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東京女子医大 医療事故で大学幹部が創業者一族に“クーデター”〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140619-00000004-sasahi-soci
週刊朝日 2014年6月27日号より抜粋
異様としか言いようがない光景だった。
6月12日、黒のスーツを身にまとった10人の男女が厚生労働省内の記者会見室に結集し、その中央に座る男性が開口一番、言った。
「昨夜、私は東京女子医大の全理事、評議員、監事、顧問に退陣要求を送らせていただきました」
声の主は笠貫宏東京女子医大学長。会見の冒頭、最高意思決定機関である理事会に対して“宣戦布告”した。
同大は、大きく二つの組織に分けられる。医療機関としての「病院」と、学長をトップとする教育部門の「大学」だ。その両翼を束ね、経営を統括するのが理事会。現在の理事長は、創業者一族の吉岡俊正氏が務めている。
会見で、笠貫学長は全理事ら約30人の退陣要求の理由を「患者、学生、教職員の命を軽視している」「(大学幹部との)信頼関係が作られていない」などと次々に挙げ、経営の怠慢を糾弾した。すぐ横には副学長のほか、医学部長や看護部長らが勢揃い。いずれも笠貫学長を支持する教授たちで、学長の言葉に「うん、うん」と繰り返しうなずく人も。会見後、メンバーの一人は「大学側の幹部全員が揃った」と結束の固さを語った。
実は、この日に先立つ5日、医学部長らが独自に会見して、麻酔薬「プロポフォール」の不正使用を正式に認めたり、「理事会に事故調査結果の速やかな公表を求めたが、なされていない」と批判したりしていた。
つまり12日の会見は、創立114年の歴史を誇る名門医大で、創立者一族に弓を引く“クーデター”が起きたことを世に知らしめるために開かれたのだ。
騒動の発端の今年2月に起きた医療死亡事故について改めて確認したい。
首のリンパ管腫の手術を受けた2歳の男児が、手術後にプロポフォールを投与されて死亡した。この薬はマイケル・ジャクソンが使用し、死亡原因になったともいわれる劇薬だ。集中治療室(ICU)で人工呼吸器を付けている小児に使用することは禁じられ、そのことは添付文書にも明記されている。
薬剤に詳しい医学博士の狭間研至医師が言う。
「一般的に、麻酔をすると呼吸が浅くなります。手術中の使用であれば、麻酔医がそばにいて呼吸を管理することができる。しかしICUは重篤患者ばかりを集めた部屋で、医師や看護師が付きっきりで管理できるわけではありません。特に子どもに対しての安全性は海外での使用経験が少なく、確立されていないので、禁止されているのです」
男児は手術を無事に終え、ICUに入った。そこでプロポフォールを4日間投与された。男児は手術後に人工呼吸器が装着されており、体が動くことで呼吸用の管が抜けないようにするためだったという。ところが、その量は成人の基準の2.7倍。男児は副作用と思われる急性循環不全を起こし、一度も目を覚ますことなく息を引き取った。
そして事故以降、大学幹部側と、理事会・病院側との対立が一気に表面化した。理由はこうだ。
笠貫学長によると、大学幹部側は事態を重く受け止め、吉岡理事長らに公開の場で説明をするよう、繰り返し求めていたという。ところが理事長らは調査不足などを理由にこれを拒否したため、確執が高まっていった。
大学幹部側の関係者の一人が話す。
「創立者一族がトップにいても、理事たちが吉岡理事長をちゃんと支えることができていれば問題はない。ところが今の理事会は場当たり的な対応ばかりで、機能していないんです」
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