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『医者が教える行ってはいけない病院 間違いだらけの健康法』(洋泉社)
風邪薬で風邪は治らない? 胃薬は依存症に? 医者が教える危険な薬、ダメな病院
http://lite-ra.com/2015/02/post-859.html
2015.02.12. リテラ
「医者から出された薬はきちんと飲む」「風邪を引いたら風呂に入ってはいけない」「健康診断は必ず行く」
特に考えるまでもなく守っている病気対策や健康法。しかしそれが、間違っているとしたら……。
『医者が教える行ってはいけない病院 間違いだらけの健康法』(洋泉社)では、著者で東京有明医療大学教授・東洋医学研究所付属クリニック自然医療部門担当の川嶋朗氏が、そのような間違いを丁寧に指摘し解説している。
まずは医師が出す薬についてだが、「風邪に抗生物質を出す医者はダメ医者です」とバッサリ。逆に長引く可能性も指摘する。
「風邪で抗生物質を飲むことには意味がありません。抗生物質はバクテリアに対して効きますが、風邪はウイルスですから、種類が違います。それどころか、抗生物質を飲むと腸内の善玉菌まで死滅してしまい、免疫力が堕ちます」
川嶋氏は、「薬は風邪を治すのではなく症状を抑えるだけですが、それでも飲みますか?」とデメリットを説明する医者にかかることを薦めている。さらに、「病院に行くより、家で休んでいるほうがよい」とまで断言。薬が風邪を長引かせる危険性を指摘している。
「風邪で鼻水や咳が出たり、熱が上がったりするのは、体が必死にウイルスを外に出すために機能しているということです。鼻水や咳を止めたり、熱を下げたりすると、ウイルスは『しめしめ、居心地がよいぞ』とばかりに長居してしまいます」
ほかにも、飲み続けることを薦めない薬として胃薬を上げているが、その理由が、「やめるのが大変だから」だという。
たばこも酒もやめないうちから胃薬に頼ったり、本当はそうでもないのに胃が弱いと思い込んでいる人、飲まないと胃が痛くなるのではと不安で飲み続ける人が多いそうだ。該当する人はどうすればよいのだろうか。
「まず同じ胃酸を抑える薬でも、現在飲んでいる薬より、弱い薬に替えます。同時に、胃の粘膜を保護するような薬もプラスして飲みます。これで胃酸が過剰に分泌されても、胃の壁を守ってくれます。様子を見ながら、徐々に薬を切り替えて、最終的にだんだんと薬をやめる方向に導くことになります」
さて、処方された薬は必ず医者から飲み方の指示が出るが、これを守ることも、依存から身を守る大切な方法である。
たとえば自律神経失調症で処方される薬など、飲むと不安な気持ちが治まる薬は、「必ず夜、寝る前に飲んでください」と指示されるだろう。これは、「裏を返せば『日中は飲まないでください』という意味」だ。
「日中に飲むと、不安が治まっていくのがはっきり自覚できます。『この薬を飲むと不安が解消されて、体が楽になる』と思ってしまうでしょう。すると次に少しでも不安を感じると、飲まずにはいられなくなるのです。夜に飲めば、薬の効き目を感じる前に眠ってしまうはずです」
自覚せぬまま依存に陥らないよう、薬の飲み方には気をつけたい。
次は「風邪を引いているときは風呂に入ってはいけない」という”常識”だが、こちらも川嶋氏はNOを掲げ、「風邪にはお風呂も効果的」だと言う。
「体を温めることで体内のウイルスが居づらい環境にすることができるからです」
そのためにはまず、浴室を十分に温め、38〜40度くらいのお湯にゆっくりと浸かる。ポイントは、このお湯の温度だ。
「40度以下のお湯に浸かると、リンパ球が増えるのです。さらに体に熱を加えると『ヒートショックプロテイン』というダメージを受けたタンパク質や異常細胞を修復する、抗ストレス作用の強いタンパク質が生まれることも分かっています」
薬に頼る前にできる、簡単な風邪改善法が風呂にあったのは盲点だった。
そして、家族や会社、自治体などから、毎年のように急かされ受ける羽目になる健康診断だが、川嶋氏は「自治体や会社が健康診断を義務化することについては、私は疑問を感じます」と懐疑的だ。
「自分がどんな状態で健康診断を受けて、それをどう活かしたいのか。結果によっては生活習慣、食習慣を改善することは、もし病気が見つかった場合の治療をどうするかまで考えるのであれば、健康診断を受ける意味があります、しかし、『結果がどうでも関係ないし、治療もしたくなければ、生活も変えたくない』とおっしゃっているなら、それは費用や時間の無駄です」
さらに健康診断には、体調を悪化させてしまう危険性も孕んでいるというのだ。
「日常的にできる小さながん細胞が、たまたまがん検診で見つかってしまい、ショックで滅入ってしまったら、免疫が落ちてしまうかもしれません。気づかなければ免疫システムが直してくれたような小さな癌が、ストレスによって手術が必要なほどのがんになってしまうかもしれないのです」
それは極端な例かもしれない。しかし、固定観念に縛られず、結局自分の体は自分にしか守れないということを肝に銘じておきたい。
(羽屋川ふみ)
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