02. 2015年1月16日 21:49:12
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コラム:スイス中銀の敗北、ECBとギリシャでの「大波乱」暗示か 2015年 01月 16日 15:01 JST James Saft[15日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行、SNB)が市場に屈したことは、22日の欧州中央銀行(ECB)理事会と25日のギリシャ総選挙が大きな波乱をもたらす可能性を示している。 SNBは突如としてユーロに対するスイスフランEURCHF=EBSの上限を撤廃した。これは、上記2つのイベントのどちらかが不首尾に終わればSNBが泥沼に引きずり込まれかねないという、血も凍るような恐怖感の表れだ。 今回の行動はまた、中央銀行の力の限界を教えてもいる。デフレと市場、双方との闘いにおける限界だ。国外におけるスイス中銀の信認に悪影響が及ぶかもしれない。 SNBは3年にわたり、フランの対ユーロ相場に1ユーロ=1.2フランの上限を設け、無制限の市場介入を続けてきた。15日にそれを解除したことで、フランは一時30%も急騰し、一日の終わりには約15%高となった。 SNBは今週、ユーロに対するフランのペッグは金融政策の要だと表明したばかりにもかかわらず、突如として手の平を返した。併せて中銀預金金利をマイナス0.25%からマイナス0.75%に引き下げた。 SNBによれば、利下げは「フラン上限の撤廃が金融環境の不当な引き締めにつながるのを防ぐ」のが狙い。人の腹を銃で撃っておいて、ひじに絆創膏を貼って出血を抑えようとするようなものだ。 22日のECB理事会の直前にこうした措置を実施したのは意外ではない。ECBはこの日に量的緩和を発表すると予想されており、それが成功すればユーロは下落する可能性がある。 その3日後にはギリシャ総選挙が控えている。総選挙では、債務問題をめぐり他のユーロ圏諸国と対立しかねない政権が復活する可能性がある。 シティグループの外為ストラテジスト、スティーブン・イングランダー氏はSNBの措置について顧客向けリポートで、これら2つのイベントに絡むスイスへの資金流入を想定したものかもしれない、と指摘している。 「彼らは既に、資金流入が強まる兆しを把握しているのかもしれない。そうでなければ、これらのイベントが心配したほど悪い方向に展開するかどうか、静観しようとするだろうから」とイングランダー氏は記す。 「ECBがSNBにきちんと耳打ちしたとは考えにくい。しかし非公式な会話を通じてSNBが風向きを把握した可能性はある」 <テールリスク> SNBの行動はECBを助けると見てよさそうだが、事態を見守る必要は残っている。SNBによるユーロ買いはユーロ圏国債を下支えしてきたが、ユーロEUR=安もまた、国債の支援材料だ。それにSNBが裏口からユーロ圏国債を買うより、ECB自体が国債を買い入れた方がずっと強力な効果を発揮するだろう。 肝に銘じるべきは、SNBは過去3年間、世界にユーロからの避難口を提供してきたということだ。避難口を無制限に使いなさい、我々は予め取り交わした最低価格でフランを売ってあげるから、というわけだ。 債券市場の裁定戦略を差して「こつこつと数セントを拾い続けた挙句、ローラー車に一掃される」という表現があるが、SNBの戦略は正にそれだった。SNBそしてスイスはこの戦略で一定の恩恵を受けた。しかし単一通貨ユーロが危機に陥ったり、ECBが量的緩和に踏み切る、あるいはその両方が起こった場合に、SNBは数十億ユーロを買い増した末にペッグが崩壊するという大きなリスクを伴う。 SNBの動きは来週以降のイベントリスクを別にしても、世界にとって長期的に興味深い含意があるのかもしれない。 中央銀行の信認全体が損なわれたのかもしれないが、多くの市場関係者はECBや米連邦準備理事会(FRB)のような巨大中銀と、SNBやイングランド銀行(BOE)との間に一線を画すだろう。SNBが闘いを降りたことで、ユーロ防衛のために「何でもやる」としたドラギECB総裁の約束は価値が薄れるのだろうか。今のところ、そうした証拠はないが、見守る価値はある。 デフレという切り口も興味深い。通貨価値の急上昇はインフレ率を間違いなく押し下げる。これはSNBがフラン上限政策を導入した際、産業や観光の保護と並んで掲げた理屈だった。世界全体で現在、デフレの勢いが増しているようにみえる。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0KP15320150116 コラム:スイスの「恐ろしい教訓」が示す中銀の限界 2015年 01月 16日 12:23 JST Swaha Pattanaik
