http://www.asyura2.com/14/iryo4/msg/271.html
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エンテロウイルス感染による風邪症状はそれほど珍しいわけではないが、エンテロウイルスD6は珍しい型だそうだ。
ABCニュースによれば、エンテロウイルスD6に感染した子どもは、しばらくは風邪の症状が続き突然呼吸困難に陥るという。
喘息を患っている子どもや5歳未満の子どもが重篤になるケースが多いとのこと。
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米中西部で呼吸器疾患ウイルス流行、子ども数百人が入院[CNN]
2014.09.08 Mon posted at 10:55 JST
(CNN) 米中西部ミズーリ州で呼吸器系の症状を引き起こすウイルスの感染が広がり、数百人の子どもが入院する事態になっている。米中西部全体に感染が広がっている恐れもあり、米疾病対策センター(CDC)の専門家は7日、現在の事態は「氷山の一角かもしれない」との見方を示した。
CDCによると、これまでのところミズーリ、コロラド、ノースカロライナ、ジョージアなど10州から、エンテロウイルスの検査について協力要請があった。
ミズーリ州カンザスシティーではこのウイルスのために1日あたり30人が病院に入院。うち約15%が集中治療室に入ったという。小児病院に入院した患者だけでも約450人に上り、少なくとも60人が集中治療を受けている。
同病院の医師は「前例のない事態だ。30年も小児医療に携わっているが、こんな事態は見たことがない」と話した。
地域の小児患者の90%を受け入れているカンザスシティー病院によれば、患者は8月15日から急増し始め、新学期を迎えた後の21〜30日にかけてピークを迎えた。現在は横ばい状態が続いているという。
コロラド州デンバーでも同じような呼吸器疾患の患者が急増。8月18日以降にコロラド小児病院を受診した小児患者は900人を超え、症状が重い86人は同州オーロラの施設に入院した。
エンテロウイルスは夏風邪のような症状を引き起こすウイルスで、これ自体は珍しいものではない。しかしこれほど多くの患者が入院するのは異例。CDCの検査の結果、カンザスシティーの小児患者のうち少なくとも19人に、エンテロウイルスD68型の陽性反応が出た。
CDCは、同じような症例が報告されている州についても検査を行っている。
D68型は比較的珍しく、1960年代に発見されて以来、これまでの症例数は100人未満にとどまっていた。米国のほか日本やフィリピン、オランダなどでも報告例があるが、現時点でワクチンは存在せず、治療法も確立されていない。
同ウイルスは患者との接触によって感染し、発熱、体の痛み、せき、発疹などの症状が出る。
同ウイルスによる死者はミズーリ州では確認されていない。ほかの州での死亡者数などは不明。
http://www.cnn.co.jp/usa/35053430.html
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※ 参考(エンテロウイルスD6ではなくエンテロウイルス68とエンテロウイルス71に関するもの)
呼吸器感染症、熱性けいれんの乳幼児からのエンテロウイルス68型の検出―大阪市
(Vol. 31 p. 300: 2010年10月号)
2010年6〜8月の期間に呼吸器感染症由来10検体、熱性けいれん由来1検体からエンテロウイルス68型(EV68)を検出したので報告する。
EV68の月別検出数は、6月2例、7月6例、8月3例であった(2010年8月16日現在)。患者情報を表に示した。いずれの検体もVero、RD-18S細胞を用いたウイルス分離検査は陰性であった。そのため、ライノウイルスおよびエンテロウイルスの遺伝子検査(EVP4、OL68-1 プライマー)を実施した1) 。その結果、すべての検体について、610bpに特異的増幅産物を認め、ライノウイルス(530bp)、エンテロウイルス(650bp)とは異なっていた。ダイレクトシークエンスによりVP4遺伝子(207塩基)を解読し、BLAST(http://blast.ddbj.nig.ac.jp/top-j.html)による相同性検索を行った結果、すべてEV68(37-99 isolate, GenBank No. EF107098)に高い相同性 (94.7〜95.7%)を示した。一方、VP1遺伝子(927塩基)を用いたBLAST検索についてもすべてEV68(MD02-1 strain, GenBank No. AY426491)に高い相同性(97.0〜97.6%)を示したことから、前述の11検体について、EV68陽性と判定した。
