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スイスの銀行が暴露した顧客の資産隠しの手口 WSJ
http://www.asyura2.com/14/idletalk41/msg/367.html
投稿者 Air−Real 日時 2016 年 5 月 27 日 01:50:09: dsfJ1hAY0z6VI gmCCiYKSgXyCcYKFgoGCjA
 

(回答先: パナマ文書でリークされた企業や個人はいかに国家というものを信頼していないかよくわかる。 投稿者 Air−Real 日時 2016 年 4 月 14 日 00:04:33)

http://jp.wsj.com/articles/SB11130368917055384376704581310893626426986
http://blog.goo.ne.jp/maccn99/e/0ba0cd5c99f3bae299dccc2f12e8f426(同内容)

スイスの銀行が暴露した顧客の資産隠しの手口

By LAURA SAUNDERS
2015 年 10 月 23 日 19:45 JST

 スイスには追跡不能なデビットカードにお金をため込む銀行があった。別の銀行では、現金を移転したい顧客が「いくつか音楽をダウンロードしてくれないか」などの暗号文を送っていた。さらにスイスフランを金(ゴールド)に換え、それを親戚の貸金庫に保管してくれる銀行もあった。

 スイスにある多くの銀行は今年、国外に資産を隠す方法をどのように米国の顧客に勧めたかについて、秘密を暴露しました。これは情報提供を受ける見返りに銀行の告発を見送るという、米司法省の取り組みの成果です。また、申告されていない外国銀行口座を取り締まる米国政府の広範な取り組みの成果でもあり、UBSグループなどスイスの大手行がそれに応じてきました。ただ、こうした行為に関与したのは大半がほとんど知られていない企業で、罰金も比較的少額だったため、さほど注目を集めてこなかったのです。

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)はスイスの銀行が関わった40件以上にわたる司法省の和解文書を精査しました。ここから、外国企業の租税回避技術や顧客の口座を隠し続ける数え切れないほどの方法について、貴重な情報を入手することができました。こうしたサービス提供に関与したのは国際的な銀行から住宅ローンを専門とする小さな町の金融機関まで及び、米国と関わりのある口座数は合計で1万口以上、金額で100億ドル(約1兆2100億円)以上に達することが分かりました。

 不正行為を認めた金融機関は、刑事告発を避けるために合計3億6000万ドル以上の罰金や和解金を支払いました。弁護士やスイスの銀行は、今回の取り組みで40以上の金融機関が現在も司法省と交渉中だと推測しています。未申告の口座を持っていた5万4000人以上の納税者は、和解して刑事告発を回避するため、米内国歳入庁(IRS)に合計80億ドル以上を支払ったのです。

 以下に紹介するスイス金融機関のやり方は、署名入りの和解文書に詳細に記されていたものです。ここでは2008年までさかのぼって不正行為が明らかにされたのですが、そのうちのいくつかは数十年前に行われたものです。

 金融機関の大半は、数人の従業員しか知らない数字やコードネームを使った口座を顧客に提供したとしています。また、金融機関は米国宛ての郵便物を保管しましたが、これは米政府が調査に乗り出す可能性を恐れた顧客を安心させることも目的だったのです。郵便物の保管手数料について、ある銀行の顧客は同行のマネジャーに「あなたとの取引は(米)当局の目にとまった時のための安い保険だった」と話したといいます。

 リヒテンシュタインや英領バージン諸島、パナマなどタックスヘイブン(租税回避地)に設立された見せかけの信託や基金を使い、米国の納税者が口座を保有していることを厳重に包み隠すのを手助けした銀行も多いのです。

 米国の顧客がいつでも資金にアクセスできるように、一部の銀行は追跡が困難なプリペイド式のデビットカードを発行しました。南スイスのルガーノにあるBSIは、現金が必要になった顧客の一部が「まだガソリンタンクは空のままだ」といった暗号文を電子メールで送ってきたと明らかにしました。

 金融機関は米国のマネーロンダリング(資金洗浄)規制を恐れる顧客にも便宜を図っていました。この規制では1万ドル以上の資金移動が調査対象となります。地方銀行のサン・ガラー・カントナルバンクは米国の顧客9人に対し、1万ドル未満の引き出しを繰り返させ、合計300万ドルの引き出しを認めたと述べています。

 同行は2009年、ある顧客が100万スイスフラン(現在の為替レートで1億2400万円)の入った口座を閉鎖し、そのうちの40万スイスフランで金を購入することを認めました。その金と余った現金は、顧客の米国人でない親戚が持つ貸金庫に収められたといいます。銀行の多くは、米当局から圧力をかけられたスイスの大手行から逃げ出す顧客の口座を引き受けてきたのです。

 UBSが刑事責任を問われる可能性に直面した2008年、チューリッヒを本拠とするミグロバンクは米国の顧客との取引について検討するワーキンググループを招集しました。同行はそれについて、拡大させる価値のある収益性の高いビジネスだと判断しました。

 2009年から10年にかけ、ミグロバンクは米国人の口座75口以上を開設しましたが、その多くがスイスの大手行から流れてきたものでした。ある幹部は2010年の後半、同行はスイス人顧客が大半を占める中堅行であるため、「米当局からにらまれる」ことはないだろうと話していました。

 スイスの銀行に対する米国の追跡が広がるなか、ミグロバンクは2012年春までに米内国歳入庁に口座申告するよう米国人顧客に促すようになりました。それと同時に、同行は米国人の顧客が内国歳入庁に見つからないよう預金を引き出したり移転させたりするのを認めました。ここにはスイスの他行の秘密口座に資産を移すことが含まれていました。

 金融機関が口座情報を開示するなどの措置を取ったり、顧客が内国歳入庁に口座申告したのを証明したりすれば、刑を軽くすることができます。個人の顧客に課される罰金は、最大で口座資産の半分に達することがあります。

 UBSは2009年に不正行為を認め、米当局から訴追を見送ってもらう見返りに7億8000万ドルを支払いました。クレディ・スイス・グループは14年に刑事訴追で有罪を認め、26億ドルを支払うことに同意したのです。
 

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