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オスかメスかは何によって決まるのか?
哺乳類の性は受精卵の性染色体の型で決まり、染色体にプログラムされた遺伝子発現に基づいて分化が進行します。分化の過程ではさまざまなホルモンや遺伝子が働きますが、そのようなホルモンと遺伝子の発現が性分化にどのように関わってくるのかを解説します。
オスかメスかは何によって決まるのか?
性別を決める性染色体と遺伝子
哺乳類の雌雄は、受精卵の性染色体の型で決まります。X染色体が対の場合は雌に、X染色体とY染色体の場合は雄になります。そして実際に分化を進行させるのは、遺伝子発現です。遺伝子発現とは、個体の設計図のDNAをもとにタンパク質を製造する過程のことです。
雌雄に応じた器官を作りますが、すべての細胞は同じDNAを持っているので、発現する遺伝子が同じだとすべてが同じ器官になってしまいます。そこで、発現する遺伝子を制御してそれぞれの器官を作る必要があります。その役割を担うのが、「プロモーター」とよばれるDNAの一部です。
SRY遺伝子が発現しないと雄にならない
ヒトを含む多くの哺乳動物において性分化のキーとなるのは、Y染色体が持っている「SRY遺伝子」です。これが発現すると分化は雄の方向に進み、生殖腺は精巣に分化します。ある段階で精巣からホルモンが分泌されて雄型の外部生殖器が作られます。ホルモンとは、特定の細胞に作用を伝えるメッセージのようなものです。この場合、血液を通じて外部生殖器を作れというメッセージが伝えられるのです。
雄の染色体なのに、何らかの理由でSRY遺伝子が発現しないと、外見が雌になることがあります。一方、X染色体しかない雌はSRY遺伝子が発現せず、分化は自動的に雌の方向に進み、生殖腺が卵巣に分化して、外部生殖器は雌型になります。
性行動を左右するのは脳の性ホルモン
このように、性分化は遺伝子と性ホルモンが共同で働きながら進行します。しかし、生殖器の完成で終わりではありません。雌雄には、それぞれ特有の性行動があります。これを決定するのは脳です。脳で作られるホルモンのシグナルでそれぞれの性行動を行います。
女性の生理も脳のホルモンが契機となっています。ホルモンを作るのは酵素です。酵素は体内の有機物の変換を担当します。酵素も遺伝子が発現して作られますが、どのような種類の酵素をいつ、どの程度作るかということは、ホルモン分泌制御の方法のひとつなのです。
先生からのメッセージ
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薬学部の研究範囲は非常に広く、大きく分けると化学系、物理系、生物系の3つの分野があります。私の専門は生物系で、その中でも生化学という学問です。
薬の効力を知って有効に活用するためには、体内で起こる化学変化の仕組みと意味を正しく理解することが重要です。生化学とは、DNAやタンパク質のような肉眼で見えない分子が、どのようなメカニズムで正常な生命活動、あるいは「がん」のような病気に関係するのかを調べる学問です。分子レベルでの生命現象の解明に興味を持っている意欲的なあなたを待っています。
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