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子宮頸(けい)がんワクチン接種後の痛みについて、難病治療研究振興財団(坂口力理事長)が、神経内科、リウマチなどの専門家が参加する研究チームを作り、症状の解明に乗り出した。患者は記憶障害、自律神経異常などの重い症状も併発している。チームは治療法確立のため、これらの症状を「HPVワクチン関連神経免疫異常(HANS)症候群」と名付けて診断基準案を作った。近く国際医学誌に発表する。
チームリーダーの西岡久寿樹(くすき)・東京医科大医学総合研究所長らが、昨年秋から今年5月まで全身に痛みが出る「線維筋痛症」と診断された20歳未満の女性患者を調べたところ、ワクチン接種後の発症者が25人に上った。さらに、患者の多くに線維筋痛症にほとんどない物忘れなどの「高次脳機能障害」が起きている可能性が示唆され、西岡所長は「ワクチン接種によって新たな病気が起きている恐れがある」と分析する。チームには順天堂大、横浜市立大、聖マリアンナ医科大など全国の大学から12人の研究者が参加。HANS症候群の診断基準案を作り、治療法確立や症状の周知を急ぐ方針だ。
厚生労働省は、ワクチン接種後に原因不明の痛みを訴える声が相次いだため、昨年6月に積極的な勧奨を一時的に中止した。ワクチンの安全性を評価する厚労省の専門家検討会は今年1月、原因について「ワクチンの成分とは考えにくく、心身の反応」との見解をまとめている。【永山悦子】
◇HPVワクチン関連神経免疫異常(HANS)症候群の診断基準案
(1)子宮頸がんワクチンを接種(接種前に異常なし)
(2)以下の症状が複数ある
・全身の痛み
・関節痛または関節炎
・慢性疲労
・ナルコレプシー(突然の眠気)
・記憶障害など
(3)以下の症状を伴う場合がある
・月経異常
・髄液異常
・自律神経異常
http://mainichi.jp/select/news/20140621k0000e040219000c.html
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