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安冨歩さんトークショー「マイケルジャクソンの思想」より
https://www.youtube.com/watch?v=5d1ihDz3MB8
言葉を文字に書き起こしたもの。以下。
若干読みやすいものに書き直しています。
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マイケルジャクソンの言葉(ショー映像の言葉)より
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「都市部の犯罪から大規模な戦争やテロリズム、犯罪者で溢れる刑務所に至るまで、
われわれの世界の今日の諸問題の多くは、子供から、子供時代が奪い取られてる
という事実の結果だと私は認識しています。
子供の心に宿る魔法、奇跡、神秘、イノセンスといったものは、
創造性の種子であり、それが世界を癒すのです。」
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ここから司会の安富氏の言葉
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世界を壊すのは誰か。
それは壊れた大人です。
魂を病んでしまった大人たち、特に私は東京大学というところに居て感じるんですけれども、そういうエリートたちを養成する場所に集まっている人間というのは、魂が深く傷ついてしまっています。
(そもそも)魂が豊かな子供は、受験勉強をずっと続けて、東京大学とか、そいうところに合格するぐらいまでに青春とかを犠牲にして勉強し続けるなんてことはできないんですね。
そういうことができるということは、それはそもそも魂のどこかが傷ついている。
特に自分自身が不安である、劣等感がある、それを乗り越えようとする努力でそういうところにきてしまうんですけれども、その到達する過程でさらに深く傷ついて、まるでその傷の深さが、大学入試試験で測られるかのようにして人が集まってきます。
そういう人たちがエリートとなってわれわれの世界を指導するんですが、そうすると世界を壊してしまう。人々を傷つけてしまう。そういうことを無意識のうちにやってしまいます。
だから、魂が壊れた大人たちが世界を壊している。
マイケルはそう考えたんだと思います。
そしてその大人たちは、教育だとか様々なことを通じて子供たちの心を壊してしまいます。
そうするとまた、新しく魂の傷ついた”(心の)壊れた”子供が生まれてくる。
そしてそれが大人になると傷ついた大人になってしまう。そうしてまた子供を傷つける。
こうした悪循環が続いて、そうやって生まれてきた大人たちが、社会や世界を壊している。
彼(マイケルジャクソン)自身が子供時代を奪い取られたために彼自身も傷ついた大人になってしまった。
それをどうやったら守ったらいいのかと考えたときに、子供の魂を守るしかないと彼は決めたのだと思います。
世界を破壊している大人たちの魂を癒すのは難しいけれども、まだ傷ついてない子供たちの魂を守ることは可能だ。
だから「子供たちを守らなくては」、そうマイケルは考えたんだと思います。それは彼の「”世界を救うための戦略”」なんだと思います。
そしてマイケルはそのためにどうしたらいいのかを考えました。
彼は『Heal The World Foundation』という曲を作って慈善活動をもしてましたけれども、そうした直接的な活動も非常にに大きな意味を持ちました。
<中略>
世の中は、その様々な人間を機能させるために(本来の)人間(というもの)を壊してしまいます。
そうして自分自身の魂の動きだとか、自分自身の感覚に従って動くのではなくて、命令だとか決まりに従って作動する人間を造りだそうとするんですね。
人間は歯車の機械の一部になってしまっていて、人間じゃなくなってしまっているんじゃないか。
教育だとか、家庭内のしつけであるとか、そういうものを通じて子供の魂が破壊されて機械の一部になってしまうような、スムーズに作動するだけのようなロボットようになってしまっている。
例えば(機械の)歯車の間を自分の意思を持って(部品が)動こうとしたら、その歯車は詰まって機能しなくなってしまう。
マイケルの作品で「Smooth JAM」という作品は、歯車の中をスムースに動かすロボットになってしまうんじゃなくて、一人の人間としての魂を取り戻して、この近代という機械を止めてしまえ、そういう事を彼は言っているんだと私は思っています。
そうすると世界を破壊する装置は動かなくなる。
次に「Cry」という曲があるのですが、曲の中で『盲(めし)いたものは輝きを見るのだろうか』という問いかけが出てきます。これはおそらく『盲しいたもの』というのはおそらく聖書の逸話を引用していて、キリスト教っていうものをローマ世界に広めたパウロ(サウル)という使徒がいるんですけれども、彼は生前にイエスに会ったことがないんですね。
自身がユダヤ教徒でキリスト教徒に対して暴力行為を働く人物でした。
それがある日雷に打たれたようなショックを受けて、突然目がみえなくなってしまうんですね。
それで近くに居たキリスト教徒の人がその彼を助けてある治療をするとその目からウロコのようなものがポロッととれた。
それで光をもう一度見て彼は使徒となる。
そこでサウルという名前からパウロという名前に変わるんですが、そのときに『サウル、サウル、なぜおもえは私を虐げるのか』というイエスの声を聞いたといわれています。
この聖書の逸話を踏まえて、そのようにマイケルは真実から目をそらしてしまうように仕向けられた人々、つまり魂を傷つけられてSmoothなロボットとして作動するような人間、そういった人々か本当のメッセージを取り戻して真実を見る日は来るのか、ということを問いかけています。
