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長嶋さんは回復したが…/(C)日刊ゲンダイ
危ない脳梗塞を予防 画期的新薬の「うまみ」と「泣きどころ」
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2014年7月18日 日刊ゲンダイ
大量の汗で体の水分が抜け、血液がドロドロになる夏。最も警戒すべき病気は脳梗塞だろう。
なかでも怖いのは「心原性脳塞栓症」だ。心房細動とよばれる不整脈が引き金となる脳梗塞で、心臓の血流がよどむことで血栓が生まれ、それが脳を直撃する。発症すると半数以上が死亡か寝たきりになる。
最近、これを防ぐ新たな3つの飲み薬が登場し使う人が急増しているが、安全性はどうなのか? 東邦大学佐倉病院循環器科の東丸貴信教授に聞いた。
「そもそも心原性脳塞栓症の予防にはこれまで、血液を固まりにくくする抗凝固剤としてワーファリンが使われてきました。血液が固まって血栓ができるには12種類の血液凝固因子がかかわっています。そのうち4つはビタミンKの補助を得て活性化されます。ワーファリンはこのビタミンKの働きを抑えることで血栓をつくらないようにしたのです」
しかし、服用すると納豆やクロレラ、青汁などのビタミンKが豊富な食品が食べられない、他の薬との相互作用から持病によっては使えない、受診のたびに血液検査が必要などの扱いにくさがあった。
そこで登場したのが、ダビガトランという新規抗凝固剤だ。2011年に、50年ぶりの画期的新薬として申請からわずか10カ月でスピード承認された。
「血液を固める重要な役割をするのがトロンビンという酵素の一種です。ダビガトランは、そのトロンビンの働きを邪魔することで、血液を固まりにくくし、血栓ができるのを防ぐのです。ワーファリンよりも管理がラクなうえ、その効果も心原性脳塞栓症の発症を7割近く減らすワーファリンを上回る成績を挙げることが大規模臨床試験で証明されていたのです」
■リスクを大幅抑制
その後、リバロキサバン、アピキサバンという新薬が相次いで承認された。いずれも、トロンビンより上流に位置する血液凝固因子を阻害する薬で、より強力に血液を固まりにくくする薬だ。
「これらの新薬は脳血管で働く凝固因子をそれほど抑えないので、ワーファリンと違って脳内出血のリスクを大幅に抑制することもわかりました。値段が高いことを別にすれば理想の薬といえなくはありませんが、薬である以上問題はあります。新たな3つの血液凝固抑制剤はワーファリンのように肝臓や腎臓を障害することはありませんが、腎機能が中程度以上悪い人は新薬の血中濃度が高くなって強く効き過ぎる危険性があるのです」
実際、腎機能の悪い人に出血事故が起き、2013年には日本循環器学会は透析患者を含む高度腎障害のある患者にはダビガトランを投与しないよう、呼びかけている。
糖尿病の影響で知らず知らずのうちに腎臓が悪くなっている人もいるから要注意だ。
「先に述べたように3つの新薬はワーファリンのように食べ物や栄養状態によって効果が増減することがないため、受診のたびに血液検査で効き目を確認し、そのたびに薬の量を増減する必要はありません。半面、効き目が確実にわかる検査方法もありません。飲み始めに、血液が固まるまでの時間を計るなどして、出血症状に注意する必要があります」
さらに、間質性肺炎、皮疹や出血などの副作用が2割弱に起こることがわかっている。ほとんどの人は薬を継続できるが、副作用が起きないよう、主治医とよく相談することが大切だ。
新薬は使いながら安全性を積み上げている段階の薬。医師任せにせず、自分でよく勉強して使うことだ。
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