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大学病院は危険?死亡事故多発、流れ作業の診察、新薬実験…自分を守る3つのポイント
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150206-00010005-bjournal-bus_all
Business Journal 2月6日(金)6時1分配信
群馬大学医学部附属病院で、2011〜14年に同一医師が執刀した腹腔鏡下手術を受けた患者約100人のうち、少なくとも8人が術後2週間〜100日以内に死亡していたことが明らかになった。この死亡事故は、なぜ発生したのだろうか?
岩手県一関市の医師・菅原由香子氏は、同病院にはいくつかの問題点があると指摘している。
腹腔鏡下手術は傷が小さくて済むため、術後の回復が早く、患者にとって負担が少ないが、その一方でリスクも多く、医師には高度な技術が必要とされている。
「群馬大学病院の事故は、すべて同じ医師が執刀していたことから、まず同医師の技量に疑問があります。また、同病院の内規では、事前に臨床試験審査委員会の審査を受けることとされていますが、同医師は審査の申請をしていなかったことが明らかになっています。つまり、手術の管理にも問題があると考えられます」(菅原氏)
報道によると、60〜80代の男性患者5人、女性患者3人が術後の容体悪化で死亡した。腹腔鏡下手術の中でも、特に高度な技術を要する肝臓の区域切除などの手術によって事故が起きている。群馬大学の発表では、6人の患者は術後に容体が悪化して集中治療室(ICU)に移されたという。
「術後に容体が悪化したことから、深刻な状態に陥ったと予想できます。おそらく肝機能不全を発症していたのでしょう。区域切除は、切除する肝臓部位が大きい手術です。肝臓は生命維持をつかさどる重要な臓器ですから、より慎重な執刀が求められます。患者が手術に耐えられるかなど、綿密なシミュレーションを行わなければなりません」(同)
シミュレーションに基づき、危険と判断すれば無理に手術は行わないだろう。執刀医は、危険がないと判断したのか、それともそもそもシミュレーションを行っていなかったのか、その判断についても検証を行う必要がある。また、事故が起きた時点で病院は速やかに事実を公表して事故調査委員会を設置すべきだったが、昨年11月時点までそれは行われていなかった。
●患者側が受診の際に留意すべきポイント
大学病院をはじめ、病床数の多い総合病院は患者も多く、医師の対応は流れ作業になりがちだ。手を抜いているという意味ではなく、そうでなければ全員の診療をすることができない現実がある。現在の日本では紹介状がなくても受診可能なため、いきなり総合病院に足を運ぶ患者も多い。日本でも欧米諸国同様に紹介状がなければ総合病院で受診できないようにする法案が国会で検討されているので、いずれ法制化されるだろう。しかし、法整備を待つまでもなく、重篤な症状でない限り総合病院での受診をなるべく控えるよう一人ひとりが心がけなければならない。
また、大学病院は実験的治療に注力する傾向が強い。製薬会社も積極的に大学病院などの総合病院に新薬を持ち込んでいる。治療方法や薬について丁寧な説明をしてくれると安心して治療のすべてを医師任せにする患者がいるが、それは新薬などを実験したいがために行っている可能性もある。安全性については、自ら確認する必要があるのはいうまでもない。
受診の際に心がけるべき点は、次の3つである。
(1)医師の説明でわからないことがあれば、徹底的に聞いてみる
(2)検査データの貸し出しを嫌がる、または質問に回答しない医師は信用しない
(3)治療方針に不安を感じたら、躊躇せず転院する
病院には一層高いレベルの医療技術と病院全体の管理体制の強化が求められる時代となったが、患者側も自身の健康を守るために、医師と適切な関係を構築することが重要である。
尾藤克之/ジャーナリスト、経営コンサルタント
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