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盲腸手術に5万5000ドル「これは人生詰む」と話題に 実際どうなの? 日本は?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140529-00000001-wordleaf-pol&p=1
THE PAGE 5月29日(木)7時0分配信
米国で盲腸の手術に5万5000ドル(約560万円)も請求されたというネットの投稿がちょっとした話題となっています。米国はこれまで国民皆保険制度がなく、医療費が極めて高いといわれてきましたが、実際のところどうなのでしょうか?
■自由診療のアメリカ、オバマケア浸透には時間が必要
投稿者は、盲腸の手術で1日入院しただけなのに5万5000ドルも請求され、保険では全部をカバーできず1万ドルを自己負担する必要に迫られていると主張しています。
米国では、高齢者と低所得者層向けにはそれぞれ「メディケア」「メディケイド」と呼ばれる公的保険が完備されていますが、日本のような国民皆保険制度(全員が医療保険に加入する制度)は存在していませんでした。高額の民間医療保険に入るのを躊躇する人は多く、約5000万人(6人に1人)が保険未加入といわれていました。オバマ政権はこうした状況を改善するため、昨年10月、ほぼ全員に保険加入を義務付ける医療保険制度改革(いわゆるオバマケア)をスタートさせました。しかし、この制度が完全に浸透するまでには時間がかかりそうな状況です。
米国では基本的に病院は自由診療です。このため、高額な治療費を請求する病院もあれば、良心的な価格に抑えているところもあるなど、まさに千差万別の状況となっています。中には交渉次第で治療費を大幅に値引きする病院もあるそうです。
ちなみに、大都市など医療費が高い地域では、診察で数百ドル、入院すると1日数千ドルの請求を受けることは珍しくありません。しかし、盲腸で1日入院しただけで5万5000ドルというのは、かなり高額な部類に入るでしょう。米国には富裕層向けの高額医療サービスもたくさん存在しています。投稿者がどの程度の水準のサービスを受けたのか分かりませんから、この情報からだけでは、米国の医療費が高すぎるかどうかを判断することは難しそうです。
ちなみに、外務省のニューヨーク総領事館によると、盲腸で入院したものの、手術後腹膜炎を併発し、8日間入院してしまった患者が7万ドルを請求された事例があるそうです。もしこの金額について保険で8割しかカバーされなければ、1万4000ドル(約140万円)を自己負担しなければなりません。
■日本は保険で7割をカバー、混合診療解禁も進む
日本の一般的な公的医療保険制度では、保険でカバーされるのは7割となっていますが、一定の金額以上になった場合には、ほぼ全額がカバーされる仕組みになっています。しかし政府では、自由診療と保険診療を組み合わせた混合診療を実現できるよう、制度を改正する方向で議論を進めています。
この背景には、高齢化に伴う医療費の急増という問題があります。2011年の国民医療費の総額は38兆6000億円に達していますが、このうちの4割は税金による補助となっています。年金の維持可能性が社会問題となっていますが、実は医療保険の方が財政状況は深刻なのです。
混合診療が解禁されれば、お金のある人は、ある程度は自己負担でという流れになる可能性が高いですが、それは、中産階級以下にも拡大してくることになるでしょう。日本では病院は気軽に行けるところというイメージですが、近い将来、そうした雰囲気はなくなっているかもしれません。
(The Capital Tribune Japan)
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