04. taked4700 2014年9月12日 01:58:07
: 9XFNe/BiX575U
: Ibu60yWiTU
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3549.htmlデング熱 感染拡大を防げ twitterfacebookmixisharehelpnotice 視聴率 10.6%株式会社ビデオリサーチ世帯視聴率(関東地区)ジャンル 社会問題 自然・科学 医療・福祉 出演者 高崎 智彦 さん (国立感染症研究所 ウイルス第一部第2室 室長) 先月末におよそ70年ぶりに国内でのデング熱の感染が確認されて1週間あまり。感染者は、14の都道府県80人にのぼり(8日現在)、感染源とみられる代々木公園に加え、周辺の新宿御苑などが閉鎖、東京都に1400件以上の相談が寄せられる(8日現在)など、波紋は広がりつづけている。東京都が代々木公園内でウイルスを持った蚊の有無を調べたところ、流行地でも1000匹に数匹程度しか見つからない蚊が4ヶ所で見つかり、1キロあまり離れた新宿中央公園で感染したとみられる患者も出た。海外との往来が増える中、専門家は「早急な対策が必要」と警告する。蚊が媒介する感染症は、日本脳炎などの感染者が激減し、警戒感が自治体や住民の間で低下。駆除する取り組みは弱くなり、ボウフラが発生する水たまりや、蚊が生息するヤブなどが放置されている。どのように感染は広がっていったのか検証するとともに、どう対策を進めれば良いのか、考える。 http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3549_all.html 2014年9月10日(水)放送 デング熱 感染拡大を防げ twitterfacebookmixisharehelpnotice デング熱に感染し、9日間入院したNHK職員です。 40度近い高熱が続き、体中が痛んで眠ることもできなかったといいます。 NHK職員 「横になっても痛いし、起こすとさらに痛いし。 早く治ってくれと祈るしかない。」 およそ70年ぶりに国内で感染が確認されたデング熱。 患者は全国で100人近くに上り、不安が広がっています。 なぜ感染は相次いでいるのか。 背景には、自治体や医療現場の対応が追いついていない実態があることが分かってきました。 東京都の担当者 「経験のない事例が出ているわけで、どういうふうに対策を取るのか、よって立つものが実はない。」 さらにウイルスを媒介する蚊が強い繁殖力を持つため、対策が難しいことも見えてました。 蚊の研究者 「今回のデングウイルスの流行というのは、非常に大きな警鐘である。」 デング熱の感染拡大はどこまで続くのか。 どう防いでいけばよいのか迫ります。 デング熱 感染拡大 患者たちの証言 各地で感染の確認が相次いだデング熱。 最初に感染が分かった10代の女性が取材に応じてくれました。 最初に感染が確認された女性 「たくさんありますね。 ここにあるのは全部、代々木公園で刺されたもの。」
ダンスの練習で頻繁に代々木公園を訪れていた女性。 異変が起きたのは先月(8月)20日のことでした。 体のだるさを感じたあと、突然、高熱が出て気を失ったといいます。 気が付くと救急車の中でした。 最初に感染が確認された女性 「(熱は)40度だと思った。 本当に外が暑くて熱中症だと思っていた。」
入院して治療を受けましたが、40度の熱は一向に下がりません。 医師も病名が分からなかったといいます。 最初に感染が確認された女性 「何も伝えられてなかった。 怖いし不安、死ぬのかもと思った。」
入院から6日目。 女性の母親は娘が足じゅう蚊に刺されていたことが気になり、インターネットで調べました。 そこで娘の症状と一致する病気を見つけ、医師に伝えました。
女性の母親 「『デング熱とかじゃないですよね?』って言ったときに、先生が『感染症の先生もいらっしゃるんで、ちょっと聞いてみます』みたいな感じで。」
専門の医師が検査を行い、ようやくデング熱と判明したのです。 この間、多くの人が代々木公園を訪れ、感染者は増えていきました。
その一人、NHKの職員です。 高熱が続き、9日間入院することになりました。 鎮痛剤を打たないと眠れないほどの体の痛みだったといいます。