[ロンドン 15日 ロイターBreakingviews] - 中央銀行は、高い期待に応えなくてはならない。投資家や政治家が各国中銀に期待するのは、インフレを抑制しつつデフレを回避し、成長を促進し、金融システムの健全性を維持することだ。 スイス国立銀行(中央銀行)は、それらより単純な2つのこと、つまり約束を守り、為替相場の動揺を防ぐことに失敗した。他の国にとっては恐ろしい教訓だ。 スイス中銀は15日、過去3年にわたり維持してきたスイスフランの対ユーロの上限(1ユーロ=1.20フラン)を廃止すると突然発表した。これを受けてスイスフランは対ユーロで一時40%急騰。その後は上げ幅を縮小したが、投資家やスイス企業は騒然となった。 今回のスイス中銀の行動から得られる一番目の教訓は、中央銀行が意志やガイダンスを明らかにしたとき、それを決して信用してはいけないということだ。 スイス中銀は、政策のしっかりした信頼の置ける機関と考えられていた。しかし、3年間にわたって金融政策の拠り所としていたフランの上限設定に突如終止符を打ったことで、その土台はひっくり返った。債務問題や低成長とマイナス金利で混沌とした世界では、他国の中銀も同じように破壊的なやり方で考えを変える可能性がある。 次の教訓は、デフレとの戦いで奇跡を期待してはいけないということだ。スイスの消費者物価はすでに年率でマイナスになっており、原油安でその傾向には拍車がかかるとみられる。それでもスイス中銀は、デフレ圧力を強めることになるフラン高の方が、まだましな方策だと決断した。 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、ユーロ圏の物価押し上げにあらゆる手段を講じる意向を示している。しかしドラギ総裁がそれをやり遂げるのは無理かもしれない。 最後に、中央銀行が全能者だとは思ってはいけない。スイスの金融政策は計画どおりには機能しなかった。日銀や、間もなく国債購入に踏み切るとみられるECBも、スイス中銀以上には成功しないかもしれない。米連邦準備理事会(FRB)とイングランド銀行(英中銀)は、現時点では経済成長の刺激策を過度に気にかける必要はないが、もし必要になっても打つ手は多く残されていない。 政治家は、政治的に独立しているはずの中央銀行に、景気やインフレを刺激するための多くの難題を押し付けてきた。政治がもっとリスクを取るべき時が訪れている。 http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKBN0KP08Z20150116 コラム:資本主義の「病気」がもたらす長期金利低下 2015年 01月 16日 17:31 JST 田巻 一彦 [東京 16日 ロイター] - 米欧日の長期金利が低下の一途をたどっている。市場では、ユーロ圏経済の低迷や原油安を発端にしたリスクオフ心理の波及などが原因として指摘されているが、世界経済を俯瞰してみれば、高いリターンが期待できる投資先が少なくなっているということではないだろうか。 ある意味で資本主義の「病気」とも言え、この停滞感を突破するには、低コストのエネルギー源の開発などの抜本的なイノベーションが不可欠だと考える。 <10年日本国債は一時0.225%> 16日の東京市場で、日本国債の10年最長期債利回りJP10YTN=JBTCは一時、0.225%と過去最低水準を更新した。 15日のNY市場で10年米国債利回りUS10YT=RRは一時、1.756%と1年8カ月ぶりの低水準を付け、30年債US30YT=TWEBは2.393%までいったん低下し、過去最低水準を更新した。 15日の欧州市場では、スイス中銀の対ユーロ相場上限の撤廃を受け、同中銀によるユーロ建て国債買入減少の思惑から、フランス、ベルギーの国債価格が下落した。だが、10年独国債利回りDE10YT=TWEBは過去最低の0.402%を付け、10年イタリア国債利回りIT10YT=Tも1.74%と過去最低の1.71%近くで取引された。 <懸念される世界的な需要不足> 米欧日の長期金利低下には、多様な要因が指摘されている。短期的には、15日のスイス中銀による対ユーロ相場上限の撤廃と利下げで、米国債や独国債に資金が流入したことや、スイスフラン高につれた円高の進行で、日本株に売りがかさんだなどのマネーフローの波及が影響したと言えるだろう。 