術用の「万能手術台」を使うことで、患者の体位の最適化や、全方位からのX線透視を可能とした。しかも、撮影した画像は3次元処理され、立体画像としてモニターに映し出されるため、わずかな病変も見逃さず、緊急の事態にはすぐに外科医が介入できる態勢を築くのに役立つ。
患者を全方向からX線で透視できるこの手術室の登場は、ある新しい治療法の普及を後押ししている。それは「TAVI」(経カテーテル的大動脈弁置換術)だ。狭くなって機能不全に陥った大動脈弁の代わりに、血管内から折りたたまれた生体弁をカテーテルで誘導し、狙った箇所で広げて留置する。弁にはバルーンで広げるタイプと「自己拡張型」の2種類があり、前者は2013年に保険治療となり、後者は15年以降に承認される見通しだ。
今後高齢化の進展とともに「TAVI」に対するニーズの高まりが予想されるが、この治療は循環器内科医と心臓血管外科医によって構成される「ハートチーム」として治療に当たることが義務付けられており、万一の際に、速やかに外科的手術に移行できる医療環境が必要だ。そのうえでハイブリッド手術室は必要不可欠な設備となるのだ。一部では血管内治療だけでなく、心臓のバイパス手術のような外科的手術においても、利用が始まっている。
診療科の枠を超えて注目を集めている。
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