NHK職員 「寝てても痛いし、横になっても痛いし、起こすとさらに痛いし。 すごい夜眠れないくらい体が痛くて。」 専門家は、これまでデング熱は海外で感染する病気と考えられていて、渡航歴のない場合、感染に気付くことは難しいといいます。 国立国際医療研究センター 忽那賢志医師 「デング熱の診断をしようと思っても、普通の病院だと検査できないところが多いので、どうしていいかわからない。 ある程度、知識を持っておくことが大事。」
デング熱 感染拡大 後手に回った対応 いち早く対策を打つことはできなかったのか。 取材を進めると、初期の対応が後手に回っていたことが分かりました。 東京都はデング熱の感染者が出たことを受けて、蚊の駆除に乗り出しました。 駆除を行ったのは、渋谷門を中心にした半径75メートル。 最初に感染が確認された女性と友人たちが、ダンスの練習をしていた場所でした。 しかし、女性はこの駆除の範囲に疑問を感じたといいます。
最初に感染が確認された女性 「渋谷門の半径何メートル内だとか、そういったピンポイントでやるのはおかしいなと思った。 別の場所(渋谷門以外)に、もちろん移動している。」
女性は渋谷門だけでなく原宿門の近くでも、長い時間ダンスの練習をしていました。 渋谷門以外でも蚊に刺されたといいます。 なぜ駆除の範囲を1か所に限定してしまったのか。
東京都は、まず国の手引にしたがって感染場所の特定を急ぎました。 しかし、聞き取りを行ったのは女性の地元、埼玉県内の保健所。 その行動範囲を、一部しか把握していませんでした。 東京都も、その報告のまま駆除の範囲を決めていたのです。
東京都 健康安全部 中谷肇一部長 「実際に患者から得た情報で、これも判断せざるを得ないので。 その時点では、その情報しかなければ、そういう対策になったと言うこと。」 最初の駆除で、感染のリスクがほぼなくなったと判断した東京都。 しかしウイルスを持つ蚊がその後相次いで見つかり、公園の大半を閉鎖したのは、最初の患者の確認から1週間以上あとのことでした。
デング熱 感染拡大 恐るべき蚊の生態 蚊の生態を十分把握していなかったことも、対策が後手に回った一因だと専門家は指摘します。 長崎大学の砂原俊彦さん。 公園のような広大な場所でヒトスジシマカを駆除するのは、容易ではないといいます。
今回、代々木公園では池の水を抜くなどの対策を行い、繁殖を食い止めようとしました。 しかし、砂原さんはこのような対策では不十分だといいます。 木のくぼみの僅かな水でも、蚊は繁殖するからです。 長崎大学 熱帯医学研究所 砂原俊彦助教 「ここにもヒトスジシマカの幼虫がいる。」 これがヒトスジシマカの幼虫です。 実は、繁殖には小さな水たまりのほうが適しているといいます。
長崎大学 熱帯医学研究所 砂原俊彦助教 「幼虫が約150匹以上いる。 大きなところには魚とか、捕食昆虫がいる場合が多いから、そういう捕食者のいないところに逃げてくるように適応した。」
水を抜いて卵が乾燥しても、一雨降って水がたまれば、数時間で幼虫となりやがて羽化します。 あらゆる条件が整った公園では駆除がとても困難なのです。
長崎大学 熱帯医学研究所 森田公一所長 「蚊をなくしてしまうことは不可能。 感染リスクがあるかどうかを知っておくことが重要。 蚊の密度はゼロにはできないと思うが、できるだけ小さくする努力は必要。」 デング熱 なぜ感染拡大 ゲスト高崎智彦さん(国立感染症研究所) ●日々増えるデング熱の感染者 今、どんな状況か? やっぱり、これ、蚊に対する、特に成虫蚊に対する対策をしないと、広がる可能性は十分にあると思います。 (感染した人が、発生が分かった場所では、具体的には…?) その刺されたと思われる場所、その蚊の調査を、密度の調査をして、そこのポイントをしっかりと把握したうえで、ある一定の範囲で、そういう成虫蚊の駆除を行うということが必要になってきますね。 (そうしないと、拡大は収まらない?) 拡大する可能性は、十分にあると思います。