また、年初から進んでいる急ピッチの原油安で、ロシアなどの産油国経済が圧迫を受けるとの観測から、通貨と株価の同時安が進行。合わせて米シェール業者の発行したハイイールド債や関連するプロジェクトファイナンスへの懸念から、リスクオフ心理が広がり出したことも、世界的に株価の下押し要因として意識されている。 さらに欧州中銀(ECB)の量的緩和決断観測の背景にある欧州経済の低迷や、中国経済の不透明感の高まりも、世界的な需要不足に対する不安感を強めている。 ただ、こうした多様な現象を俯瞰して見れば、米欧日の中銀による超金融緩和政策でマネーが過去最大規模に膨れ上がっているにもかかわらず、高いリターンを見込める投資が実物経済に見当たらず、様々なマーケットに流れ込んだマネーも、結局のところ、最近の原油や非鉄金属などの価格急落を見て、安全資産に流れ込んでいるということではないか。 少なくとも、実物経済には高いリターンを見込める事業が少なくなっている可能性が高いと言えるだろう。 <世界的な長期金利低下を予見していた水野氏> このような未曽有の世界的な超低金利現象を「予見」していた経済学者が日本にいる。日本大学・国際関係学部の水野和夫教授だ。昨年3月に刊行され人気書籍の上位にランクインした「資本主義の終焉と歴史の危機」の中で、「金利はすなわち、資本利潤率とほぼ同じだと言える」とし、「利潤率が極端に低いということは、すでに資本主義が資本主義として機能していない証拠だ」と主張している。 そのうえで「資本利潤率の著しく低い状態の長期化は、企業が経済活動をしていくうえで、設備投資を拡大することができなくなったということ」で、「裏を返せば、設備投資をしても十分な利益を生み出さない設備、つまり過剰な設備になってしまうことを意味する」と分析している。 この水野教授の指摘に説得力を持たせるような現象が米国で起きている。米連邦準備理事会(FRB)は、今年4─6月にも利上げに踏み切るとの観測が盛り上がっていたが、米長期金利は2%台から1.7%台まで低下している。 これまでの経験では、利上げ観測が台頭すると、その背後にある景気上向きのトレンドをマーケットがとらえ、長期金利は上昇基調に入る。 だが、足元の米債市場が示しているメッセージは、他の実物投資に向かうよりも、米国債投資にマネーを向けた方が効率的だ、ということだ。つまり、米景気はFRBが予想しているトレンドよりも下振れした推移を示す可能性があるということにほかならない。 <長期停滞の回避に必要なイノベーション> 米欧日の長期金利が、過去の水準よりも低いトレンド線に推移して新たな均衡(ニューノーマル)を形成するようなら、それは低成長が長期化することを意味する。したがって現在進行中の長期金利の低下基調を「一時的現象」として、軽視するのは世界経済の長期的な構造変化の動きを無視することになるだろう。 この「長期停滞」の動きを変えるには、どうしたらよいのか。 水野教授は「より速く、より遠くへ、より合理的に」という資本主義を駆動させてきた理念を逆回転させ、「よりゆっくり、より近くへ、よりあいまいに」という理念に基づき、ゼロ金利、ゼロ成長の下で豊かさを意識できる社会に転換すべきだと述べている。 私は、この部分でやや意見を異にしている。最新の宇宙物理学では、宇宙に存在しているのは、従来から言われていた漆黒の闇(ダークマター)ではなく、多様な波動を持ったプラズマという説が登場している。 この説に従えば、宇宙空間からこのプラズマを取り出してエネルギー化することができれば、ほとんどコストなしでエネルギーを利用できるようになり、現在の経済構造が一変することになるだろう。 このような抜本的なブレークスルーが、どこかの分野で起きれば、長期停滞を回避できると思うのだが、楽天的に過ぎるだろうか。 http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKBN0KP0C620150116 ユーロ圏の12月CPI改定値は前年比-0.2%、物価下落が確定 2015年 01月 16日 20:10 JST [ブリュッセル 16日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局が16日に発表した12月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)改定値は、前年同月比で0.2%低下、前月比では0.1%低下で、速報値から変わらなかった。市場予想とも一致した。
