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スイスの追加緩和と機械受注
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52682385.html
2015年01月15日 在野のアナリスト
日経平均は大幅高でしたが、ダウが200$近く下げたにしては、朝からマイナス圏に落ちることもなくプラスを維持、しかも右肩上がりの展開でした。きっかけは原油が4日ぶりに反発したことですが、それを誘引したのが米国の12月小売売上げ高の低調で、売り方の買戻しが活発化したことであり、景気回復への自信でもなかった。日本の株式市場は、売り方の買い直しではなく、昨年の買いもちポジションを年初から解消してきて、ポジションの軽くなった外国人投資家が、改めて買い入れた、というのが今日の真相のようです。どうも需給のシーソー、景気の良し悪しを各市場で勝手に解釈し、独自に動いているような印象であり、方向感がつかめません。
そんな中、スイス中銀がフランの無制限介入を終了し、対ユーロの上限を撤廃すると発表されました。また政策金利の手数料徴収を0.25%から、0.75%へと引き下げ、つまり利下げを行い、マイナス金利を拡大させました。これによりスイスフランは対ユーロで一時30%ほど上昇、スイス株市場は10%の下落など、混乱を呈しています。理由が分かりませんが、ECBが理事会で追加緩和を決めることを踏まえ、通貨防衛を介入から金利誘導に切り替えたのでは? とも囁かれ、これがネガティブインパクトを与える形となっています。本来、ECBの追加緩和は市場も好感するはずですが、追加緩和の効果が疑問視され始める中で、中々素直には喜べない、というところです。
これにより、日経平均の夜間取引ではふたたび16000円台に沈んでいます。せっかくECB理事会を前に積み増したポジションの、解消の動きとなっています。日本のファンダメンタルズは無視、需給のシーソーだけの値動きであり、だから大きくなります。買いが多いと思えば買いに倣い、売りが多いと思えば売りに倣う。なので水準感すら関係なく、容易に突破してきます。ただ抵抗が増える、と思うとそれに倣うので、今はそれ以上の動きがないだけ、なのです。
内閣府から発表された11月機械受注統計も、民需の受注額は、前月比では1.3%増だったものの、10月が6.4%減だったことの反動であり、さらに前年同月比をみると14.6%減です。駆け込み需要の反動減はむしろ拡大傾向であって、政府や日銀のいうところの「緩やかな回復」どころの騒ぎではありません。日銀が発表した14年の企業物価指数は3.1%の上昇と、消費税増税の影響を除いて1.0%の上昇と発表されましたが、12月に限ると前年同月を0.9%も下回っています。原油安の影響とはいえ、企業活動の停滞、消費の低迷もその一員であることは間違いありません。
こうした内需の低迷も、市場はほとんど見向きもしません。経済指標で動かない市場には不安も漂います。中国でも気になる動きがあり、不動産ディベロッパーの破綻で、ジャンク債市場が急騰しているのです。これは健全とみられていた企業が、地方政府から販売を停止されたことにより、破綻懸念に陥るという中国特有のリスクを意識し、発行される債券の信用が著しく下がっていることが影響しています。需給のシーソーが大きく傾いたとき、そこから転げ落ち、さらに傾きが大きくなることも予想され、そこに政治リスクが絡むというのが、2015年の傾向となってくるのかもしれませんね。
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