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実は大きく変わっていた! 腰痛の診断と治療法(日経トレンディネット)
http://www.asyura2.com/14/iryo4/msg/383.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 1 月 05 日 11:39:05: igsppGRN/E9PQ
 

腰の痛みを訴える人の割合(平成22年国民生活基礎調査より引用)

2012年に日本整形外科学会などから「腰痛診療ガイドライン」が発表された。それまで常識とされていた安静にすることやレントゲン検査の基準も変わったという。豊富な論文から導き出された腰痛治療の新常識と症状の見極め方を解説する。


実は大きく変わっていた! 腰痛の診断と治療法
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150105-01061949-trendy-hlth
日経トレンディネット 1月5日(月)11時27分配信


 ふとした拍子に負担がかかったり、姿勢を変える時に腰が痛いと感じる経験をした人は多いだろう。日本人の80%は一生に一度は腰痛を経験するといわれている。さらに、病気やけがなどで自覚症状を持つ人のうち、腰の痛みを訴える人の割合は男性で1位、女性では肩こりに次いで2位(平成22年国民生活基礎調査)。腰痛は誰もが経験するといっても過言ではない。

 これほど多くの日本人が経験する腰痛の診断や治療方法がここ2年間で変わってきたという。きっかけは、2012年、日本整形外科学会と日本腰痛学会がまとめた「腰痛診療ガイドライン」にある。腰痛と診断されて、今までいろいろな治療を試みたがなかなか回復しなかった人に明るい知らせとなるのだろうか。原因が判断しにくいという腰痛の見極め方について2人の専門医に話を聞いた。

●腰痛の常識は変わった?

 「平均寿命が長くなるととともに腰痛を訴える患者が急増しました。それに伴って手術方法が開発され、薬物療法も有効であることが分かり、例えば、慢性の腰痛には抗うつ薬が推奨されるなど、症状の階層に沿って使用すべき薬剤も明確になりました。多くの研究で慢性腰痛の要因についても分かってきました。症状ごとに治療の選択肢が広がってきたこともあり、医師が個々の患者に合わせた治療法を適切に選ぶために最新のガイドラインが必要になったのです」と、腰痛診療ガイドライン策定委員会委員長を務めた、福島県立医科大学会津医療センターの白土修教授は話す。

 1990年代までに発表された腰痛に関するたくさんの研究論文は、今から10年ほど前に厚生労働省のバックアップを受けてまとめられていたという。「今回のガイドラインのベースとなっているのは当時のものです。そこに、2010年までに発表された新たな論文を読み解いて加筆したのが今回の腰痛診療ガイドラインです」(白土教授)。つまり、今までは90年代から2010年までに発表された全ての情報を盛り込んだ指針はなく、欧米ではすでに常識だった腰痛の診断方法などが、国内には必ずしも浸透していなかったということになる。

 この委員会が立ち上がってからガイドラインが発表されるまでに、実に4年の歳月を要したという。「世界中の文献を4000編調べ、詳細まで読み解いたものは1000編以上。調べられる限りの最新のものまであたって、エビデンス(研究によって治療に有効だと確認された根拠等)をまとめたものがガイドラインです」(白土教授)。

 そして、エビデンスによって明確になったのが、腰痛の場合、必ずしもレントゲンを取る必要はないこと、安静よりむしろ運動したほうが症状が軽くなるケースが多いということだった。

●レントゲンは不要? 安静より運動が重要

 「初診時に問診の時間を必ずとり、医師はレントゲンの必要性を判断します。欧米では90年代にすでにレントゲンは必ず必要なものではないと認識されていました」(白土教授)。

 とはいっても、腰痛には命に関わる病気が隠れていることも多い。「ちょっと腰が痛いからと、病院ではなく最初に接骨院や整体院にいくのは危険。神経障害、がんの転移の場合もありますし、重症の骨粗しょう症の場合は、動かすだけで骨折することもあります。腰痛は一番初めに病院を受診することが何よりも大切。医師の問診によってレントゲンの必要性を判断できるからです」(白土教授)

 診断は病院で。その後の経過をみて、リハビリが必要になったら接骨院や整体院を選択肢に加えるのが良いようだ。

 また、ガイドラインで明確になったことに、「腰痛の85%は診断が難しいこと」が挙げられると白土教授は話す。痛みを訴えて病院を受診する人のうち、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、圧迫骨折など原因が特定できる腰痛は全体のわずか約15%しかない。残りの85%はぎっくり腰を含めて原因が特定できない非特異的腰痛だそうだ。

 「背骨は細かい骨が柱状にたくさん連なって構成されています。そこには神経もあり、骨同士がぶつからないように緩衝材の役割をする椎間板もある。だからピンポイントでココとココが原因だという診断がしづらいというのが本意です」(白土教授)。

●ストレスが腰痛を長引かせる

 非特異的腰痛の原因のひとつに心理的、社会的なストレスがあるという。「欧米には多くのエビデンスがあるのですが、腰痛が長引いて悩んでいる人は、ストレスが改善を遅らせる要因になっているのです」と白土教授は続ける。

 腰痛では、従来までは「安静にしてください」といわれることが多かったが、白土教授は「安静にしている必要がないものが多い。『腰が痛かったら安静』は間違いです。人間は1日寝ていると筋肉が5%落ちます。じっとしていると筋肉は弱まり、痛んだ背骨をしっかり支える力が衰えます。突発的な腰痛でなければ、必要以上に安静にして筋肉を衰えさせるのは良くないのです」

