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クリストファー・ライアン: 乱交は人間の動物的本能?
http://www.asyura2.com/14/idletalk41/msg/672.html
投稿者 BRIAN ENO 日時 2019 年 1 月 20 日 22:03:55: tZW9Ar4r/Y2EU QlJJQU4gRU5P
 

https://logmi.jp/business/articles/33845


性の進化論


クリストファー・ライアン氏:男性と女性がセックスをしている音を聞いたことがある人は手を挙げてください。近所の人、ホテルで、またはご両親のとか。すみません。はい、ほとんどの人の手が挙がりました。


では次に、その時男性が女性よりも声を上げているのを聞いたことがある人は? はい、あそこに男性がひとり手を挙げています。すみません、手を挙げているあなた。もし声を上げていたのがあなただったら、その挙手は無効ですからね(笑)。


(会場笑)


あ、彼の手が下がりました。そして女性がひとり手を挙げていますね。今のセックス中に大声を出す彼の隣に座っているあなたです。


では、今手を挙げてもらったことで何がわかりますか? 人間はセックスをする時に音を立て、そして大抵女性のほうが男性よりも声が大きいということです。これは女性の性交発声と呼ばれています。


これについて触れる予定はなかったのですが、今日はメグ・ライアンさんが来場していると聞きました。彼女は世界中で最も知られる女性の性交発声者です。なので後で、これについてもう少し触れたいと思います。


これまでの進化論


まず最初に、人間は猿から進化したとよく言われますがそうではありません。私たちは文字通り猿です。アフリカゾウとインドゾウの種族的な関連性よりも、私たち人間とチンパンジーやボノボの関連性のほうが強いのです。


チンパンジーやボノボとゴリラやオラウータンとの種族的な近さよりも、人間とチンパンジーやボノボのほうがよっぽど近いのです。人間とチンパンジーやボノボはとても近い、これが行動の類似にも表れています。


今日皆さんと一緒に考えてみたいのは、セクシャリティの観点において、私たち人間はどんな猿なのかということです。人間の性の進化については、ダーウィンの時代からこれまでずっと一般的な説が有名です。専門家ではない皆さんもよく知っている説だと思います。


要は、人類始まりの時代より続く人間の摂理として、男性は女性にものやサービスを提供して、その生殖可能性を拝借しようとしてきたということです。


男性が提供してきたのは一般に、肉、住処、ステータス、身の安全等です。それと引き換えに、女性はそれを提供してくれる男性に体を任せ、貞節を守る。この摂理によって男性と女性の間に敵対的関係が生まれた、そして二つの性の間の争いは私たちのDNAに組み込まれている、というのが現状で世に知られている性説です。


全てが共有される世界


私と(『性の進化論――女性のオルガスムは、なぜ霊長類にだけ発達したか?』共著の)カシルダは、それは違う、この男女間の経済的で敵対する関係性は約10,000 年前から始まった農業の副産物だと考えます。


農業が始まる前、人間は狩猟採集民のグループであり、人類学者が呼ぶところの獰猛な平等主義が広まっていたのです。彼らはすべてを共有しただけではなく、すべてを共有することをお互いに課したのです。


肉、住居、身の安全などのすべては女性の貞操と交換出来るものと考えられていました。つまり皆で女性たちを共有していた。私はなにも私たちの祖先が高貴な野蛮人であった、または近代の狩猟採集民族が高貴な野蛮人であると言っているわけではありません。


私が言いたいのは、狩猟採集で生きていく世界において、これがリスクを軽減する為のベストな方法であるということです。カシルダと私はこのすべてを共有するという行動を、セクシャリティの側面まで広げて展開しました。


農業が始まるまで、人類の性のあり方は複雑でフレキシブルな社会のシステム、ネットワークを確立し保持する方法として進化してきた、そして私たちの祖先はそれをとても上手くやったのでここまで存続することが出来たのだと私たちは論じています。