ユーロ圏の物価は2009年以来初のマイナスに転じた。物価下落が確定したことを受け、欧州中央銀行(ECB)が来週、国債の買い入れを含めた量的緩和(QE)策に踏み切る、との見方が強まりそうだ。 ユーロ圏のCPI伸び率が前回マイナスとなったのは、2009年10月で、このときにはCPIは前年同月比で0.1%低下していた。 原油の国際価格急落を反映し、12月はエネルギー価格が前月比で3.3%下落し、前年同月比では6.3%下落した。輸送用燃料は前年同月比10.8%下落し、暖房用油は前年同月比20.4%下落した。 ただ、エネルギーと未加工食品を除くコアCPIは前月比0.3%上昇、前年比0.7%上昇。上昇率は10月、11月と同じとなった。 焦点:原油急落はプラス要因、FRB年央利上げシナリオ揺るがず 2015年 01月 16日 20:01 JST [ニューヨーク/サンフランシスコ 16日 ロイター] - 原油価格の急落など不安定な市場、米インフレ見通しの弱さを背景に、投資家は米連邦準備理事会(FRB)の利上げ時期予想を先送りしている。しかしロイターがFRB高官に行ったインタビューでは、原油安で逆に、年央前後の利上げ開始への決意が強まっていることが分かった。
FRBの高官や顧問らはインタビューで、米経済は6─9月の緩やかな政策引き締めへの準備ができていると発言。利上げペースについては、おそらくゆっくりとしたものになり、市場の反応次第と述べた。 景気回復へのFRB高官の自信の源は、原油価格下落が米経済にとって明らかにプラスであることを示すFRB内部の分析資料だ。 同資料はまた、長期のインフレ期待が低下していることについて、2%のインフレ目標達成への信頼が失われたことを意味しないと指摘。 逆に、市場ベースのインフレ期待がこのところ低下しているのは、物価が制御不能になることはないという投資家の信頼感の表れという。 FRB当局者の最近の公式発言を見ても、ここ数カ月のインフレ期待の大幅な低下をほとんど気にしていないことがうかがえる。 米アトランタ地区連銀のロックハート総裁は今週、記者団に対して「インフレ期待の数値を注視しているが、何らかの行動が必要だとは考えていない。私の見通しを大きく変えるものでもない」と述べている。 今回のロイターのインタビューでも、昨年の力強い雇用拡大を踏まえると、年央の利上げはむしろ慎重なアプローチ、との声が聞かれた。 また、海外から予想外の逆風があっても、米経済が回復軌道から外れることはないと確信している、とも声も上がった。 しかし市場では、世界的なデフレや景気低迷への警戒感が強まっており、先物トレーダーの間では、少なくとも10月までは利上げはない、との予想が大勢。利上げ開始時期を12月と予想する向きもある。 <原油安、むしろ利上げの理由> 賃金が伸び悩むなど国内物価は弱含んでいるが、インタビューでは、新興市場が安定すればインフレは上向く、とのFRBの確信が揺らいでいないことが浮き彫りとなった。むしろ、ガソリン価格の下落が低・中所得層に及ぼす影響は、引き締めを後押しする可能性がある。 米リッチモンド地区連銀のラッカー総裁は12日、ロイターのインタビューで「エネルギー価格の急激な変動は永遠に続くわけではない」と指摘。「(インフレの小幅な下振れという)一時的な事象の先を見据えて、金利を引き上げるというのは、無理なことではない」と述べた。 インフレ率は依然として、FRBの2%目標を0.50%ポイント下回っており、原油安とドル高を背景に今後、一段と低下する可能性がある。ただFRBは、原油価格は最終的には安定すると予想。米経済は成長を続け、あと数年もすればインフレ率も加速に転じると見ている。 (Jonathan Spicer記者、Ann Saphir記者 翻訳:吉川彩 編集:加藤京子) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0KP14520150116
原油価格の反発まで時間かかる、今年後半か=IEA月報 2015年 01月 16日 19:20 JST [ロンドン 16日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は16日に公表した月報で、原油価格の動向について、下げ止まりの兆候が強まっているものの、反発までには時間がかかるとの見方を示した。時期については、北米での供給が減少する今年後半になるとみている。 IEAは「底値がどこかということを市場の誰もが予想している。だが、大規模な売りが相場に影響を及ぼしている。大きな混乱がなければ、間近ではないにせよ、価格は回復するかもしれない。反転の兆しは強まっている」と指摘した。 原油は供給過剰の状態にあり、価格は直近の半年で約60%下落。北海ブレント原油先物、米原油先物とも1バレル=50ドルを下回って推移している。石油輸出国機構(OPEC)は減産の方針を示していない。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0KP0Z420150116
