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「脊柱管狭窄症も、誤診が非常に多いのです!」 ”神の手を持つ”腰痛の名医が、再登場!
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40367
2014年09月06日(土) 現代ビジネス編集部 木所隆介
「脊柱管に狭窄があっても、腰の痛みの原因が実は別。本当の腰痛の原因が仙腸関節にあるというケースが、椎間板ヘルニア同様、実に多いのです」
腰痛で医者にかかったら、「脊柱管狭窄症」と診断されて悩んでいる人が高齢者中心に近年、急増している。この診断について、実は原因を間違って診断している場合が多い、と言うのは、AKA-博田法で腰痛を治す名医、片田重彦・かただ整形外科院長である。
■「椎間板ヘルニアの9割は『誤診』」が大反響
片田重彦医師
8月20日、この片田医師のインタビュー記事「『神の手を持つ』腰痛の名医が断言! 椎間板ヘルニアの9割は『誤診』」です」
」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40164)を公開したところ、読者の方から様々な質問、ご意見をいただいた。
中でも目立ったのが、「脊柱管狭窄症もAKA−博田法で治りますか?」「ぎっくり腰になって病院に行ったら、安静にするしかないでしょうと言われました。AKA-博田法で治りませんか?」「家で運動をしたり、自分で治せないと意味がない」といったものだった。
今回あらためて、片田重彦氏に登場いただき、「脊柱管狭窄症」を中心に腰痛の革命的な治療法について、読者の疑問に答えてもらった。
その前に、詳しくは前回の記事を読んでいただくとして、ざっとAKA-博田法について説明しておく。
片田重彦氏が腰痛治療に用いるAKA−博田法というのは、「長く治療しても治らない腰痛の約9割の原因が、実は仙腸関節の機能障害である。その仙腸関節を手技療法で正常に戻せば腰痛は治る」という考え方に基づいている。
前回のコラムでは、レントゲンやMRIなどの画像診断で椎間板ヘルニアが見つかっても、腰痛がこのヘルニアから発生しているのではないことが、とても多いことを指摘している。
「腰痛の原因でもないのに、そこを治療したり手術しても腰痛が消えるわけがありません。悩んで私のクリニックにお見えの方が、仙腸関節を正常に戻しただけで、腰痛がラクに治った例が本当にたくさんあります」というのが、片田氏の話だった。
では「脊柱管狭窄症」についてはどうなのか?
■脊柱管狭窄症という診断も、間違っていることが多い
――先生のクリニックにも「脊柱管狭窄症」の患者さんは増えていますか?
片田: 特に高齢者の方で、「脊柱管狭窄症で手術を勧められました。もう年だし、なんとか切らずに治せませんか?」と言って、いらっしゃる方は多いですね。
脊柱管狭窄症は、神経の通り道である脊柱管が狭くなって神経を圧迫し、腰から足のしびれ、歩行障害などが生じます。最近、高齢者に急増している腰痛としてテレビで盛んに取り上げられているうえに、脊柱管が狭くなった画像を見せられ、医者に脊柱管狭窄症だと診断されるのですから、たいていの人は、自分の腰痛が間違いなく、脊柱管狭窄症だと信じ込んでしまうようです。
――椎間板ヘルニア同様、実際は原因が違うケースも多いのでしょうか?
片田: 脊柱管に狭窄があっても、痛みの原因は、実は仙腸関節にあるというケースが椎間板ヘルニア同様、非常に多いのです。
たとえば、某大学病院で脊柱管狭窄症だと診断された患者さんが、私の元へやって来ました。
AKA-博田法で診断すると仙腸関節の動きが悪く、誤診の可能性大でした。そこで、AKA-博田法による腰痛治療で、ひっかかり気味だった仙腸関節のつなぎ目数ミリを修復したところ、関節の動きがよくなりました。
不快な症状がやわらいだとたん、満面の笑みをたたえて、その患者さんはこう言ったのです。
「痛みとしびれは消えました。先生ついでに脊柱管狭窄症も治してくれませんか」
AKA-博田法をやって痛みが取れたとすれば、腰痛の本当の原因は仙腸関節にあったことになるのですが、あっさり治り過ぎたので信じられなかったのでしょう。
「大学病院が腰痛の診断を間違えたんですよ。腰痛の問題は脊柱管ではなく、骨盤の中(仙腸関節)にありました。大学病院はそれを見逃しているのですから、いくら通っても満足な治療を受けられなかったのです。狭窄症を治す必要はないんですよ」
そう説明すると、患者さんはようやく納得した顔でうなずいてくれました。
――AKA-博田法は、本当の「脊柱管狭窄症」には効果があるのでしょうか?
