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【がん治療 最前線】「乳がん」「膵臓がん」など 究極のウイルス「HF10」は日本初で副作用なし〈週刊新潮〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141118-00010002-shincho-soci
「週刊新潮」2014年11月13日号
庭にアゲハの幼虫を多数放てば、柑橘系は枯れ果てるが、ほかの樹木はダメージを受けない。アゲハは柑橘系にしか寄生しないからだ。同様に、がん細胞のみに寄生するウイルス「HF10」を体内に放てば、がん細胞だけを退治してくれるという。そのうえ副作用もないというのだから――。
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ウイルスと聞いて身震いする人が多い昨今。エボラウイルスが蔓延しはしないか、と心配な人も、がん細胞だけを攻撃するウイルスなら歓迎するだろう。
夢物語に浸っているのではない。名古屋大学名誉教授の西山幸廣氏が1990年に発見した「単純ヘルペスウイルスHF10」は、歓迎すべき善玉だというのである。当の西山氏が語る。
「風邪やストレスによって免疫力が落ちたとき、唇などに疱疹が出る口唇ヘルペスを起こすのは、ほとんどの人が持っているウイルスで、HF10はその変種。近年、ウイルスは遺伝子工学的に改変を施せるようになり、私はさまざまな変異性単純ヘルペスウイルスの病原性や増殖性などを比較検討しているうちに、HF10に最も抗がん作用があるという判断に至ったのです」
どう作用するのか。だが、その前にウイルス一般の性質を理解しておきたい。
「ウイルスは自分の力では増殖できず、人間などの細胞に寄生する必要があります。とくに細胞分裂が活発ながん細胞にウイルスは好んで寄生し、増殖します」
で、HF10の性質だが、
「そもそもは人間の体内から分離したものですが、多くの変異などをへて、できるだけがん細胞のみを攻撃するピュアなものに特化し、それを増殖させたものです。ウイルス自体の毒性は弱いのですが、がん細胞の中に入ると増殖し、がんを激しく攻撃します。実験でメラノーマという悪性黒色腫をターゲットにすると、みるみるがんが消滅していくのが確認できたのです」
■膵臓がんも完治できるか
ほかにも、目を見張る発見があったという。
「1匹のマウスの2カ所にがん細胞を植え付け、ひとつの腫瘍にだけウイルスを注射したところ、注射していない腫瘍も小さくなった。注射されていない腫瘍と戦っていた個体が持つ免疫システムが、活性化されたと考えられるのです」
だが、大学の研究室は予算や設備に限界があったため、産学協同で研究するに至った。現在、タカラバイオをパートナーとし、その後の成果も目覚しい。
「がんへの作用の仕方がまったく異なるので、すでに確立している療法との併用も可能で、副作用もありません。現在、名古屋大学では、見つかったときには末期というケースが多い膵臓がんの治療の研究をしていますが、この治療法によって完治できるようになるかもしれません」(同)
タカラバイオに聞くと、
「2018年度末の実用化に向けて研究を進めています。今春までアメリカで行った臨床試験では、26例の固形がん患者に腫瘍内投与して、薬剤による重篤な副作用が出た例はなく、一部患者の腫瘍が小さくなった。名大と進めている膵臓がんにおける効果では、8人に投与し、1例で30%の腫瘍縮小が観測されました」
治療に有効なツールになれば、がんなど恐れるに足らなくなりそうだ。
「特集 常識が変わり始めた「がん治療」最前線」より
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