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河口慧海が強く惹かれたのは、日本の神代を思わせる色白で気高く美しいシッキム地方の娘たち
http://www.asyura2.com/14/idletalk41/msg/267.html
投稿者 藪素人 日時 2015 年 11 月 12 日 19:50:44: BhHpEHNtX5sU2
 


雪山歌旅行(初編)
〜わが国神代人を見る
 カンドンという山村に着く。山家に珍しき半西洋、半シッキム風の家屋ありて、家のあたり黄金の木に実林にうずもれたるも心にくし。見ればわが国の神社の如き草葺の屋根には、ゆかしき千木のあるさえ思い出の種になるに、ここに住む人々はまことに単純なる白き布を身にまといて、首には曲玉の飾りに似たるをかけて腰に一ふりの山刀ささげたるに、その容貌を見れば、色妙に鼻筋とおりて、わが国神代人の絵巻物の生きたる相貌を見る心地ぞせらる。

〜シャクンターラ姫
 また下りて行くに道傍の草原を見れば、四、五の牛子牛の草くらいつ、その間にガンダルパの娘なるらんシッキム風の白衣の薄鼠色にかわれるを身にまとい、同じ色の白布を玉だすきにして、羽衣様にかけて風にちれるを見る。あまりのゆかしさに、よく見れば瓜実顔に色あくまで白く、装飾なけれども自らなる美貌は、そのかみのシャクターラ姫かとも思わる。元来雪山に住む人々は、何れもわが国の人々に似たる相なるに、わけてシッキム人中の原人モンバ族は、わが国の貴族の相貌あるもの多く、この娘もただの牛牧女とは見えず。ある貴族の姫君が戯れに神代の山姫の衣をつけて牛を追うかとも思わる。
 もしわれにして、美貌に白骨を観ずる修行地の者にあらざりせば、彼のシャクターラ姫を娶りし如く、われもそのあとをおいて雪山におわりしならん。

〜雪山の佳人
 ジクチ村は、シッキム風の建物なれども小さきもののみ。されども、ここにて驚かされたるは美しき女の紅き襦袢に白き上衣をつけて、胸には珊瑚の首飾りをかけたる、年は17、8のあでやかにつやつやしきが、われら一行を見て微笑みたるにぞありける。彼女がラーマの来ませりと思えるによるか、われはこの巧みに飾りて口紅さえさしたる美人を見て、昨日見し牛牧娘のけだかく美しきを思い出しぬ。わが神代風なるゆえにあらんか。
 彼女の後より顔を出して珍しげにわれを見るは8,9歳の少女にて、彼女の妹にやあらん。その面影の愛らしくも似たる、さながらかむろが遊君に従える様ぞする。

【出所】河口慧海「第二回チベット旅行記」講談社文庫’93年  

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コメント
 
1. 藪素人 2015年11月13日 19:28:46 : BhHpEHNtX5sU2 : Ddmk3NYWkG
雪山歌旅行(初編)
〜乙女の熱き情を想う
 またやや広き谷間の平地に出ず。芝生あり麦畑あり、いせぶき一のシッキム形の草屋あり。内より若き女の出て来て応答しぬ。見ればこれまたシッキム風、いな、日本流の美人なりけり。さてさてシッキムは美人多き国なりけり。かかればこそ遠き蒙古、満州の僧侶の、この国に来れる者の多くが、かかる美人の情に捕えられて、一生を空しく過ごすなれ。
 われ知る蒙満の僧侶数人ありて、彼らは婦人や子供の愛情にほだされて、故郷に帰ること能わず。仏道を修ることは毫も成し得ず。まことに悲しむべきことなりと思いぬ。

〜雪山の少女
 足音のするを見れば、坂の下より雪山少女の、あくまでも色白きが、頬に桜の花の色紅かく、例のシッキム風、いな神代風の白衣をつけ、手に太い縄を持ち、腰には山刀のふさわしきを掲げたり。さながら小さな神宮皇后を見る。彼女は山中に芝刈りにと行くなり。
 われかの雪山名を問い、さし示せば、彼女はその妙観を眺めながら、かの真美に打たれしか、茫然として我を忘れて、かの雪山を融入りせるが如し。
 その無心の美容妙相は、真に気高くして尊く、また厳として神気の人に迫るものあり。この時、われはこの好画題を名手の画家に画かしめざるを憾みとせり。
 また彼女に雪山の名を問えば、紅蓮の花ほころび開くが如き微笑をもらして、妾は知らずと大声に答えて、忽然走り去りぬ。水流の如く、雲の馳せ去る如くに、山中にかけ入りにけり。
【出所】同じ


2. 藪素人 2015年11月15日 12:51:40 : BhHpEHNtX5sU2 : zpruzOB1us
 慧海が第二回チベット入りしたのが、1913〜5年。
 川喜多二郎が慧海の跡を辿ってチベット入りしたのが1953年。
 シッキムの乙女について、「このあたりの描写が、誇張ではなく、リアリズムそのもの」とした。
 さらに半世紀余の今日、生活様式は変わろうともシッキムの女性たちは、色白で気高く美しいと思われる。

 拙者この地に生まれたかったのー。来世でもええがな。


3. 2015年12月16日 21:57:14 : EPWNEsv2dk : 5ixDFznx7f8[5]
シッキムが、ズバリ日本民族の発祥ではないかという論文を書いた
安田博士は、馬鹿だ●00だと学会から袋叩きにあって完全に
抹殺されたが、その後ブータン国王夫妻から招待されてもいる。
日本の皇室とはきわめて親交があると言ふらしい。最近もお越しになったが。
民族のルーツなどということは、触れてはいけないタブーなんだと思う。

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