片田: 脊柱管狭窄症は、背骨を支える神経の通り道である脊柱管が圧迫されて狭くなることで、腰から足にかけて痛みとしびれが出ます。仙腸関節以外の部位からの神経障害ですから、真性の脊柱管狭窄症にAKA-博田法は効きません。その場合は手術を勧め、実績のある大学病院を紹介しています。
片田: ただ、こんな患者さんがいました。80歳を超えても仕事で現役バリバリに活躍されている方が、1ヵ月前から腰痛がひどく、歩くどころか5分と立っていられない。さらに腰から足にかけてしびれも出ていて、最初にかかった病院で脊柱管狭窄症と診断されたというのです。
「脊柱管狭窄症で手術を勧められました。もう年だし、なんとか切らずに治せませんか?まだ仕事を続けたいのでリスクは避けたい」と、手術をしない方法を求めてAKA-博田法を受けに来たのです。
この男性は痛みの度合いや神経障害を診る限り、私の診断でも脊柱管狭窄症でした。前医が手術を勧めたことは間違いではなかったと思います。ただ、真の脊柱管狭窄症の患者さんのほとんどが仙腸関節機能障害も併発しているので、AKA-博田法の治療でもある程度の効果が見込めます。
実際、この男性も初回の治療で足のしびれがやわらぎ、立ったり歩いたりする際の痛みも半減しました。しかし、完治することはありませんから、「手術をすれば、もっとよくなるかもしれません」と伝えたところ、ご本人はひと言。「ここまでよくなればいいや」と。
男性は月に1度、6回のAKA-博田法による治療で、臀部の不快症状は消えないものの立つことに不自由はなくなり、歩行も日常生活程度はできるようになりました。
そして、念願だった現場復帰もかなったのです。
還暦を過ぎた高齢世代は老化現象のため、体にさまざまな不具合が生じ始めます。誤解をおそれず言えば、機械の部品と同じで関節や骨も長年使えば古びてガタがくる。ただ、大修復するために時間をかけ、しかも体力面などでのリスクを伴うなら、ガタついている部分を補修しながら全体として機能していればいいじゃないか。
脊柱管狭窄症手術で手術を勧められた場合はまずAKA-博田法を試してみて、その結果からどうするかを考えるべきでしょう。
■仙腸関節原因の腰痛は家で治せないのか?
――前回のインタビュー記事や、先生の本を読んだたくさんの読者からの質問、疑問が届きました。「脊柱管狭窄症」についての質問と並んで多かったのが、腰痛は結局医者にかからなければ直らないのか? 家でAKA−博田法的な仙腸関節に効く、腰痛改善法がないのかというものでした。
片田: 腰痛の原因は大部分が仙腸関節の捻挫、つまり関節面がひっかかり、それを自分自身で治せない状態になっていることとそれに伴う炎症、腫れです。
急性腰痛の20-30%は軽度の引っかかりなので自然にもとの状態に戻ります。残りの30-40%は初めの炎症がなくなってくると、数ヵ月の間に痛みは自然に消えていきます。しかし前屈後屈など、体の動きが元通りになっていないときは仙腸関節の引っかかりは残っていることになります。従って重いものを持つ、体を捻る、中腰姿勢が続くなどにより腰痛は再発します。
急性腰痛の35%ほどは慢性腰痛に移行します。この場合は仙腸関節の引っかかりと炎症が残っています。慢性腰痛は同じ動作の連続や同じ姿勢の連続でおこる仙腸関節のひっかかりで炎症の弱いか強いかで痛みの強さが異なります。
いずれにしても、仙腸関節がひっかかっている状態で腰痛体操、ストレッチング、筋トレ、ヨガ、水中歩行など腰を無理に動かす動作を何回もするとせっかく炎症が収まってきた仙腸関節に再度炎症がおきて腰痛が強くなります。一度悪くなった仙腸関節をこうした運動でもとにもどすことはできません。
うつぶせに寝て、背中を反って治すという治療法も流行って、本も売れていたようですが、残念ながら反ることで仙腸関節のひっかかりが、偶然うまく治ったからだと思います。
骨盤を締めるゴムバンドを用いる腰痛対策がありますが、これは仙腸関節の動きを制限するのでひっかかりは治せませんが炎症の再発は防ぐことができるかもしれません。
■腰痛の85%から90%は原因不明だった
――椎間板ヘルニアの9割が誤診と前回、書いたところ、そんな数字は信じられない、AKA-博田法以外で治って、先生のところに来ない、ヘルニアの人がいっぱいいるのではないか、といった疑問も寄せられました。改めて聞きますが、本当の椎間板ヘルニア、本当の脊柱管狭窄症による腰痛の割合はどの程度とお考えですか?