●代々木公園やその周辺から感染者が次々出てきた この広がり、どう見る? この数年、200例以上を超す輸入症例が、日本に帰ってきているので、やっぱりこういう事態が起こるっていうのは予想をしてたんですけれども、代々木公園のような大きな公園で、しかも人の出入りが多い公園で起こるというのはちょっと予想していなかったですね。 (もっと小規模の?) そうですね、自宅に帰った人の庭先とか、あるいはその近所の公園で、少し起こるということがあるかなというふうに考えてました。 ●どのように対処すればいいか? これは基本的には、やっぱり蚊に刺されなければいいわけです。 このヒトスジシマカというのは、午後から夕方にかけて、あるいは明け方にかけて活動しますので、そういう所に出かけるときは、虫よけ剤を塗るとか、長袖、長ズボンをはくとかいう対策が有効ですね。 (家の中で刺されることはあまりない?) そうですね。 夜寝ているときに、ブーンとやって来て近づいてくる、茶色いアカイエカというのは、デングウイルスは媒介しません。 ●症状としては高熱、全身の痛み かぜとは相当違う? かぜとは違いますね。 頭痛と痛み、それから突然の高熱ということで出ますので、かぜとは違うというということが分かると思います。 ●感染した蚊に刺されると、必ず発症する? これはですね、5割から8割の人は、症状、出さないですね。 (出さない?) はい。 ●今、感染がどんどん広がっている 感染ルート、どう捉える? 症状を出さない人が、ウイルス血しょう、どれぐらいあるか、ウイルスがどれぐらい出るかというのは分からないですけれども、少なくとも発病する1日、2日前の方というのは、かなりの高いウイルス血しょうを持ってて、感染蚊を十分に作るという能力があるということですよね。 (代々木公園や周辺を訪れていない方で、今感染されている方が出ているが、ルートとしては?) 恐らくやっぱり、まだ発病する前の方が移動して、そこでヒトスジシマカに刺されて、その蚊が感染蚊となって、また別の人を刺したというふうに考えるのが、一番いいと思います。 ヒトスジシマカは50メートルぐらいの範囲しか移動しなくて、待ち伏せてて、人を刺すというタイプの蚊です。 そんなに長距離飛んで移動ということはありません。 (どちらかというと人間が、蚊の生息している所に行ったときに刺される?) そうですね。 ●今回は十分な対策が迅速に取られたとは思えないが、どうすべきだったか? やっぱり最初の症例、埼玉の患者さんのときに、どこで刺されたかというのをしっかりと、2か所で刺されてるんであれば、2か所というのを把握すべきだったと思います。 東京都の方も埼玉まで出かけていかれて、聞き取りされるということも必要だったかもしれませんね。 その上で、刺された所の周辺の蚊の密度をしっかり調査して、それで、そこの一定範囲を成虫対策するというのが重要です。 (聞き取りで、本当にしっかりと聞くことも大事?) そうですね。 デング熱 感染拡大どう防ぐ 西宮市 環境衛生課 職員 「安全作業に心がけて、一日頑張りましょう。 以上です、お願いします。」 兵庫県西宮市の環境衛生課。 全国でも珍しい害虫などの駆除を専門に行う、11人のチームが組まれています。 大阪のベッドタウンとして発展してきた西宮市。 住環境のよさを保つことに、長年、力を入れてきました。 専門チームが重点を置いているのが蚊の発生を抑えることです。 成虫になって飛び回り対策が難しくなる前に、幼虫の段階で対処します。
使うのは、蚊の幼虫など限られた虫にだけ効くこの薬剤。 水がたまりやすく蚊の産卵場所になっている、公園の雨水ますに投入していきます。 市内600か所の公園を、1年間に延べ2,000回にわたって訪れ、駆除を行っています。 西宮市 環境衛生課 大石浩二課長 「公の場所で発生する蚊を一匹でも少なくする、それが大事だと思う。」
さらに西宮市はデング熱が発生した場合に備え、先月(8月)、国の機関と共同で訓練も行いました。 西宮市 環境衛生課 大石浩二課長 「デング熱が発生したと仮定して、演習を行った公園。」 住宅地に囲まれた公園で、デング熱の感染が起きたと想定。 公園の周囲で蚊の駆除を行おうとしました。 その結果、浮かび上がったのは、住宅地で感染の拡大を防ぐことの難しさでした。 実際に住宅を訪ねたところ、バケツや傘立てなどで蚊の幼虫が見つかりました。 しかも留守にしている家が多く、中に入れないため、素早い対策が取れないことも明らかになったのです。 市では、普段から住民が蚊を増やさないよう取り組むことが重要だと考えています。