 人間がきちんと立っていられるのは筋肉で背骨を支えているから。その要となる筋肉が衰えたら背骨は支えられず、それが腰の痛みを増幅するのだ。

 今回のガイドラインの発表によって、従来までの腰痛診断の定説が変わったというが、医師側に戸惑いはないのだろうか。

 「ガイドライン発表後、各地域の医師会で講演を行っています。以前はあまり意見が交わされなかったのが、ネガティブなものも含めて多くの意見が出るようになりました。医師はみんな自分の信念のもとに診断をしているのですが、ガイドラインを意識してくれていることの証拠で嬉しい反応ですね」(白土教授)

 ガイドラインができたことによって医師1人ひとりの意識改革も進んでいるようだ。地域の病院で腰痛治療の新常識が浸透してきていることは、受診する側にとっても安心感が増す。

 では、新しい腰痛治療で覚えておきたいことはどんな点か、また自分の腰痛の危険度をあらかじめ知っておく方法はあるのだろうか。

●安静より運動やストレッチ

 安静にすることは必ずしも有効な治療法ではないことは前ページで説明した。白土教授によると、「発症から72時間未満でもベッドで安静にしているよりは、できる範囲で普段と同じように活動をしたほうが、回復が速い」とのこと。

 「病院で治療して改善したと思ってもまた痛くなることがあります。腰痛は繰り返すことが多く、慢性化することも非常に多いのです。特に起床後すぐに痛くなったり、同じ姿勢を続けて痛くなるなど、3カ月以上続く慢性腰痛は、ストレッチで改善する可能性が高いのです」と話すのは、日本赤十字社医療センター、脊椎整形外科部長、脊椎センター長を務める久野木順一氏だ。

●重症度は痛み方で分かる

 「現代社会の生活環境は腰にとって良いとはいえない。その中で大きい比率を占めるのが、運動不足、または極端な運動のしすぎ。腰痛の種類にもいろいろありますが、まずは重症度を知って早めの対策をするようにしましょう」(久野木氏)

 腰痛は階層に分けられる。腫瘍や炎症、骨折などの重篤な脊椎疾患の合併を疑ったほうがいいものは「レッドフラッグ(危険信号)」とされ、X線やCT検査が必要で、最優先で治療、手術するべきとガイドラインにも明記されている。下記の項目に当てはまる腰痛は早めに病院へ行ったほうがよいだろう。

 レッドフラッグの次に、「まひや足が動かなくなる、足がしびれる、小水が出にくいなどの神経症状が出ている場合は手術が必要なケースもあります。高齢者なら腰部脊柱管狭窄症、若い人なら椎間板ヘルニアを疑う必要があります」(久野木氏)。

 痛みが許容できる範囲であれば手術は勧めないが、「痛みが耐えられない、歩けない、薬を長期間服用していて効かない場合は、手術すると劇的に良くなる場合が多い」(久野木氏)。

 久野木氏によると、レントゲン検査などが必要なく、日本人に一番多いのが、加齢や姿勢に伴う腰痛だそうだ。「長時間座りっぱなし、中腰の多い仕事など、ずっと同じ姿勢のままだと腰椎や椎間板に負荷がかかり変性が進行することもあります」。

 この場合は、反対の姿勢をとるといい。例えば、中腰や前屈状態が長く続いた場合は、腰をそらすストレッチをする。痛みが少なければストレッチを続けたほうが良いそうだ。

 内臓疾患のシグナルになることが多いのも腰痛の特徴だ。

●筋肉のバランスを調整すると腰痛は予防できる!

 「腰が痛くなったら、まずなぜ痛くなったかということを思い出してみるといいでしょう。長時間座っていたからとか、長時間立っていたからなど。この場合は、真逆の姿勢をしてみると良いです。まずは筋肉のバランスを調整することが大切です」(久野木氏)

 慢性腰痛の場合は適度な運動が数少ない予防法とされており、ラジオ体操やウォーキング、ジョギングなどが良いと久野木氏は話す。「腰痛の予防には、1時間座ったら10分腰のストレッチ。これだけでも十分に予防できます。どんな姿勢をしていても長時間同じ姿勢でいると痛くなるもの。気がついた時に姿勢を微妙にずらしたり、力を分散するような動作をすると有効です。また、運動することで筋肉のバランスが調整され、脳の状態もリフレッシュされます。毎日20〜30分運動するのがいいでしょう」

 ぎっくり腰についても軽い場合は次の対処法でだいぶ楽になると久野木氏。「両方の下腿を下垂させた状態で腰の下に丸めたバスタオルを置いて仰向けに寝ます。すると脚の重みで腰がひっぱられ、腰の下部分が伸びて楽になります。軽いぎっくり腰なら大半がこれで改善するでしょう」。一度ぎっくり腰になり、治癒したのに再度痛くなった時にもこの方法は有効だそうだ。

 デスクワークの人、新幹線や飛行機での移動の時にもタオルやクッション、ベルトポーチが役立つと久野木氏は言う。「タオルを丸めて、お尻の下が10度ほどの傾斜がつくように置いて座ります。これだけで骨盤が安定するので腰が楽になります。ベルトポーチがあれば、その中にタオルを丸めて入れて、腰側にまわしてもたれると程よく腰を刺激して痛みにくくなります」

 定期的に姿勢を変えることは気分転換にもつながる。慢性腰痛の要因といわれるストレスも、ストレッチでうまく気分転換できれば腰痛も改善されるかもしれない。

(文/広瀬敬代)


 

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