EV68は、1962年にアメリカにおいて呼吸器疾患の子供から発見され2) 、呼吸器感染症に関与することが報告されている3) 。その後の研究により、EV68は、ヒトライノウイルス87型と同一であることが明らかにされた1) 。日本国内では、例年、EV68の検出が報告されているが、その数は、2006年2例、2007年8例、2008年0例、2009年4例、2010年9例(2010年8月25日現在)と多くない(https://nesid3g.mhlw.go.jp/Byogentai/Pdf/data60j.pdf)。しかしながら、今夏については、大阪市のみで11例検出されていること、7月に検出数が増加していることから、EV68が流行している可能性が考えられた。
文 献
1) Ishiko, et al ., Intervirology 45: 136-141, 2002
2) Schieble, et al ., Am J Epidemiol 85: 297-310, 1967
3) Oberste, et al ., J Gen Virol 85: 2577-2584, 2004
大阪市立環境科学研究所
改田 厚 久保英幸 関口純一朗 入谷展弘 後藤 薫 長谷 篤
中野こども病院 大町太一 舟木克枝 圀府寺 美
大阪市立総合医療センター 天羽清子 塩見正司
大阪市立住吉市民病院 中野嘉子 外川正生
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マレーシアおよび日本で分離されたエンテロウイルス71型の分子疫学的解析
エンテロウイルス71型(EV71)は、コクサッキーウイルスA16型、コクサッキーA10型等とともに手足口病の主要な原因ウイルスのひとつとして知られており、日本各地で毎年分離される常在ウイルスである。EV71はしかし、稀にではあるが重篤な神経症状を引き起こすことが知られており、死亡例を伴うEV71の流行が報告されている。特に1975年のブルガリアおよび1978年のハンガリーではそれぞれ40名以上の死亡例を伴うEV71の流行が確認されており、オーストラリア、アメリカ等でも重篤な中枢神経疾患へのEV71の関与が示唆されている。
1997年、マレーシア・サラワク州で、エンテロウイルス感染が疑われる死亡例を含む小児の急性疾患の流行が報告された(前項参照)。感染研では、マレーシア国立医学研究所と協力して、サラワク州およびマレー半島における死亡例および手足口病患者よりウイルス分離を試み、これまでのところ15株のEV71を分離した。分子疫学的解析によると、分離したマレーシアのEV71は、死亡例、手足口病患者からの分離株を含めてほとんどの株が同一のgenotype(サラワク型)に属していた。マレーシア・サラワク型のEV71は、これまでに塩基配列が報告されているプロトタイプ株BrCrおよびアメリカで1987年に分離された7423/MS株と、RNA で80〜86%、アミノ酸で95%程度の相同性を示し、いずれとも異なるgenotypeに属していた。
日本で現在流行している手足口病の原因ウイルスとしてのEV71とマレーシアで分離されたEV71との間に病原性の強さを含めたウイルス学的性状の違いがあるかを解析する手始めとして、両者の分子疫学的比較解析を行った。また、最近日本でも少数例ではあるがEV71感染の関与が疑われる脳炎を含めた重篤な症例の存在が明らかにされており、ウイルスが分離された大阪の死亡例由来のEV71についても併せて解析を行った。手足口病由来の約40株のEV71および大阪の1株を解析したところ、日本のEV71は大きく2種類のgenotypeに分けられることが示された。そのうち、約10株のEV71はマレーシアで分離されたEV71の多くと共通のgenotypeに属しており、大阪の死亡例由来の1株もこのgenotypeに属することが示された。他の日本のEV71は、EV71/サラワク型と明らかに異なるgenotypeを形成していた。
以前より、EV71が多様な病原性を示すこと、また地域、時期により異なる症状を呈する流行を起こすことからEV71の株間で病原性に違いがある可能性が指摘されてきた。今後、マレーシア、日本および他の地域で分離されたEV71の病原性についての研究を進めるとともに、日本で流行しているEV71について、genotypeの違いを含めて注意深く監視していく必要がある。
国立感染症研究所ウイルス第二部
清水博之 Andi Utama 吉田 弘 萩原昭夫 宮村達男
http://idsc.nih.go.jp/iasr/19/221/dj2212.html
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