私たちの祖先は乱交をしていたと私は主張しますが、だからと言って、彼らが見ず知らずの人ともセックスをしていたとは言っていません。当時の社会に見ず知らずの他人などいなかったのですから。そうでしょう? 狩猟採集をしながら生きていく社会的集団の中に、見ず知らずのよそ者がいるわけがありません。その社会で生きていれば、その中で生活するすべての人々を知っているわけです。


複数人と同時にセックスをする間柄になる


つまり私は、その社会の中で私たちの祖先は常に複数の異性とセックスをしていたのであろうと主張します。


しかし、彼らは行きずりの見ず知らずの人とセックスをしていたと指摘している訳ではありません。愛していない複数の相手とセックスをしていたと言うつもりもありません。当時、お互いとしか付き合わないというカップルが成立しなかった、と言っている訳でもありません。私のポイントは、当時は性がオープンであったと言いたいのです。


例えば私の両親は52年間、一夫一婦制を守ってきました。もしそうでないのであれば、父さん、母さん、私に決してそのことを分からせないでください。一夫一婦性以外の関係性を批判しているわけではありません。私たちの祖先が性的に淫奔だったことを、一夫一婦制の観点から批判することは、 私たちの祖先は雑食だったことをベジタリアンが批判するのと同じようなことです。


ベジタリアンになろうと決めることはできますが、そうなると決めたからといって、ベーコンの良い香りに惹かれなくなるわけではないですよね? これが私の言いたいことです。


(会場笑)


常にセックスすることが出来る人間の女性


チャールズ・ダーウィンは天才であり、素晴らしい人であり、素晴らしい夫、そして素晴らしい父親であると同時に、ヴィクトリア時代並の潔癖さを持っていました。


彼は、チンパンジーやボノボ等の霊長類の性器の腫れ上がりに困惑しました。なぜならメスの性器の腫れが、性的にオスを引き寄せる傾向にあったからです。なぜメスはこのように性器を膨らますのだろう? メスとオスがつがいのペアになるのであればこんなことにはならないはずだ、とダーウィンは当惑したのです。


ダーウィンは知らなかったことですが、チンパンジーやボノボのメスは、性器が膨れ上がっている時には一日に最高で12頭のオスと一回から四回の交尾をします。


興味深いことに、チンパンジーのメスは生殖可能な生涯の時間の約40%、ずっと性器が膨れ上がっています。ボノボのその時間は90%です。人間の女性はこの地球上で生理中であれ、閉経後であれ、妊娠中であれ性交可能な、唯一の種です。これは哺乳類において、ものすごく希少です。これは人間のセクシャリティにおいて興味深い側面であります。


S1

ダーウィンは当時彼の生きていた世界で、人間の女性の性的アピールが霊長類のメスのアピールと似ていたことを見落としました。科学者にはたまにそういうことがあるのです。


(会場笑)


人間は生涯に1000回セックスをする


つまりどういうことかというと、精子の競争です。人類の平均を見てみると、一回の射精で3億の精子が放出されます。これだけあれば既に競争率が高い訳ですが、競争するのが自分自身の精子同士の競争なのか、他の男性の精子とも競争しなくてはならないのかというのがポイントです。


S2

この図についてはたくさんの議論がなされてきました。まず初めに、チンパンジー、ボノボのメスと人間の女性の頭の上についている音符マークは、女性の性交発声があることを示しています。数字を見てください。人間は平均して生涯に1000回のセックスをすると言われています。「そんなに多く……!?」「たったそれだけか」と思っている人がこの会場の中に同居しているのは確実です。


(会場笑)


その人間の数字はチンパンジーやボノボも同じです。他の三種の霊長類、より典型的な哺乳類に近いゴリラ、オラウータン、テナガザルは、生涯に12回ほどしか性行為がありません。人間とボノボだけが、お互いの顔を見ながら性行為をする唯一の種族です。


(会場笑)


