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円安賛成派「10円円安は上場企業の営業利益を1.7兆円押し上げる」〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150114-00000006-sasahi-bus_all
週刊朝日 2015年1月23日号
昨年12月4日、ドル・円相場は7年4カ月ぶりに1ドル=120円に下落した。日米の金利差を考えると、まだまだ円安に進むと予想する専門家は多い。“円安賛成派”のみずほ銀行産業調査部調査員の有田賢太郎さんは、円安が企業業績にもたらす効果をこう語る。
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円安の企業業績への影響は全体ではプラスと考えられます。私の推計では10円円安で上場企業の営業利益は約1.7兆円のプラスという結果になりました。
特に機械・電気機器産業が9千億円弱、自動車メーカーなどの輸送用機器産業が7千億円弱のプラスの結果となりました。こうした産業では輸出競争力を堅持していると考えられます。
ただし、同産業ではグローバル競争の中で、1990年以降、生産拠点を現地化する動きが進展しており、円安が輸出数量に与えるインパクトが以前よりも低下している点には留意が必要でしょう。
一方、中堅・中小企業を中心とする非上場企業への10円円安の影響は約8千億円のマイナスになりました。同企業の多くは内需型産業のため、円安に伴う輸入価格の上昇の影響を直接的、間接的に受けていると考えられます。
ただその一方で、足元では原油安が進んでおり、マイナス影響は緩和されていくことが期待されます。
今後は円安メリットを享受した輸出型企業が、利益をどう活用していくのかがポイントになります。内部留保として蓄積するのではなく、賃金の引き上げや、国内で設備投資・研究開発投資などの拡大を進めていけば、内需・サービス型産業や設備産業への波及が期待できます。
では、どういう事業で国内投資をしていくべきかというと、価格以外で差別化できる分野です。日本ではブランドや技術で強みを持つ事業に注力すべきです。
例えば、水道や鉄道、火力発電などのインフラ産業の日本の技術・運用力は非常に高く、今後拡大する新興国の需要の取り込みが期待できます。
また、洋上風力発電なども技術力が高く、国内に部品会社が集積しているため波及効果も大きいです。さらに高分子化学や医療機器なども期待できる分野です。
内需型産業でも、観光産業などは外国人観光客の拡大が想定されます。政府には外国人観光客を受け入れるためのハードとソフト面の整備が求められます。
足元の円安は見方を変えれば、新たな製品・サービスの開発、イノベーション創出のチャンスです。
国内企業には、円安を脅威ではなく機会ととらえ、積極的な取り組みを期待したいです。
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