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医療崩壊4を起動しました
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投稿者 管理 日時 2014 年 5 月 09 日 04:05:02:
 

医療崩壊4を起動しました

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01. 2014年5月12日 13:20:01 : nJF6kGWndY
医療崩壊だな

http://diamond.jp/articles/print/52705
【14/5/17号】 2014年5月12日 週刊ダイヤモンド編集部
病院「大リストラ時代」に突入
診療報酬改定で迫られる
医師・看護師の“民族大移動”
7対1病床を一部リストラして
「地域包括ケア病棟」の導入する動きも

 4月下旬、全国57病院を直営する地域医療機能推進機構(JCHO)の本部会議室。尾身茂理事長を筆頭に居並ぶ本部幹部勢に、グループ病院の横浜中央病院幹部たちが向き合っていた。

「6月から地域包括ケア病棟を開設します」。横浜中央の大道久院長はそう宣言すると、計画の全容を明かしていった。

 神奈川県横浜市にある横浜中央は306の病床(ベッド)を持つ急性期病院だ。急性期病院は緊急性が高かったり重症の患者に手術など高度な医療を行い、看護師をどれだけ配置しているかで、さらに分類される。横浜中央は患者7人に対して看護師を1人配置し「7対1病床」と呼ばれる、最も手厚い体制を備えるランクに属している。

 ただ、その病床利用率(稼働率)は低い。一般に稼働率8割以上が健全経営の目安だが、同病院は6割レベル。近隣に7対1病床の病院が複数あり、地域において7対1病床が供給過剰な状態に陥っている。

 起死回生策として繰り出したのが、7対1病床を一部リストラして「地域包括ケア病棟」なるものを導入するという計画だった。

 7対1病床は、質の高い医療を提供できる体制であるため、他のタイプに比べて人件費や医療機器など設備のコストが高い。その分、入院基本料は最も高額な1日1万5660円に設定されている。

 診療報酬(医療サービスに対する公定価格)は医療機関の収入に直結するもので、多くの病院がより高い収入を得ようと診療報酬の高い7対1病床を目指してきた。そのために医師だけでなく看護師の争奪戦が過熱し、看護師不足をもたらした。

 結果、7対1病床よりも1段階下回る10対1病床は右肩下がりで減少し、7対1病床は右肩上がりで増加。今や7対1病床が溢れ返り、病床全体の4割を占めている。

 7対1病床に高い診療報酬を設定した2006年当初は、国は4万床程度になると見込んでいた。ところが見る見る増加し、放置しておいたら想定をはるかに超える36万床にまで達してしまった。

 7対1病床の増加はそのまま医療費に跳ね返る。病院は収入を増やすために稼働率を上げたいから、7対1病床レベルの体制が必要のない軽症患者も受け入れる。10対1病床と7対1病床で同じ治療を行っても、7対1の方が医療費は高い。

 つまり7対1病床の急増により、余計な医療費が膨らんでいった。7対1病床に関する政策は明らかな失敗だった。

 国はついに、この4月に改定した診療報酬改定で7対1病床に大ナタを振るった。

重症患者向け病院で政策ミス
供給過剰で4分の1削減へ

 診療報酬は2年に1度の改定で価格の見直しが行われる。14年度改定で7対1病床の資格条件を厳格化し、2年間で7対1病床数の4分の1に当たる9万床分を削減する大リストラに打って出たのである。

 とはいえ、他のタイプを含めた病床の総数は大きく減らせない。超高齢社会の日本では今後、高齢者数が増えていく。当然、患者数も死亡者数も増加の一途だ。

 そこで団塊世代が75歳以上になる25年をゴールとして、医療構造を大転換する改革を掲げた。コストのかさむ7対1病床を減らした分、急性期を脱した患者、在宅で急変した患者などを受け入れる病院を増やそうというものだ。在宅で医療を受けられる体制を強化する方針も盛り込まれた。

 この改革の中で、急性期後の受け皿となり、在宅の緊急患者も受け入れる地域包括ケア病棟が創設された。横浜中央が開設を決めた、それである。

「7対1のベッドがしっかり埋まっている病院でわざわざ地域包括ケアに切り替えようなんていう経営者はいない。地域にニーズがあるのはもちろんだが、うちは今あるベッドを使い切れないから再編するんだ」と大道院長。経営的な困難を抱える中で同病院は国の政策通りにかじを切った。

「今回の診療報酬改定は急性期病院にとって全負けだ」と大手民間病院の幹部は言う。それでも、7対1病床を捨てて地域包括ケア病棟に移行すると表明した病院は目下のところ、ほとんどない。多くの病院が7対1病床の維持を希望している。

 国の政策誘導には常にアメとムチが用意される。ハードルを乗り越えて7対1病床で生き残った暁には、より手厚い診療報酬が用意される。だから外されたはしごから飛び降りるのではなく、上に掛けられたはしごを上りたがるのだ。