債券上昇、長期金利は一時最低更新−スイス中銀緩和受けた米債高で (ブルームバーグ):債券相場は上昇。長期金利は一時、過去最低水準を更新した。スイス中央銀行がスイス・フランの対ユーロ相場上限を撤廃し、マイナスの預金金利を引き下げたことを受けた米国債相場の上昇に加え、日本株の大幅下落を背景に買いが優勢となった。 現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の337回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の引値より2ベーシスポイント(bp)低い0.225%で開始し、過去最低を記録。午後は下げ渋る展開となり、0.24%まで水準を戻している。30年物の45回債利回りは2.5bp低い1.06%と、新発債としては2013年4月5日以来の低水準で開始。その後は1.09%まで水準を切り上げた。 長期国債先物市場で中心限月の3月物は、前日比17銭高の148円53銭で開始。一時148円55銭を付け、過去最高値の148円58銭に接近したが、その後は上昇幅を縮小。午後は3銭高まで伸び悩む場面もあり、結局、4銭高の148円40銭で取引を終えた。 DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャーは、スイス中銀の決定を受けてリスクオフになったとし、「日本株安・円高を背景にこころもち円債が買われた」と説明。他市場ではポジションを解消する動きが進んだものの、「円債はポジションがない」上、高値警戒感もあり、上値は限定的になったと言う。 スイス中銀がサプライズ緩和 スイス国立銀行(中銀)は15日、1ユーロ=1.20スイス・フランに設定していたフラン相場の上限を撤廃すると発表した。市中銀行が中銀に預ける要求払い預金の一定額を超える残高に適用する金利をマイナス0.75%と、昨年12月に発表したマイナス0.25%からマイナス幅を拡大させた。 スイス中銀の決定を受けて、15日の米国債相場は大幅上昇。比較的利回りの高い米国債への買いが進む格好となった。米10年債利回りは前日比14bp低い1.71%程度に下げた。16日の東京株式相場は大幅下落。TOPIX は一時同2.4%安となった。 パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、スイス中銀のサプライズ緩和を受け、来週の欧州中央銀行(ECB)の国債買い入れへの期待が世界的に織り込まれている格好と指摘。「足元で米経済指標の弱含みもあり、米2年債利回りが0.4%台まで低下するなど年央の利上げ期待がはく落。こうした背景もあり、円債市場では相対的に金利が高い長期から超長期債に買いが集まっている」と話した。 ECBは来週22日に金融政策決定会合を開く。野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「日本の短中期債金利のマイナス化をけん引しうるのは欧州国債からの資金シフトであり、欧州がもし政策金利を引き下げるようであれば、海外投資家が日本国債のマイナス金利許容幅を広げることになろう」とみる。 財務省が午前実施した流動性供給入札(発行額3000億円)の結果によると、募入最大利回り較差がマイナス0.014%、募入平均利回り較差はマイナス0.018%となった。残存期間15.5年超から39年未満の既発国債が対象銘柄で、投資家需要の強弱を示す応札倍率は2.42倍と、前回の同年限入札の2.91倍から低下した。 記事に関する記者への問い合わせ先:東京 三浦和美 kmiura1@bloomberg.net;東京 山中英典 h.y@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 山中英典, 崎浜秀磨 更新日時: 2015/01/16 15:35 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NI7KX36K50YK01.html |