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トモセラピー1回の治療は15〜30分程度(クリニック4C)
治療期間も時間も短い「がん自由診療」効果と費用を調査した
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/157633
2015年3月1日 日刊ゲンダイ
日刊ゲンダイ本紙で元巨人軍・角盈男氏が自由診療(自費治療)による前立腺がん治療の体験談を掲載したところ、読者から問い合わせが相次いだ。保険適用されないため、費用はかかるが、希望通りの治療が受けられる。そんな自由診療について調査してみた。
■入院しないので普通に生活ができる
自由診療で多いのは、歯のインプラント、変形性膝関節症の痛みを軽減するPRP治療、がんの放射線治療や免疫療法などだ。
なかでも注目されているのが、がん治療である。
がんにおける放射線治療(体幹部定位放射線治療)は、肺または肝がんが3個まで、大きさは5センチまで、骨やリンパ節転移がんは治療できないという国のガイドラインがある。それ以外のがんは、保険の範囲内だと打つ手ナシ。緩和治療で死を待つしかない。
東京放射線クリニック(東京・有明)の柏原賢一院長はこう語る。
「がんの骨転移に対して治療効果が高いことがわかっていても、保険治療では体幹部定位放射線治療ができません。自由診療ならば、痛みの原因となるがんに、高精度放射線の『ピンポイント照射』を行うことで、がんを消失、苦痛を解消できます。入院しないので生活も普通にできます」
自由診療による放射線治療の魅力は、(1)治療期間が短い(4〜20日程度)(2)治療時間が短い(1回の治療が15〜30分程度)(3)入院せずに済む――ことだ。
治療方針が決まれば、すぐ治療開始。純粋に治療時間だけしかかからないので、仕事をしながらでも通える。
クリニックC4(千葉・西船橋)では、高精度放射線治療のひとつ、トモセラピーを専門にしている。トモセラピーは、放射線をらせん状に照射、コンピューター制御で複数箇所のがんをピンポイントで一度に治療できるところがメリットといわれる。全身転移、肺がんなど照射の難しいがんに効果が見込まれていて、角盈男氏が前立腺がん治療をしたのもここだ。
青木幸昌院長はこう語る。
「当院では、もう施しようがないと言われた患者さんが多く来院されます。そういう方でも、1日30分程度、2、3週間の通院で治療は終了します。治療中もその後も、家族と生活し、同じものを食べられる。特に高齢者は一度入院すると寝たきりになりやすい。入院を回避できるだけでも生活の質は向上します」
費用は、東京放射線クリニックで150万円〜、クリニックC4では230万円〜。確かに高額だが、どちらの病院も独特の重苦しさがなく、精神的なストレスは少ない。1年以上の治療や長期間の入院を考えれば、費用は大差ないかもしれないし、働き続けられればいずれ回収できるという考え方もある。
■自己責任のリスク、「混合診療」には要注意
もっとも、「なんでもかんでも自由診療がいい」と飛びつくのは早計だ。
「当院では、患部に応じて最適に最小限に照射しますが、放射線の種類でも得意不得意があります。最新マシンが自分の病状に合うとは限りません。自由診療は選択肢がいくらでもある。その分、自分も勉強して、見極めなければいけません」(青木氏)
通常の保険診療と並行して自由診療を受診すると「混合診療」となり、これまで受けていた保険診療分も自由診療とみなされ、さかのぼって差額を国から請求されるケースもある。事前確認が必要だ。
「高額の治療費は、民間の医療保険でカバーすればいい」と考える人もいるだろうが、アテが外れてしまうケースも。
「日帰り手術だと給付金が出ないケースや、先進医療特約をつけていても先進医療認定病院でないと給付対象外となるケースもあります」(アフラック広報担当者)
治療内容、費用面も事前に調べておく必要があるのだ。
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