 7対1病床の基準の厳格化などへ対応するために与えられた猶予期間は9月末までの半年間(一部は1年間)だ。それまでに全国の病院は、経営決断と運営の再構築を迫られるが、「いずれにしても減収を覚悟している」という病院が多い。

病院看護師14万人が消える
医師・看護師に問われる覚悟

 いち早く7対1病床の一部を地域包括ケア病棟に切り替えるという再構築を決断した横浜中央が直面した最大のハードルは、人材の手当てだった。

 医師の説得、看護師の面接を重ね、ようやく地域包括ケア病棟に配置するスタッフを確保し、6月の開設にこぎ着けたという。横浜中央に「1つのモデルとなってほしい」と求める尾身理事長の言葉には、1病院にとどまらずグループの他の病院も再構築に動くという意思がのぞく。

 JCHOに限らず、全国の病院で始まるであろう再構築は経営上層部だけで完結する話ではない。現場で働く医師や看護師もリストラや異動、あるいは現場運営の大きな変化など覚悟を求められることになる。

「10月までに院内の運営体制を大きく変える。これは職員の異動を伴うものだ」。現場のリストラ策を念頭に大手病院の幹部はそう明かす。現場は病院上層部の動きをどれだけ察知しているのだろうか。

 医師限定の会員制コミュニティサイトを運営するメドピアの協力により、医師を対象に2014年度診療報酬改定の影響について4月にアンケートを実施したところ、「勤務先の収入は増えるか、減るか」という問いに最も多かった回答は43%の「分からない」。「収入に変化はない」が28%。「収入が減る」は26%にとどまった。

「勤務先の看護師数は増えるか、減るか」という問いには、「現状で足りないが、数は変わらない」(32%)という回答が最も多かった。

 アンケート結果を見ると、変化を予感している医師は多くない。しかし、7対1病床を維持するにしても、院内の職員配置は変化する。7対1病床から滑り落ちる病院では看護師が余る。国が目指す通りに改革が進むとしたら、それは医師と看護師の“民族大移動≠燻nまるということだ。

医師と看護師の人材ニーズは
どう変化しつつあるのか?

 本誌では医療コンサルティング会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)の協力により、医師と看護師の人材ニーズの変化を本邦初でシミュレーションした。

 これまで急性期や療養など病院機能のヒエラルキーにおいて7対1病床の急性期病院はトップに君臨してきた。しかし、GHCのコンサルタントである湯原淳平氏は「急性期=エースの時代は終わり、急性期、診療所、訪問看護などそれぞれの機能の中にエースを置く構造に変化する」と分析する。そして、その構造変化の中で医師や看護師の人材ニーズは「急性期で減少し、それ以外で増加する」とみている。

 特に影響が大きいのは病院で勤務する看護師だ。国が描く改革シナリオを基に25年に必要な病院勤務看護師数を試算すると、10年に比べて約14万人減少する。逆に現在3万人が従事する訪問看護師は、17万人の規模が必要になる。

 医師は、拡大が図られる地域包括ケア病棟や在宅医療で人材ニーズが増える。これらの現場では、専門領域だけでない総合的な診療が必要だ。また、診療所には「24時間対応も担える第一線の若い力」(宇都宮啓・厚生労働省医療課長)も求められる。

 医師、看護師は今いる職場で構造変化を受け止めるのか。あるいは転職、独立へ動くのか。いずれにせよ彼らの大移動がなければ、国が掲げる改革は絵空事に終わる。

診療報酬改定で病院リストラ
医師・看護師はどこへ行く?
人材ニーズの変化を初試算


 医師や看護師の“民族大移動”が始まる――。この変化をとらえて『週刊ダイヤモンド』5月17日号は「医師・看護師 大激変!」を特集しました。

 医療の公定価格である診療報酬が4月に見直されました。今回の改定で、国は重症患者向け病院(急性期病院)の大リストラを打ち出しました。対して、退院して自宅で療養する患者向けの在宅医療は拡大を推進。団塊世代が75歳以上になる2025年をゴールに据えた医療提供体制の大改革が進んでいます。

 これによって医師・看護師の人材ニーズがどう変化するのか。本邦初でシミュレーションしました。試算によると看護師の場合、病院勤務者が14万人減り、在宅医療を支える訪問看護師が新たに14万人必要になります。とりわけ重症患者向け病院で働く看護師はリストラや異動に直面していくことになります。異動、転職、あるいは独立。覚悟を求められます。

 医師にまつわるカネと権力にも異変が起きています。製薬会社から受け取る講演料など医学部教授らの副収入が細り始め、小説『白い巨塔』で有名な病院の医局ヒエラルキーにも異変がおきています。

 個々の実態を見ていくと、医師余りの東京では稼げないからと、高級住宅街で暮らす妻子を残して地方への単身赴任する医師がいる一方、地方に家族を残して東京へ出稼ぎにくる看護師がいます。人生いろいろ、働き方もいろいろです。カネ、キャリア、そして結婚。医師・看護師のリアルにとことん迫りました。

(『週刊ダイヤモンド』副編集長 臼井真粧美)


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