どうやったら目からウロコが取れるのか、というのがこの曲のテーマですが、それはタイトルに書かれていて、「Cry=泣け」ということなんですね。
それでいくつか歌詞の中に『真実は語られず、空虚な物語が語られる』とか、『人々は悲しいときに笑う』って言葉が出てきます。
どうして悲しいとき笑うのかって言うと、それは魂が傷つけられてしまって何も感じなくなっているからですね。
何も感じなくなってる人は、真実が表現される痛み、悲しみ、そういうものから目を背けようとします。
何故なら、痛みや悲しみを感じると、さっきの歯車をSmoothに動くことができないからです。
だから痛みや悲しみを感じないようにしているので、悲しいとき辛いときに笑ってしまうんです。
そのような人がその本来の感覚を取り戻すには、『痛いこと、悲しいことがあったときには泣けばいいんだ」というのがこの曲のメッセージだと思います。
そしてですね、人々が一斉に泣いたとき、
悲しみ、痛みを感じたときに一緒に(人々が)一斉に泣いたときに、世界は変わる
っていう風に歌っていますが、おそらくこの曲は何のために書かれたのかというと、マイケルジャクソン自身のためのレクイエムだと思います。
なぜならこの曲のPVには彼自身が映っていないんですね。その代わりに彼のファンである人々が手をつないで空を眺める姿が映っています。
マイケルが自らの死によって人々が彼の死を嘆き悲しんで涙を流すときに世界が変わり始めるんだと信じていたんだと私は思います。
私たちはもちろん、ひとりひとりは世界を変える力を持っていません。しかし私たち自身が世界の一部なんですね。
だから私たちが自身の魂を回復するということが世界を変えるためのもっとも有効な方法なんです。
私たちが心のかさぶたを作り出してSmoothに作動する機械になっていると、社会はそのまま作動し続けて地球は崩壊します。
それをとめる方法はその作動を止めることではなくて、その作動を破壊しようとすることでもなくて、それぞれが世界の一部である自身を回復させることが世界を癒すことであり、そうすることが子供たちに対する暴力を押し留める唯一の方法なんです。
大人たち自身が暴力にさらされていてそれを我慢している間に無意識のうちに子供たちに対して暴力を働いてしまうんです。
ですから子供たちを暴力から守る唯一の方法は「自分自身を暴力的な作動から引き離す」ことだけなんですね。
そのためのもっとも有効な方法が泣く(Cry)。
だから悲しいときがあれば泣くこと。
そして『ロストチルドレン』という曲について、行方不明になってしまった子供についての歌があのます。
彼は実際行方不明になっていた子供たちを救うための活動をしていましたが、彼が指摘しているのは私たち傷ついた大人たちが実はその行方不明になってしまった子供たちではないのか。
自分自身から、行方不明になってしまっているのではないか。
特に子供時代にいろんなことを我慢して心の中が傷ついてしまって自分を見失っている。
自分の中にある子供を見失ってしまった大人なんじゃないか。
そして彼はそのすべての『自分を見失ってしまった大人』が、再び自分を取り戻して「自分の家」に帰ってくる。ということが起きるとき、世界は変わるんだという風にこの曲の中で歌っています。
これは最後にマイケルが作ったアルバムで、非常に重要なメッセージがいっぱい詰まっているんですけれども、あまりにもメッセージが強烈だったために生前はあまり売れませんでした。
で、私も最初いろんな作品を聞いてる中で、『Invincible』はどうしてもよく理解できず聴けなかったんですが、そのアルバムの中にはものすごく強烈なメッセージが含まれている、大変な作品だと思うようになりました。
もう一度彼の思想というものをまとめるとつまり、世界は魂が傷ついて成長した大人たち、
善意でやっているかもしれないし意識していないかもしれないけれども、その魂が傷ついていることによって起きてしまう無意識の暴力、それによって世界がスムーズに作動する。
そしてそのスムーズな作動によって世界がどんどん破壊されていると考えました。
彼は『This Is It』の中で、4年以内にその作動を止めてみせると言いましたが、止める方法は一人ひとりが『JAM(交通渋滞といった意味)』することです。
歯車の中をスムーズに流れるのではなくって、自分自身を取り戻して歯車を止めてしまうことによって、暴走列車が止まると考えていたと思います。
そのためには私たち自身が、ひとりひとりが、自分自身の心の中の作動を回復しないといけない。
そのためには泣く、痛いとき、悲しいとき、辛いときには泣く。
そうすることによって私たちの瞼から、パウロの目からウロコが落ちたようにして、『真実』と出会うことができる。
その真実と言うのは愛だと思いますが、その愛によって世界は癒される。
そうして初めて子供たちは守られるし、子供たちが守られることによってようやく、
『傷ついていない、世界を破壊しない大人』が生まれてくるときに、世界は暴走をやめる、という風に彼は信じたと思います。
これが私の考える『マイケルジャクソン革命』です。
その方法以外では、私は世界は救われないという風に思っています。
以上長くなりましたけれども、どうもありがとうございました。
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ここまで。
ひとつのとある思想(物事への解釈)として紹介したい。
そしてその解釈にただ感動しておしまい、ということではなく、それを知ったらそこでどうするか、では何をするかの具体的な行動指針を次にわれわれは必要とするのである。
ともかく、彼ら(安富氏も含めて)の業績は大きく、われわれもまたそうして発信するということがまずは大事なことなのだろう。
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