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12月景気ウォッチャー調査について
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52682243.html
2015年01月13日 在野のアナリスト
今日の株式市場も上へ、下への大騒ぎですが、売買代金は2兆円を少し越える程度で、商いが膨らみません。外国人投資家が買わないと上がらない日本市場ですし、日銀、GPIFなどの公的マネーで下げると買ってきますが、この売買代金では存在感も増します。上にも下にも行けない、そんな相場は実体との乖離も大きくします。
そんな中で、12月景気ウォッチャー調査がでてきました。現状判断DIは3.7pt改善し、45.2。先行き判断DIは2.7pt改善し、46.7となっています。しかし間違えてはいけないのは、このDIは方向性を示すだけで、改善といっても決して景気が上向いている、ということではないことです。11月は景気判断の分かれ目となる50を大きく下回る、30台の項目が多かったことから、多少のもどりがあっても高いDIとなってしまいます。例えば、現状判断で『良くなっている』『やや良くなっている』を合わせると16.7%、『やや悪くなっている』『悪くなっている』を合わせると、31.5%。11月はこれが11.9%と31.9%だったため、12月の数字が改善しているようにみえるだけなのです。
判断の理由の項目をみると、今回の改善した原因がみえてきます。「年の瀬でお正月の商材が売れた」「急に気温が下がったため衣料が好調」「消費増税の先送りで不透明感が解消された」。最後などただの期待だけですし、先送りで逆に先行きに対しては再延期なのか、強制執行なのか、その不透明感が強まるのですから、メディアの情報を丸写ししているような意見です。しかし意外なほど、ボーナス月であることを意識した意見が少なく、一方で「一時金が上がらないので…」という、マイナスの意見が散見される程度で、それで消費が増えた傾向はないようです。
また目立つのが「節約志向が強まった」「消費者の目が厳しい」「昨年の駆け込み需要の反動減で、ここ2、3ヶ月は厳しい」といったものです。メディアはほとんど報じませんが、判断の理由として掲げられるものは、景気の現状をよく表しています。むしろメディアとは真逆の意見が多いのです。特に、「消費増税の先送りで…」として挙げた意見とは全く逆に「不透明感が強まった」「再びの駆け込み需要が期待できなくなった」とするものまである。理由のコメント欄をみる限り、景気はさらに悪化するのではないか? という不安の方が強く打ち出されています。
民間エコノミストが10-12月期GDPの予想を年率で前期比3.4%の上昇、と発表されました。毎回、実体との乖離が問題となり、民間エコノミストの能力が疑問視されますが、今のところ10-12月期に改善した部分はない、と見受けられます。輸出を上方修正していますが、実はこの原油安で、日本にとって少し厳しい展開も予想されます。それは米国で、大型車が売れていることです。
日本が得意なのは燃費のよい小型車、大型車が売れ出すと、これまでの円安で業績改善効果の大きかった自動車産業が、一時的に停滞するかもしれません。国内では軽自動車の販売が4割を占めるなど、ますます採算のとりにくい市場になっていることもあり、景気低迷が不安視される欧州、バブル崩壊が囁かれる中国と、日本の自動車産業にとって期待できる市場が皆無となってしまうかもしれません。景気ウォッチャーの判断理由をみる限り、すくすくと育った『フケイキ』という木が今、国民の多くを日陰に追いやり、冬にますます身も凍えるような思いを強めている、そんな状況もうかがい知れるのでしょうね。
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