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QOLが劇的に改善/(C)日刊ゲンダイ
従来法では悪化一途 排尿困難「尿道狭窄症」の画期的治療法
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/156354
2015年1月14日 日刊ゲンダイ
尿の通り道(尿道)が細くなり、排尿が困難になる「尿道狭窄症」は、画期的な治療法があるのに、それがほとんど知られていない。防衛医科大学校病院泌尿器科・堀口明男医師に話を聞いた。
尿道狭窄症は、前立腺肥大症や膀胱がんに対する尿道内視鏡による手術の後遺症、交通事故や労働作業中の事故の外傷、先天的な尿道の疾患である尿道下裂など、さまざまな要因で生じる。
海外も含めて一般的に広く行われている治療は、尿道ブジー(金属の棒で尿道を拡張する)、尿道ステント留置(金属製のコイルを狭窄部に留置して尿道を広げる)、内尿道切開(尿道内視鏡を使って狭くなった通り道を切開する)がある。
「これらは一時的に症状を緩和する対症療法でしかありません。外来でよく行われる“ブジー”は、出血や非常に強い痛みを伴いますが、効果は2〜3日、長くても1カ月程度しか持たない。あとは排尿困難な状態を我慢し、耐えられず病院を再度受診する不毛なサイクルを繰り返します。月イチの間隔でブジーを受ける人が多いです」
■形成術なら完治可能
内尿道切開や尿道ステントでも、尿道狭窄症が治ることはほとんどない。
「むしろブジーも尿道ステント留置も内尿道切開も、狭窄してダメージを受けた尿道を無理に広げ、さらにダメージを与えるので、治療を受けるごとに尿道狭窄症をひどくしていくのです」
ホースの詰まりをよくしようと棒を出し入れすると、その都度ホースの内側に傷がつくものだ。人間の体は再生能力があるので、ついた傷は修復に向かうが、瘢痕として残る。それによって、尿道の内側が一層狭くなるのだ。
「だから、現在の一般的な治療を受けている人はすぐにやめたほうがいい。最初の狭窄をもっとひどくしてしまうからです」
堀口医師が行う尿道狭窄症の治療は、「尿道形成術」だ。やり方は大きく2つで、狭窄の場所と原因で使い分ける。
ひとつは、狭窄部分を切除して糸で縫いなおす方法(尿道狭窄部切除・尿道端々吻合術)。
もうひとつは、体のどこかから尿道の代用組織を採取して尿道を形成する方法(代用組織利用尿道形成術)。堀口医師の場合、代用組織は頬の粘膜を使うことが多い。頬の粘膜は尿道の粘膜と性質が似ており、尿道との相性が良い。頬の内側の粘膜を採取し、狭窄部分に縫い合わせて尿道の内腔を広げる。
最大のポイントは、尿道形成術が「完治」可能な治療法であることだ。
「“手術後の画像検査で再狭窄が起きていない”“ブジーなどの治療を受けなくても排尿困難が起こらない”“手術後も排尿の勢いが落ちない”。この3つを確認できたら『完治』とみなします。尿道形成術を受けた人の8〜9割が完治します」
2〜3週間の入院が必要なので大掛かりな治療に思えるが、月1回、痛いブジー治療を受けに一生病院に通うことを考えると、結果的に、負担が少ないといえるだろう。
尿道形成術のデメリットとしては、粘膜を採取した頬の内側にしこりやしびれが出る可能性があること、術後半年くらい傷口の痛みや尿道の違和感が続く場合がある。それでも、ほとんどの患者の生活の質(QOL)が劇的に改善し、尿道形成術を受けてよかったと話すという。
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