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雑感。来年度予算について
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52682156.html
2015年01月12日 在野のアナリスト
政府・与党は一般会計の総額を96.34兆円とし、過去最大とする方針を固めました。基礎的財政収支の赤字幅は13.4兆円と、4兆円程度圧縮される見通しです。ただ、来年度の成長見通しを1.5%程度と、今年度より成長するという見立ての上でのこ見通しですから、達成できるかどうかは不明です。しかも中身をみると、消費税増税をして、社会保障費が増えるのかと思いきや、どうやらそうではない。それは介護報酬の2.27%減にも現れており、社会全体の方向性となっています。
これは全体で2.27%の減少であり、内訳をみると事業者報酬が4.48%減、職員給与を月1.2万円増やし、良好なサービスを提供する事業者への加算を0.56%とする、という流れにより決まっています。これは昨今の流れ、ローソンでも起こっている、賃上げしても全体の報酬は一時金、残業、手当てなどを下げてトータルでは減額となる流れと、完全に一致するでしょう。事業者の利益が圧迫されるので、介護労働者も同様に、トータルでは手取りが目減りしてしまう恐れが高いのです。
あくまで概算要求ベースですが、実は昨年より急激に増えているのが、要望額を含めると国交省です。この要望額、一般会計には含まないので、全体を見え難くしていますが、要望額を含めると昨年から増加したのは国交省がトップにくるのです。しかも厚労省が31兆円の事業規模に対して1兆円の増加、国交省は6兆円の事業規模に対して1兆円の増加、ですから、如何に跳ね上がっているかが分かります。確かに東京五輪など、公共工事が増えるのは理解しますが、安倍ノミクスで建設業を潤す、という形が鮮明であり、国交省の悪のりとも見えるわけです。
一方で、防衛省も5兆円の事業規模に対して約0.2兆円の増となっており、防衛予算の拡大が見受けられますが、これも要望額です。実はほとんどの省庁が、一般会計として計上される予算は小幅に削減されていて、一方でこの要望額を足すとほとんどが昨年より増額になっている、という始末です。この要望額を加えると、来年度の予算は100兆円越え、というのが真相です。
介護報酬にしても、03年度の引き下げが2.3%だったため、それを越えないよう2.27%に調整しています。この一般会計予算も、実は100兆円越えなのに要望額、という切り分けをして96兆円にしている。安倍政権では、すべての数字を操作し、見栄えだけをよくする工夫が多く、今は一般会計、特別会計、それに要望額という第三の予算が誕生した、という印象すら抱きます。
昨年の11月、経済指標の集中発表日に私が取り上げなかった項目に、有効求人倍率がありました。結果は前月比0.02pt上昇の1.12倍と改善していますが、実は求人数は4%も下がっており、逆に求職者数が7%以上も下がったことから、有効求人倍率が改善した、ということになっています。この原因が未だに不明で、説明はできないのですが、求人の減少は景気低迷を映すものだとしても、求職の減少は労働人口の低下なのか、若者が職探しをやめたのか、高齢者が増えて職自体を探さなくなったのか。いずれにしろ、この有効求人倍率だけが改善、という結果は、政権にとって都合よく丸められたものという受け止め方もできます。つまり有効求人倍率を改善させるために、数字をいじったのではないか? 今の予算にしても、一般会計と要望額と、分けていることから見え難くしている部分が多くなっているのです。安倍政権ですすむ、情報の見え難さに関して、さらに内閣府がインターネットセキュリティーで予算をとるといいます。数字すら正しく国民に伝わっているかどうか? 予算の使い道をしっかりみておかないと、それこそ景気低迷で減った分を国債で補填する、と言い出しかねず、この予算案もまともにうけとってはいけない、ということになってしまうのでしょうね。
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