片田: エビデンス(科学的証拠)からは椎間板ヘルニアは全腰痛のわずか3%だという統計があります。椎間板ヘルニアも脊柱管狭窄症も腰痛を起こすよりは下肢の痛みを主症状とします。それは両者とも神経の痛みであり、足の先まで走る痛みです。それなのに腰痛で病院に行くと、なぜこの二つの病名がつくのでしょうか?
それはこの二つの病名はMRI上の病名だからです。MRIを撮ると半数の正常の人にこうした異常が見つかります。MRI診断は、そこに椎間板や脊柱管の変形、以上があるということの診断だけで、それが現在の痛みの原因であることは証明できないのです。このことは最新のエビデンスが証明しています。
これに対して腰痛の85%から90%は原因がわからないと、エビデンスは述べています。実際はそのほとんどが仙腸関節からの腰痛です。仙腸関節からの腰痛はAKA-博田法で治りますので手術の必要はありません。
――AKA-博田法は、保険が効かず高いのではないか? という質問も多かったのですが。
片田: AKA-博田法はどんな手術よりも難しい手技で、全国に認定医は100人前後しかいません。10年ほど前、厚生大臣にAKA‐博田法を保険に収載するように陳情したことがあります。大臣はすぐにある超有名大学の整形外科教授に電話して「AKA−博田法をどう思うか」と尋ねました。その教授は「まったく知らない」と答えたそうです。
当時、AKAを始めた博田先生の著書がすでに出版されて仙腸関節が腰痛の原因だということも明らかにしていたのですが、無視されたのです。AKA-博田法を認めると医学会の常識が覆されると、その教授は考えたのではないでしょうか。
それでもAKA−博田法を求める患者は多いため、AKA-博田法を行う医師は保険請求せず無料でAKA-博田法を行うか、自費で行うかの選択に迫られています。しかし保険収載されると、AKA―博田法を行えないのに行ったとして保険請求する施設が激増する懸念があり、日本AKA医学会はAKA-博田法の保険請求をあきらめています。今後、高度先進医療として申請する可能性はあります。
――AKA-博田法以外に仙腸関節の不具合を直す治療法はないですか?
片田: 最近はエビデンスから、腰痛の原因がわからないということがわかり、そのため仙腸関節に着目する医師が増えています。しかし今のところ、AKA-博田法以外で仙腸関節を正常にする方法はありません。
痛みを軽減する方法はクスリをふくめ、従来から様々な治療法が行われた結果、ある程度は軽減できます。しかし、仙腸関節の動きを正常化することができるのはAKA-博田法だけです。
そして、AKA-博田法を行えると標榜できる医師は日本AKA医学会の認定された医師だけです。理学療法士会にもAKA-博田法の認定制度があります。AKA医学会に認定されていなくて、AKA-博田法あるいはAKAを名乗っている整体、接骨などは間違った方法を行っている可能性がきわめて高く危険です。
――いわゆる「ぎっくり腰」はAKA-博田法で治りますか?
片田: すべてAKA-博田法で治ります。ただし再発することもありますので、2~3週間後に再度AKA-博田法を行うこともあります。
炎症の強いぎっくり腰は治るまで、3~4ヵ月かかることもあります。
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「ぎっくり腰」に関しては、次の記事公開のときに、あらためて詳しく片田医師に説明していただこう。
片田重彦医師の実際の治療の動画も公開しているので、是非ご覧いただきたい。(http://youtu.be/LXEm6qI3wdc)
取材協力/吉原清児(医療ジャーナリスト)
片田重彦(かただ・しげひこ) かただ整形外科院長、日本AKA医学会理事長・指導医専門医、福島県立医科大学医学部整形外科客員講師。1946年東京都生まれ。慶應義塾大学医学部卒業後、同医学部の整形外科助手を務める。76年に名古屋保健衛生大学(現・藤田保健衛生大学)講師に着任し、81年スイス・チューリッヒ大学に1年間留学。86年国立小児病院(現・国立成育医療研究センター)整形外科医長。AKA−博田法をいち早く腰痛の治療に取り入れ、93年に神奈川県小田原市にかただ整形外科を開業。治癒率の高さが評判を呼び、1年に3000人以上の新たな腰痛患者が訪れる。主な共著に『図説エンダー法』『整形外科手術後療法ハンドブック 改訂第4版』『整形外科プライマリケアハンドブック 改訂第2版』、編著に『仙腸関節機能障害――AKA―博田法による診断と治療』(いずれも南江堂)がある。近著に初の一般向け腰痛本『たった5分間で9割の腰痛がよくなる本〜AKAー博田法で腰痛が消えた!』(講談社)がある
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