西宮市 環境衛生課 大石浩二課長 「行政だけでは市内全域の害虫を退治するというのは無理なので、住民の協力をいただいて、少しでも害虫を減らしていくことが必要になる。」 住民たちがみずから蚊の駆除に取り組んでいる地域もあります。 横浜市泉区緑園。 山を切り開いて開発された新興住宅地です。 住民たちは、蚊の大量発生に長い間、悩まされてきました。 そこで9年前、区のサポートを受けた自治会が中心になり、対策に乗り出したのです。 住民 「新聞も取りにいけないくらい(蚊が)いた。 私の個人経験からいっても、外に出るのが嫌なくらい。」 緑園二丁目自治会 「環境部です。」
住民たちは夏場は毎月個人の敷地を回って、雨水ますに薬剤を入れていきます。 顔見知りだからこそできる取り組みです。 緑園二丁目自治会 「もう終わりましたんで。」 緑園二丁目自治会 「これで終わりました。」 住民 「ありがとうございました。」 さらに力を入れているのが地域のごみ拾いです。
緑園二丁目自治会 「上を向いていると、雨水が穴から入って蚊が発生する。」 緑園二丁目自治会 「これだけ(水が)たまっている。」
この日、軒先で見つけたのは、雨水がたまったじょうろ。 雨が降った翌日には、特に注意して見回ります。
住民 「鉢植えの水をなるべく捨てるとか、そういう意識はみんな出てきていると思う。」 今では多くの住民が蚊が減っていると実感。 活動の輪は周辺の地域に広がっています。 緑園二丁目自治会 長谷川幹夫会長 「住民に、自分たちで何とかしないといけない問題だということが芽生えた。 住民が主体にやることに大きな意味があると思う。」
デング熱 感染拡大どう防ぐ ●住民や自治体の動き 幼虫を早く駆除しようという動きは効果的? 今の流行そのものに対して効果があるかというと、そうでもないんですけれども、これは来年(2015年)、ヒトスジシマカの数を減らすという意味では、非常に重要な対策ですね。
●成虫の数を減らすことによって、来年感染が出ても広がりが抑えられる? 広がりが遅くなると思います。 例えば、1匹の蚊に刺されて、患者さんがですね、1匹の蚊が感染蚊になるのと、今回のようにたくさん刺されている人がいっぱいいるわけですけれども、1人の患者さんが10匹、20匹に刺されて、10匹、20匹の感染蚊が出来て、それがまた感染者さんを増やすというと、すごいスピードで患者数が増えますよね。 そういうことは抑えられます。 (蚊の撲滅は無理でも密度を減らすことによって、減らすことができるということ?) そうですね。 ●今の感染拡大はいつまで続くか、来年もまた起きるのか? これはその、秋の気温とかにもよりますけれども、遅くとも11月の上旬にはヒトスジシマカの成虫は死にます。 活動しなくなって、卵を産んだ状態で冬を越します。 また来年の春になると、水を得ると、卵からふ化していくと、出てくるということですが、卵の中でウイルスがつながるかというのは、実験的にはあるんですけれども、自然界では極めて、そういう率は低いと思います。 それよりもまた来年、別の患者さんが海外から来て、流行を起こすほうがはるかに確率が高いと思います。 ●感染拡大してワンシーズンで抑えられたケースはある? これはハワイで2002年にやっぱり流行したんですけれども、ハワイはハワイ島以外は、やっぱりヒトスジシマカなんですね。 これもうワンシーズン、観光の州ですから、幼虫対策を徹底して、成虫対策もやって、ワンシーズンで終わったという事実はあります。 ●海外でいろいろな感染症の広がりが報告される中、感染症に対する備えは? やっぱり入ってくるのを止めると同時に、入ったあとのそれぞれの自治体とかの連携、政府との連携ですね、そういうことをもう少しスピードアップできるようにしたほうがいいと思います。 (水際の対策は十分か?) それは十分ですとは言い切れないんですけれども、ただ、決して…。 頑張っているとは思います。 (海外からの情報にも、より耳を傾けないといけない?) そうです。 去年(2013年)のドイツの症例というのが出てきて、その症例があって、初めて今回、比較的、臨床でも診断できたという事実はあります。 (感染したドイツ人がいたということで?) あの情報を素直に受け入れるのは重要だったと思います。 |