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≪妊娠がセンターの成長を促す≫
・妊婦の身体はホルモン(特に黄体ホルモン)の影響もあり、筋骨格系が弛緩し、内蔵の配置も変化する。脱力が進み、自分の全身体と子宮を筆者の言う“質重量体(脱力体とも言う)”として身体意識化する過程が進行するのである。妊婦がドテッとユッタリ、グッタリして見えるのは、このためである。この“質重量体化”した状態は、優れた内容のセンターが発生する最適条件なのである。
妊婦のこうした『ゆる+統一棒』状態すなわち「脱力統一体」は、一種の達人状態に近いとも言える。
女性は妊娠をすることで、人類史上の天才、名人になる。
妊婦は、その天才性を、全て“子を宿す”点に絞って使い切っているのである。妊婦とは、本物の達人である。妊婦とは大天才である。
≪人間はゆれると何故ゆるむのか≫
それは、人間には“心”があるからである。人間の心と身体の間には、心がゆるむと身体がゆるむという関係がある。実は、ゆすってもそれに対して心がゆるまない限り身体はゆれることがない。ゆすることに心が抵抗してしまえば、ゆすれば益々固まるのである。ここに…人間の絶妙な秘密がある。
ゆするとゆれること自体が、人間の場合“心の作用”なのである。心のゆるみによってゆれる身体は、同時に心のゆるみを更に増幅する。
身体は心がゆるむ度合に正に応じてゆるむのである。
≪ゆする、ゆれる、ゆるむ≫
今をさかのぼる30有余年前、一つの関係に気付いていた。それは、優れた人物はゆるんでいる。或いはゆるむと人は優れる、という関係である。双葉山、アインシュタイン、モハメド・アリ、ジャック・ニクラウス、そして宮本武蔵の肖像画は、一様に皆ゆるんでいたのである。ゆるゆるに深いゆるみの中にいたのである。合気道の植芝盛平、塩田剛三、大東琉の佐川幸義、空手の大山倍達…といった人々もまた、皆一様に、常にあらゆる瞬間に、いつ何時でも絶妙微妙に身体がゆれて、ゆるんでいることに気付いたのである。
この“ゆれ”は、アインシュタイン、佐川幸義クラスになると、細胞の運動を超え、更に分子、原子の運動と共振していることにも気付いた筆者は、この“ゆれ”と“ゆるみ”の関係にこそリラクゼーションの本質があると、確信したのである。
【出典】「極意と人間」高岡英夫/BABジャパン 2K年
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