そして人間、チンパンジー、ボノボは陰嚢が体の外についている唯一の種です。私たちはこのことを本の中で「ガレージの中にビール専用の冷蔵庫を置いているのと同じようなものだ」と例えています。


(会場笑)


ガレージの中にビール専用冷蔵庫を置いているということは、いつでもパーティが出来るように準備万端であるということですよね。これが外についている陰嚢と全く同じ原理です。体の外についている陰嚢は、頻繁に射精をする為に精子の温度を低く保つという働きをします。本当ですよ。


(会場笑)


皆さんの中には喜ばれる方もいらっしゃるかもしれませんが、人間は霊長類の中でもっとも大きく太いペニスを持っています。これは解剖学以上のことを示しています。人類学的、歴史的記録にも世界中に私たちが性的に当たり前だと思っていること以外のことをしている人々が存在します。


複数のセックスパートナーを持つことが当たり前の世界


S3

彼女たちは中国南西のムスオという部族の人で、彼らの社会では男女関係なく、すべての人が完全に性的に自立しています。セックスに恥という概念が存在しません。女性たちは何人ものセックスパートナーとセックスをしています。誰も気にしませんし、陰口や噂話にもなりません。それは全く問題とならないのです。


その社会の中で女性が妊娠すると、その子供は母親、母親の姉妹、兄弟によって育てられ、父親が誰かということは問題になりません。


地球の反対側、アマゾンの中には人類学者が呼ぶところの「複数の父親(partible paternity)」制度がある部族がいます。この文化はその土地で自然と発生したものですが、彼らはたくさんの精子の寄せ集めによって子宮に子が宿ると信じています。


その文化が意図的に伝達された様子はありません。つまり、女性が賢く、面白く、強い子供が欲しいと願う時、彼女は賢い男、面白い男、強い男、彼らそれぞれから彼らの望ましいところを自分の子供に引き継がせる為に、彼らとたくさんのセックスをします。


彼女の子供が生まれると、彼女とセックスをした男たちは皆がそれぞれ進んで彼女の子供の父親であることを認めます。つまりその社会の中では、子供の父親として複数の男性が協力しあう、子供に対する責任をシェアするというシステムが出来ているのです。


性の多様性を受け入れる


ここまでお話してきたことがなぜ重要なのでしょうか? エドワード・ウィルソンは、人間のセックスとは、その二人の関係を深めることが第一の目的であり、生殖は二の次だと言っています。 私もそう思います。今話をしたことが重要なのは、現代社会の様々な側面において、発展を遂げてきた私たちの性が葛藤を起こしているからです。


そう感じるべきであると教えられてきたことと、実際に自分が感じる感情が相違することで、不必要な苦しみが世に溢れています。私の願いは、より正確で最新な人間の性の理解により、私たち自身、そしてお互いに優しくなり、同性愛婚や複数愛の関係をつくっている人々の意思を尊重できるように社会がなることです。


そうすることによって、男性が生まれながらに女性の性を監視しコントロールする権利を持つ、という考え方がなくなっていくと思います。


(会場拍手)


ありがとうございます。 ゲイの人たちだけが「カミングアウト」をする必要がある訳ではありません。どんな人にも自分の性について「カミングアウト」することがあると思います。


そして自分に正直になり、「これが自分だ」とカミングアウトする時、私たちの戦いは人間社会でお互いにやりあうことではない、本当に戦うべきは「〜であるべき」という、相手に対する所有権が生まれてしまうような、恥や混乱する気持ちを招く古い性の解釈であることに気がつくことでしょう。


「火星」から来た男、「金星」から来た女という考え方はもうやめましょう。なぜなら、男も女もアフリカから発生したのですから。ありがとうございました。


『性の進化論――女性のオルガスムは、なぜ霊長類にだけ発達したか?』 amazonへ


<続きは近日公開>



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Published at 2015.01.27


参照リンク



乱交は人間の動物的本能?


https://www.youtube.com/watch?v=LJhklPJz9U8


 

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