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「アメリカが衰退している」が本当にも嘘にもなる理由とは
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2015年1月14日 Darkness - ダークネス
現代において最も重要なのは「情報」であると言われている。そして、その情報を担うのはインターネットである。
インターネットは全世界を結びつけており、すでに情報の世界ではグローバル化は達成されている。そして、そのインターネットの根幹を握っているのはアメリカ企業である。
マイクロソフトも、アップルも、グーグルも、アマゾンも、フェイスブックも、IBMも、オラクルも、すべてアメリカ企業である。情報の中核になる技術と革新はすべてアメリカが所有している。
インターネットがない世界はもう考えられないわけであり、それをアメリカが押さえているという意味は非常に重要だ。
また、エネルギーを押さえているエクソンやシェブロンのような巨大企業もまたアメリカが押さえている。J&J、ファイザー、メルク、アボット・ラボラトリーと言った巨大な製薬企業、各種バイオ企業も時価総額から影響力まで、アメリカ企業が突出している。
別に深く考える間もなく、グローバル化の中心は、まぎれもなくアメリカである。
■資本主義の中で重要なプレイヤーは何か?
現代は資本主義社会である。その資本主義の中で重要なプレイヤーは政治ではなく企業だ。アメリカの場合は政治家もまた企業経営に関わっており、早い話が多国籍企業の代理人だ。
ジョージ・ブッシュ元大統領がカーライル、ディック・チェイニー国防長官がハリバートン、コンドリーザ・ライス国務長官がシェブロンに関わっていたのはよく知られている。
オバマ大統領の資金はゴールドマン・サックス、シティ・グループ、JPモルガン等の金融資本であったことは有名だ。
その結果、2008年9月15日に引き起こされたリーマン・ショックでオバマ政権はFRBに前人未踏の金融緩和を実行させて金融資本を救済させた。
さらにアメリカの金融企業は中国に投資していたので、オバマ大統領はその後中国を最大限に伸張させた。
こうして、2008年9月以降、崩壊の危機にあったアメリカ金融業界は、2010年にもなるとまるで何事もなかったかのように復活を遂げた。
金融資本と言えば、ジョセフ・バイデン副大統領もまた一族が「パラダイム・グローバル・アドバイザーズ」というファンド企業を経営している。
世の中の何がどう動くのか、大統領・副大統領は知っているわけだから、彼らを代理人にしている投資企業が抜け目なく動けるのは当然のことである。
矢面に立っているのは政治家だが、政治家は多国籍企業の代理人となって動いているのだから、アメリカの「中枢」は政治にはない。多国籍企業にある。
■アメリカ衰退が一概に本当であるとは言えない理由
世界の資金はアメリカに集まっており、NYSE(ニューヨーク株式市場)は世界最大の市場である。すでにアメリカの株式市場の指数はリーマン・ショックの大暴落を克服しており、さらに膨らみ続けている。
私たちはアメリカが衰退したと言う。しかし、「アメリカ企業」という視点で見ると、それは事実ではない。
アメリカの衰退は、「アメリカの政治」と「アメリカ人」を見る限り事実なのだが、アメリカ企業を見るとまったく別の光景が見える。衰退どころか、まだ恐ろしいほどの成長の余地がある。
アメリカ企業の時価総額は現在でもそれぞれが空前の規模で膨らんでおり、その資金が政治にも影響を及ぼしている。
アメリカの政治家がアメリカ人ではなく、アメリカ企業を利するために政治を行うのは当然のことであり、アメリカの政治家は多国籍企業の操り人形である。
ヒラリー・クリントンは、かつて医療保険改革問題特別専門委員会の委員長になって医療保険の抜本的な改革を行おうとしたが、保険企業や製薬企業を敵に回して改革自体が頓挫した。
2008年からの大統領選ではオバマ陣営が金融資本の支持を取りつけたために、選挙費用の面でも負けて選挙に敗北した上に、10億8000万円の負債を抱えることになった。
ヒラリー・クリントンは次期大統領選にも出馬する可能性が濃厚だが、次の大統領選では最初から多国籍企業の資金を積極的に受け入れるしかない。
そんな中で大統領の座を射止めたならば、「多国籍企業の代理人」としての大統領になることが決定付けられる。ヒラリーのその後の行動、発言、政治は、すべてアメリカの多国籍企業のためのものになるということだ。
■アメリカ企業だけが独自生命体のように進化した
アメリカの多国籍企業がアメリカの政治家を自由自在に操ってグローバル化を推し進め、資本独占を目指していく。
「アメリカが衰退する」という言葉を私たちはこれからも聞き続けることになるが、「アメリカ」とは3つのパートがあることを忘れてはならない。「アメリカ」とひとことで言っても、そのアメリカには、以下のものの集合体である。
(1)アメリカ国家
(2)アメリカ企業
(3)アメリカ国民
これらすべてをまとめて私たちはアメリカと言っている。しかし、グローバル化と資本主義社会の極大化が進む社会において重要なのは、「アメリカ企業」である。
かつて、「国家・企業・国民」は三位一体で切り離せないように思えた。
しかし、今は「アメリカ企業」がひとつの独自生命体のようになって成長し、三位一体ではなくなった。アメリカ企業がグローバル化し、多国籍化したので、アメリカ企業の成長がアメリカ国家・国民の成長とは合致しなくなってしまったのだ。
アメリカの巨大企業は、アメリカという殻を抜け出して独自の生命体と化した。そのためにアメリカ企業は、アメリカの国家と国民から富を吸い取り、ひとりで膨れあがっている。
「アメリカ企業」を考慮しないで「アメリカ国家」「アメリカ国民」を見ると、アメリカは衰退しているように見える。しかし、「アメリカ企業」を見るとアメリカは衰退どころか成長しているように見える。
だから、ひとことで「アメリカが衰退している」と言っても、それは真実ではない。逆に「アメリカが成長している」というのも事実ではない。
「国家」と「企業」と「国民」のどこに強く視点を当てるかで、世の中の見え方が180度変わってしまうことに気を付けなければならない。
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